猫ぽん

オッペンハイマーの猫ぽんのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.6
「悪意」が誰の中にあり、人の行動と結果を焦点に当てて描かれた作品だった

ノーラン作品、映像演出は毎度凄くて感心してたんだけど、いつも最後大オチでがっかりして「こんなもんかーーー」だったのが今回はストーリー含めて噛み合って文句なしに傑作

「戦争の中で核の火をつけた者に責任を問うのではなく、戦争の開始の火をつけた者こそが罪人
現代、世界的に緊張が高まっている中またこの過ちを繰り返すのか?誤るな、絶対に繰り返すな」
という強いメッセージを感じた

米人からすれば原爆投下を肯定したくなる心情もあるのは分かるし、日本人や広島や長崎を映すような直接的な描写は意図して避けたかなと感じるところもあり、それでも向き合い方を変えて描いたとも言える歯がゆい絶妙なライン ただこの作品であればあえてそういう描写もピンスポットを当ててダイレクトに描いてほしかった、好みの問題だけど


とにかく演出が凄まじい
ぜひ音響設備整った劇場で
あと、映像は全然派手じゃないけどこのテイスト好きならイミテーションゲームも面白いのでぜひ
かなりシンクロする部分がある



(追記メモ)
2024/5/29
グランドシネマサンシャインのシアター12 IMAX(日本最大サイズ)で再視聴
初回はお気に入りのバルト9のシアター9で見たんだけど、こっちの方が輝度高いなー、とか、画面でかいなー、くらいしか違いわからんかった
音響はセンターの後ろ側の方で見たんだけど、音が意外と定位が定まりきってなくて頭の上を低音が余分に飛んで行ってる感じあった(課金する席が1番後ろの列だったから多分ここがスイートスポットっぽい)
これはグランドシネマサンシャインがしょぼいとかじゃなく、バルトのメインスクリーンがIMAXでもないのに音響すごい凝ってて良いって話かもしれん
ただ、アスペクト比が変わったことでかなり視野角が広くなり爆発の瞬間の業火の飲み込まれる映像表現はあの1.43:1の視界を覆い尽くすような視野角ならではだなー、と
猫ぽん

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