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燃えあがる女性記者たちのごーのレビュー・感想・評価

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)
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インド、カースト外の「不可触民」として差別を受けるダリットの女性たちが立ち上げた新聞社「カバル・ラハリヤ」。それまでの紙媒体からスマホを使ってのネットメディアとして挑戦を始める。

英語が分からずスマホを操作できない者、なぜ動画を横向きに撮るのかさえ分からない者もいる中、デジタル化へ奮闘する。

貧困やカースト、ジェンダー、根強く残る家父長制、ムラ社会という逆境に抗い、地道に現場に足を運び、当事者の声を聞く女性記者たち。

取材するのは、差別による婦女暴行殺人事件、鉱山開発による環境破壊、選挙戦から、村の電化やトイレ問題まで多種多様。電気が通ってない村の報道をした直後、電気が通るようになると、他の非電化村から自分のところも取材してくれと依頼が殺到する。

YouTubeに上げたニュース動画の再生数はどんどん増えていき、親の為にと結婚し離職した記者も復帰し、隣の州に支局も設立する予定となる。彼女たちの発信するニュースはインド各地へと大きな広がりを見せる。

特に印象に残ったのは政治的な取材で、自分に都合の良いように撮らせる選挙候補者や、ヒンドゥー教の祭りに参加し信仰心に訴える政党など、日本と似たような問題がここにもあるのだなと思ってしまった。
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