がぶりえるさんの映画レビュー・感想・評価

がぶりえる

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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.6

立つ鳥跡を濁しても、恩は忘れず

タケが後に大成する北野武であることは分かりきっているから、売れない若手芸人としての葛藤とか苦悩のドラマは刺さらなかった。それはある意味しょうがない事なんだけど、やっぱ
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.4

やかましいフェミニストを一刀両断する快作。

超面白い。超エンタメ。何やらスキャンダラスな雰囲気漂う予告とデカデカとゼンディヤの顔面が描かれたポスターを見た時から「またフェミニズム映画か」と思っていた
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関心領域(2023年製作の映画)

4.4

感覚麻痺した我々を挑発する作品。

2回観た。2回観ておきながらこんな事言うのはなんだが、はっきり言ってこの作品は面白くない。エンタメ色を1つも感じない、恐ろしく無機質で退屈な作品だった。単調な家族ド
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.3

暗黒の天使フュリオサ誕生の物語

冒頭、ディメンタスの一味に連れ去られたフュリオサを母親が取り返しに行くアクションシーンをぶつ切りで見せる所から、前作「フューリーロード」とは明らかに違うことをやろうと
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0

"あの日あの時"の友情。

確か初めてみたのは12歳の時。母親にお勧めされて観たと思うんだけど、なんたって当時の僕はタランティーノとフィンチャーを崇拝するひねくれ厨二病少年だったものですから全く響かず
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.0

あの頃から大人だった。

「難しい年頃の子達」なんて一言では片付けられない映画。14歳ながらに、産な感情で人間関係や集団の中でどう生きていくかについて悩む彼らの姿が眩しくも痛い。そっか、この頃からおん
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バービー(2023年製作の映画)

2.8

全然ハマらなかった。平日の午後4時からNHKの教育番組でかかってそうな映画。

まずバービーの派手やかな世界観に全然ときめかなかった。僕が全くバービー人形に思い入れがないことが駄目なのかもしれないけど
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.9

古典的スパイ映画

近年のシリーズ作品は、トムの狂気によって生み出された派手でスタイリッシュな大味のアクションがトレードマークになっているが、シリーズ1作目である本作はかなり古典的なスパイ映画としての
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.6

今年ベストかも

教師って偉大だなぁと思う。大変だよ、こんな仕事。何かと難しい年頃の生徒に対して学習指導と生活指導するだけでも大変なのに、保護者のクレームの相手したり、ベテラン先生や校長の言う事聞いた
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冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

3.6

郷愁

エドワードヤン目当てで鑑賞。めちゃくちゃ出演時間短いけど若かりし頃のエドワードヤン見れて眼福。「この人、これから「恐怖分子」撮るんだよなぁ〜」とか思うと感慨深い。

ストーリーも良い。冬冬とテ
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ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.5

油断大敵

この映画を観た後だからこの言葉が身にしみてよく分かる。
「ノルウェーで戦争?なわけ」
「ここウトヤ島は世界一安全な場所だから」
「みんな居るしここにいれば安全よ」
「オスロでテロなんて起こ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

アブナイ子にも旅をさせよ。

キモいのに美しい、奇天烈なランティモスワールド。まるで童話の中の様な美しい世界の中で暴れ回るグロテスクで愚かな、でも愛おしいキャラクター達。キモいけど見惚れるこの世界。劇
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.0

二十四のつぶらな瞳に導かれし人生

戦争突入の恐怖とか、複雑な家庭の事情を抱える生徒とか、先生の子供の事とか泣けるとこは沢山あるけど、ずっと変わらぬ師弟関係に一番泣ける。先生は生徒を、生徒は先生のこと
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.4

蛇女に恋した童貞

前半の投稿映像のパートが長すぎて「おいどうした白石晃士!!クソつまんないぞ!!」って思ったら、後半からちゃんと面白くなるんかい!!疑ってスマナイ。コワすぎ!シリーズ好きなひとは前半
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DOOR デジタルリマスター版(1988年製作の映画)

3.5

戦う主婦と変態セールスマン

画面からヒシヒシと伝わる高橋惠子への圧倒的信頼と偏愛。彼女をいかに撮るかにこだわりまくってるのが見て取れるし、監督絶対高橋惠子のファンだろ!、って思ったら奥さんなんかい。
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

麗しきレスリー・チャン

何せレスリー・チャンが綺麗。格好いいとか美しいより「綺麗」。役に入り込みすぎて心がほぼ女性になってしまった天才役者、という難しい役どころをこんなにも違和感なく、かつ華麗に演じ
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.8

コックリvsニンニク口臭

新シリーズ始動でかかりまくる工藤が今回も破天荒で面白い。彼は日本ホラー映画史上類を見ない、霊に対してバットで立ち向かう脳筋キャラクター。本来幽霊というのは触れられないから恐
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8 1/2(1963年製作の映画)

-

難解。
多分半分も理解できてない。作中に登場する映画監督が「映画のネタが浮かばないよ」って苦しむ姿が映画になってる、っていうメタ構造自体は面白かったけど、細かい一個一個の描写の意味とか台詞はわからない
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エレファント(2003年製作の映画)

3.7

淡々と事件に向かっていく物語

ひたすらリアリティにこだわりまくった淡々とした演出が続く。派手なカメラワークも音楽もない。他愛も無い会話を交わしたり、友達とご飯を食べたり、恋人と外へ出かけたり、趣味に
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

4.0

エンドゲーム

終末感、走り抜けた感、卒業式感、謎のやりきった感。不思議な感動と笑いをありがとう、コワすぎ!シリーズ。そして、ありがとう白石晃士。大大大満足の完結編。

過去一くだらないけど、最高の締
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肉弾(1968年製作の映画)

3.7

岡本喜八らしい皮肉全開戦争映画

独特の台詞の言い回しとクセの強いキャラが漫画の様。ナレーションでキャラクターが心の声をボソボソと独り言の様にボヤくところがいかにも岡本喜八的。自問自答を繰り返したり、
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.3

暗くて不穏。

家族の日常を繊細な描写で、かつちょっと可笑し味を含んで描く小津の他作品とは一味違う。とことん暗くて、笑いどころなど一つもない憂鬱な作品。

両親が離婚し、男手1つで育てられた姉妹。その
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

3.9

インフィニティーウォー

ヤバイことが始まる!!どんどん面白くしてくれるじゃないか!いったい誰がこうなる事を予想できただろう。さすが劇場版、今まで以上にホラー表現、ストーリー展開ともに気合が入ってる。
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無法松の一生(1958年製作の映画)

4.8

無垢で、気前が良くて、強くて、素直で、優しくて、前向きで、人情があって、意思を貫く誠実な男。そういう無法松みたいな男でありたい。
本当に強い男は、たとえどんな事があっても愛する人の幸せを願える男だと教
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

4.0

まさかのユニバース化

過去作の本格的な伏線回収はじまる。「白石晃士のコワすぎ!ユニバース」とかホント最高すぎる。この熱いユニバースが世間にほとんど知られていないのが本当に惜しい。バカバカしくも愛おし
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.6

色気。

直接的な描写はほとんどないのに溢れ出る熟された色気が凄い。結婚し、定職に着いて、日々家業と仕事をこなす毎日を送る生真面目な2人の静かながらお互いを深く想い合う大人の恋心が心地よくもあり苦しく
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.6

「完全新作」!!

この手の誇大広告をするハリウッドのドル箱映画は、「どうせ期待ハズレだろ。」とか思いながら心の何処かで淡い期待をしてしまうから結局いつも観に行ってしまう。それだと向こうの思うツボなの
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愛してる!(2022年製作の映画)

3.6

真の変態、高嶋政宏が最高。
ホントにああいうことしかねない人だからより面白い。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2013年製作の映画)

4.4

腰抜けた

面白すぎる。どうしたコワすぎ?今回凄くない!?あれ?今回はちゃんと万人受けするんじゃないか?ってくらいシリーズ過去作に比べて脚本の完成度が高い。まさかこんな所でタイムループを仕掛けてくると
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欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)

3.7

欲に生き、欲に散る人間の恋愛ドラマ

台詞が良すぎる。
「脚のない鳥は決して地面に下りたりしない。」
「最後に何を見るのか知りたいから俺は目を瞑らない。」
「彼は毎日来て、1分間の友達から2分の友達へ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.8

どんどん面白くなってる

やはり工藤の荒々しさが良い。勝手に病院を抜け出すところから、もう期待通りの工藤。例の呪物を呪われた人間に巻き付ける力技の戦法がアホずきて大好き。人間の筋力では太刀打ちできない
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

美しきジャン=ピエール・レオを見る

とても辛辣に心に突き刺さる映画。うだつの上がらない父と子供に強く当たる母。学校という閉塞的で、役に立つのか立たないのか分からない授業と課題で評価される異空間。母の
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ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.9

よく分かんないけどなんか通じ合える人

ウォン・カーウァイの映像センスが今回も素晴らしい。何も起こってなくても、見てるだけで「いいなぁ」と思える何かがある。本当にこの人の作品は不思議。さらにウォンカー
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

「この時彼女との距離は0.1mm。
 57時間後、俺は彼女に恋をした。」

良い音楽と良い映像とカッコいい台詞がマッチすることで生まれる「なんか凄い事が起こってる感」みたいなのがずっとあって、その何か
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.0

殺戮の代償

凄く面白くなりそうで、なかなか面白くならなくて、そのまんま終わる映画だった。前半のとんでもない事になりそう感が強かっただけに、後半のストーリーが振り切れず肩透かしを喰らった。そもそもトム
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.3

センスガンギマリショットに酔い痴れる

強烈なオリジナリティ。見たことない撮り方しかしてないし、しかも全カットキマってる。意味わからんくらいのドアップカットと夜街をカラフルに照らす電飾が象徴的。所々に
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