ももんがさんの映画レビュー・感想・評価

ももんが

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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.9

淡い光の差し込む広いキッチン。美食家と料理人は色々な食材で次々と料理する。夫婦の様な息の合った二人。手の込んだコース料理で客人達の賞賛を浴びる。目で堪能したお話。

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.6

札束でいっぱいの高級バックが、次々と致命的な不幸を呼ぶ。巡り巡って藁をも掴みたい人々の手に渡る。私利私欲に走り犯罪まで犯す。遺失物として届ける者は皆無。天下の回りもの怖ろしきは負のサークル。

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.8

これは余りに酷い法律S-14。発達障害児の親が諸事情により子の養育困難になった場合。法的措置なしに施設入院させる事が出来る。周囲の力を借り奮闘する母子家庭のマミー。スクリーンの幅が時々の気持ちを表す。>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.5

コーエン兄弟による脚本。真冬の豪雪地帯が舞台。中年男性による妻の偽装誘拐依頼。思わぬ残酷連続殺人に発展する。ナンバプレートのない車を追う妊婦の警官。躊躇なき凶悪殺人はいまいちハマらなかった。

透明人間(2019年製作の映画)

3.7

ストーカーは気味悪い。支配欲の強いサイコ夫は妻の人生を思いのままにしようとする。彼女は不快な束縛から逃走に成功。避難先での精神的身体的孤立と殺人の数々。夫情報は兄弟のみ。人間の視覚より犬の嗅覚。

聖なる嘘つき/その名はジェイコブ(1999年製作の映画)

4.0

この役を演じるのは’彼’の他にはいない。ヘブライ人族長ヤコブ。死と隣合わせで先行き不明のゲットー。心は病むが魂は売れない。嘘でも生きる希望が欲しかった。列車と少女。ロシア戦車が昔善人今悪人なのが複雑。>>続きを読む

声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

3.5

やや地味なお話。 1990年の旧ソ連崩壊。ユダヤ人の声優夫妻は故郷の聖地イスラエルに帰る。希望に満ちた新生活も新天地では声優の需要がない。生活のためそれぞれ不慣れな仕事に就く。判明した互いの本当の声と>>続きを読む

ユー・キャン・カウント・オン・ミー(2000年製作の映画)

3.6

幼少期に両親を交通事故で亡くした姉弟。孤児院で育った彼らが久々に再会。シングルマザーの姉の元に弟が転がり込む。夫の代わりを探す姉、父の代わりを探す弟。気ままな姉としっかり者の弟。原題名count on>>続きを読む

87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.8

スマホ使用の欠点利点が問われてる。破滅的な現実逃避。薬物や飲酒の依存症になるトラウマ。互いに赦し寄り添う事で癒される。87分の1サイズのジオラマ。好きな人生を選択出来る良いストレス発散方法。

ソフィーの選択(1982年製作の映画)

3.8

オスカー女優メリル・ストリープが、多種多様な表情を見せる。ホロコーストを生き延びた美しきヒロイン。激情型恋人と南部好青年との関係。明かされる彼女のトラウマと人生の数々の選択。彼女が最後に選んだのは。

拝啓、愛しています(2011年製作の映画)

4.0

韓国高齢男女の老いらくの恋物語。やもめの主人公は貧しい廃品回収の老婦人と出会う。孤独な二人はいつしか心を寄せ合う。残された人生が短いなら思いのまま正直に。愛する人が側にいる素晴らしさ。名優イスンジェ出>>続きを読む

非常に残念なオトコ(2023年製作の映画)

3.7

shortcomings 欠点、邦題こそが残念。カリフォルニアのアジア人社会。トヨタに乗る日系人主人公は映画館勤務。優しいだけで欠点とは思えない。色々な差別が透けて見える。最初と最後の黄色が気になる。>>続きを読む

ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.7

淡々と進むので長く感じた。 18歳未満対象の短期保護施設。心に傷を抱えた彼らを、ケアマネ達が根気よくサポートする。彼らの中にはトラウマを持つ者も。形式的なセラピーより、愛してあげる事でしか癒されない。>>続きを読む

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

3.9

NYの有名レストラン、ジジーノ。活気溢れるキッチンの臨場感が素晴らしい。イタリアンならではの豪快で美味しそうな料理の数々。何より個性的なシェフ達や様々な客達。乗っ取りを狙うマフィアから繁盛店を守れるの>>続きを読む

ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

4.0

考えさせられた。題名が二重の意味を持つ。厳しい現実世界のミュージックと現実逃避の音楽シーン。姉妹と隣人それぞれが抱える苦悩。交互に挿入される事で救われる。自分を愛し互いに支え合う事の大切さ。歌が良かっ>>続きを読む

世界で一番いとしい君へ(2014年製作の映画)

3.8

泣けた。夢みる高校時代に結ばれた美男美女カップル。愛しい息子は進行性の難病だった。希望を捨てない両親と懸命に生きる息子。深い家族愛と天の川のお話。合間の鮮やかな新緑と池のシーンが瑞々しい。

理由なき反抗(1955年製作の映画)

3.8

直訳にして名訳。ストーリーそのものは単純。主人公ジェームスディーンのファッションと演技が全て。歳をとらない永遠の青春映画。

グローリー 消えた腕時計(2016年製作の映画)

4.0

鉄道運行に必須の正確な時間。保線員は形見の腕時計と共に仕事する。遺失物を正直に届けても運輸省に利用される。唯一無二の時計は職員の手に。表彰贈呈時計が皆不正確なのは役所の象徴。謝罪しない職員は何を代償に>>続きを読む

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.2

うーむイマイチだった。美しい二人のベロニカ。ポーランドとフランス在住で音楽関係の仕事をする。片っ端から相手を変え節操がなさ過ぎ。親に相談も考えもので女性評価は低いかも。唯一人形劇は神秘的だった。

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

3.7

全盲の主人公の青春物語。盲学校ではなく通常学校通学は周囲の助けあってこそ。過保護な家族は大切に彼を扱うが、彼はそれが疎ましい。彼が見つけた恋する相手とは。月食の説明方法が良かった。

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.5

マレーシア映画。残念ながら本作品は好みではなかった。タレンタイム芸能コンテストを目指す若者達。それぞれの恋模様や家庭事情が描かれる。物語は英語と現地語で淡々と進む。ラストに向けて盛り上がりに欠けた。

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.0

泣けた。片道切符の銀河鉄道。裕福で愛され才能に恵まれた宮沢賢治。信念を曲げず時に狂信的とも思える行動。働く苦労を知らない息子を理解する父。その存在なしには難しかった。最愛の我が子を失う親の慟哭、雨ニモ>>続きを読む

チィファの手紙(2018年製作の映画)

3.7

過去現在が交互に描かれる。さらに一人二役で登場人物把握に手間どる。亡くなった姉の同窓会に出席した事から発生する混乱。妹の初恋の人に宛てた文通。明かされる真実。ヒロイン吹き替えの声と憧れの人が共に若くな>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.0

久々に観た素敵な物語。仏語で言う水の精霊オンディーヌ。愛の喪失には哀しい宿命が待つ。潜水作業員と惹かれ合う彼女。 Ich liebe dich. 沢山の水辺シーンと対照的な博物館勤務時。バッハ協奏曲が>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.8

大不況のダブリン、父の失業で家庭や学校で上手くいかない主人公。恋した彼女のためバンドを結成。意外な知人にも声かけする。生き甲斐のお陰で皆徐々に輝いて行くのが良い。ただ主人公の兄が犠牲になった様で気の毒>>続きを読む

フラワーショウ!(2014年製作の映画)

3.0

期待外れ。権威ある英国チェルシーショウ開催までの苦労話。豪華絢爛な花々に野草で対抗し自然回帰を目指す女性。そのため自然を破壊し会場に持込むのは矛盾かな。知識や服装にも疑問。アイルランドの恋愛映画。

マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011年製作の映画)

3.9

インドのホテル。名前が勇者マリーゴールドなのが良い。高級リゾート予定の青年支配人と英国からの訳ありシニア男女7人。異国滞在に順応し各自が様々な生き甲斐を見つけ出す。新しい人生を踏み出す勇気をくれる。

海は燃えている イタリア最南端の小さな島(2016年製作の映画)

3.7

地中海シチリア海峡に浮かぶ島。イタリア本土と北アフリカのほぼ中間。圧政を逃れ命懸けで海を渡る難民達。劣悪な状況下で生存率は高いとは言えない。それでも国を捨てるのは余程の事。新しい人生を歩んで欲しい。

トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

3.8

心温まるイタリア映画。更生のため社会奉仕中の元シェフ。料理指導で絶対味覚を持つアスペルガー青年と出会う。彼らは料理を共通に夢に向かいフルパワーで動き出す。大切なポモドーロソース。周囲の人々のサポートも>>続きを読む

青い珊瑚礁(1980年製作の映画)

3.7

現実はサバイバルなんだろうけど、脚本云々より映像美。南太平洋の青い珊瑚礁と主演の少年少女が限りなく美しい。blue lagoon。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

しっとりと深く心に沁みる。近未来で殺伐とした人種血縁共に異なる家族。中国人養女と優しいテクノの兄妹。接木の絆の説明。皆に愛し愛された彼の隠された記憶。終わりは始まり輪廻転生。坂本龍一の曲が良い。アジア>>続きを読む

ボビー・フィッシャーを探して(1993年製作の映画)

3.8

天才少年の実話。他にもやりたい事が沢山でチェスはその内のひとつ。大会に優勝すれば賞金が出る。父や雇われの守備の師はあれこれ彼に指示。それが何ともイヤらしい。ストリートの攻撃の師が良い。子役熱演。

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