一さんの映画レビュー・感想・評価

一

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

フィンランドの名匠 アキ・カウリスマキ監督作品

まず引退を撤回してくれてありがとうと心から言いたくなるほど愛に溢れた傑作

一目見ただけで作り手がわかってしまうような監督の作品には、ジャンルを問わず
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.7

『アレックス』『クライマックス』のギャスパー・ノエ監督作品

認知症の妻と心臓病の夫が過ごす人生最期の日々を、画面分割映像による2つの視点で描く

これまでの作風とのギャップも含め、ハネケでいう『愛、
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(2023年製作の映画)

3.4

紛う事なき加瀬亮の独壇場
あとは正直それ以上でも以下でもなく、最近のたけちゃんの映画と言う印象しか残ってない

最近事務所絡みで揉めていたという話があったので最後まで作り上げて公開してくれたことだけで
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

なにかにつけて揶揄されがちな監督というのも重々理解はできるけど、この映画に関しては一定水準以上の完成度でちゃんと作り込まれているので、ゴジラライト層の自分からすると失敗作でないことは確か
なんなら思っ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

2.8

申し訳ないけどこれは完全に悪い方の石井作品だったなぁ

俺がキャスティングしたのかと錯覚するレベルで豪華かつ好みすぎる役者陣を使ったポテンシャルの高さを持ち合わせていながら、よくもまあここまで薄っぺら
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.3

マーティン・スコセッシ監督作品

まさにスコセッシの手がける圧倒的な映画という凄みは十二分に感じられる上に、テンポもいいし小難しさも特には感じないけど、さすがに3時間半近くある時間を忘れて没頭できるよ
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イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

3.3

ポン・ジュノ、パク・チャヌク、ホン・サンス、ナ・ホンジン、パク・フンジョン、キム・ジウン、キム・ボラ、ユン・ガウン、そして今は亡きキム・ギドクといった錚々たる監督がいる韓国映画界ですが、その中でもトッ>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.5

ストップモーションアニメを根底から覆すような狂気の大傑作

ヤン・シュヴァンクマイエルとブラザーズ・クエイとルネ・ラルー+初期のデヴィッド・リンチを掛け合わせたような凄まじく映像に迫力のある絵画のよう
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(2021年製作の映画)

3.8

『オオカミの家』の同時上映で先に流れた14分の短編

アリ・アスター監督が製作総指揮を務め、悪夢を観ているような気持ち悪さと不気味さにもかかわらず、形容しがたい不思議な魅力を兼ね備え、気づけばこの異様
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ』のグレタ・ガーウィグ監督作品

アメリカのバービー公式ツイッターが原爆被害を軽視したミームに好意的な投稿をした事自体は決して許されることではないのだけ
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

ベルギーの新鋭 ルーカス・ドン監督作品

毎日無邪気に戯れていた親友との関係が、周囲の些細な一言から脆くも崩れていくという、このご時世全然あり得なくもないリアルな話で、ギュッと締め付けられる思春期特有
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

宮崎駿にしか生み出すことのできない過剰にデフォルメしつつも愛おしさ全開の独特なキャラクターデザイン、アニメーションならではの快楽的なワクワクするギミックの数々に、ファンタジーてんこ盛りの異質な世界観を>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.0

アニー賞受賞など、数々の映画賞でも評判を集めただけのことはあって、もちろん柔らかいストップモーションと実写の組み合わせは大変素晴らしいのだけど、そのストップモーション云々以前に、マルセルの声優にジェニ>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.9

『ドロステのはてで僕ら』の山口淳太監督作品、上田誠脚本のヨーロッパ企画長編第二作

またこの手のタイムループ映画かと思ってしまう人間でもすぐにこの世界観にのめり込めるほど面白くて見応えのある作品だった
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.7

海外レビューサイトで近年見たことのないレベルのスコアを叩き出しているのも頷ける圧倒的すぎるクオリティで、あまりにも出来が良かった前作をも凌駕するほどの超絶大傑作

とにかく凄い、凄すぎる
どこを切り取
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

是枝裕和と坂元裕二の化学反応、その上で坂本龍一の音楽が加わることで失敗するわけがないのだけれど、それでもコンスタントに想像の斜め上を行くド傑作に仕上げてくる監督そのものがまさに“怪物”

最近は、異な
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

何年かに一本、「これは俺の映画」と言いたくなるほどの、とんでもないぶっ刺さり方をする映画体験をするのだが、本作はまさにそれになる予感しかしていなく、もはや鑑賞前から予告を観ているだけなのに、止めどなく>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

批評家層に圧倒的に支持されているは重々理解できるのだけど、観る人をかなり選ぶ映画の典型

ケイト・ブランシェットに関しては言葉はいらないくらい誰がどうみても憑依してる圧巻のパフォーマンスだし、一見冗長
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.2

ポーランドの巨匠 イエジー・スコリモフスキ監督作品

当然の如く娯楽性はないに等しいが、これはもうとにかく言葉を失うほど素晴らしかった
インスパイアされたブレッソンの元映画は観ておりませんが、セリフに
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.8

毛色は違えど、インフィニティウォーやエンドゲームに匹敵するレベルの大傑作で感無量
シリーズのラストを飾るに相応しすぎる完成度

元々MCUという括りの中でも、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズ
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.2

『淵に立つ』『よこがお』『本気のしるし』の深田晃司監督作品

随所で意図的に光と影のコントラストを演出として巧みに使ってるのはさすがだし、映画的に言えばラスト10分はお世辞抜きで100点満点に近いくら
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.6

『キツツキと雨』『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一監督作品

沖田修一ワールドとさかなクンワールドのマッチ具合ったらないし、ファンタジー要素もちゃんとアクセントになってるのが良い

個人的には、例
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13人の命(2022年製作の映画)

3.7

ロン・ハワード監督作品

日本でも大々的に報道されていたのでどうなったのかを知ってはいたけど、ここまで過酷な環境下で良く全員が生きていられたのはつくづく奇跡的だったのだなと

当時から、これはもう確
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

今年度アカデミー賞受賞作にもかかわらず、超絶遅ればせながらの鑑賞

評判通りハートフルで観ていて非常に心地良い映画だった
想像を超えるような展開や、震えるような感動はなかったけど、アカデミー賞受賞も納
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.7

考察するほど詳しいとかではなく、毎週楽しみに読んでいる程度の知識の自分としては概ね満足できる映画だったし、いくつものレビューサイトであからさまな新規アカウントで、露骨なネガキャンしてる連中はちょっと理>>続きを読む

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

4.3

ハリーポッターにはもう久しく触れてこなかったけど、当時幼いながらも毎作観るのを楽しみにしていたし、親に連れられて劇場で観ていたときのあの果てしない高揚感を、昨日のことのように思い出せてくれる魔法のよう>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

ホラーというジャンルがそもそもあまり好みではない自分でも、ちゃんと楽しめるように作り込まれている上質なスピリチュアルホラーだった

チープなホラーにありがちなジャンプスケア頼りみたいなのが全くないし、
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

2.9

2カ月近く前から公開されていた海外では、公開直後から常に酷評されまくっていたので、全く期待せずに鑑賞したけど、うんまぁ酷かったです…

とりあえず映画史に残る過去の傑作キャストを出演させておけば大丈夫
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

3.1

ヒャッハーシリーズや『アリバイ・ドット・コム』のフィリップ・ラショー監督作品

相変わらずゆるいテイストに反して、無駄遣いなくらいアクションのキレはあるし、良い意味でくだらないコミカルな描写も、ここぞ
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.9

ロンドンの高級レストランを舞台に、一年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日の一夜を、全編90分ワンショットで捉えた人間ドラマ

ワンショット映画にありがちな違和感というか不自然さや間延びすらもなく、ワン
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.1

これでいいのかワイティティ

ナタリー・ポートマンが無事MCUにカムバックしてくれたのは嬉しいし、単体作品として異例の4作目を作ってくれたのも最高だったけど、これはワイティティファンの中でも比較的賛否
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.8

吉田恵輔監督作品

予告だけでも単なるコメディではなく、『ヒメアノ〜ル』的な展開は容易に予想してはいたものの、思ったほどのエグみは少なかったけど、胸クソ悪さでいったらかなりのハイレベルで、途中で大好き
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.7

ヨアキム・トリアー監督作品

ウィットで緻密な脚本とダイナミックな表現方法にセンスしか感じないし、圧倒的に批評家受けしているのも肯けるほどの完成度

普遍的でありながらも、なかなか共感してるとも言いづ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

“そして母になる”

ここ数年濱口竜介監督が目覚ましい活躍を見せてくれているとはいえ、日本映画界を牽引しながら全てを背負っている正真正銘のトップは、誰が何と言おうと是枝裕和監督だと思っていますが、『万
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.7

長編デビュー作からカンヌのある視点部門で出品出来た事も快挙だし、ありそうでなかった観ている側の死生観を問う素晴らしい作品だった

なによりも、言葉が思い浮かばないくらいとにかく倍賞千恵子さん凄すぎる
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ドラゴンボール超 スーパーヒーロー(2022年製作の映画)

3.5

前作のブロリーは映画的にもめちゃくちゃ良く出来ていたので鑑賞

漫画はおろか小さい頃に再放送でやっていたら観る程度の知識しかない自分としては、ピッコロが主人公的ポジションなのは面白かったけど、悟空とベ
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