コーダイさんの映画レビュー・感想・評価

コーダイ

コーダイ

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関心領域(2023年製作の映画)

3.9

人間は麻痺をする。
異常な環境でもそれが日常となれば、平和な暮らしになる。
我々もたった2時間で慣れてしまう。

慣れや無関心が人を殺す。
全てのシーンがグロテスク。


異常性の片鱗に触れながら、見
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.0

ある男が言っていた”戦車に1人で勝つ方法は絶対に戦わないことだ”と…
いました、1人で生身で勝つ老人が。

セリフほぼ皆無。
怒り、復讐、悲壮、感情全てを表情のみで語る!!なのにヒーロー映画の如くブチ
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.8

アニメ未見だが、アニメ観てみよ!!ってなった時点で実写化大成功です。

昭和のテイストや事件を巧く令和のモノとして復活させたこれぞ実写化。
本格戦闘にエンタメを盛り込んだ”楽しいアクション”も見事。
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.6

時は2022年!人口が増えすぎた地球では意味わからんプレートが主食となった!!
設定から大好物なディストピアSF。

70年代のゆるい作風とは裏腹に、プレートの恐ろしい秘密が明らかになっていくミステリ
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.2

どこにでもありふれた教室。
ありふれた地獄。

学校という社会の箱庭で、秩序がぶっ壊れる様をまじまじと見せつけられる地獄巡り。
子供の”好奇心”と、大人の”正義感”が交差しぶつかり合う誰も止められない
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.3

何かが欠ける(missing)瞬間。
希望を失った瞬間、過去を想う瞬間、光を見つける瞬間…
人が変わる瞬間全ての顔が生々しく突き刺さる。

完全に子を想う母の顔になっていた石原さとみと、リアルさを平然
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

濱口監督にぶん殴られる。衝撃。

監督お得意の見事な長回しはもはやドキュメンタリーの面白さ。
あの町の出来事に我々は没入し、他人事とは思えなくなる。
ラストの数分間に濃縮された自然の摂理こそ、”バラン
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.1

“柔らかな後悔が今日も僕に寄り添ってる”

藤井道人監督にしか出せない感動と余韻の集大成。国も人種も飛び越えた人と旅が紡ぐ、長い長い”Love Letter”に死ぬほど泣く。
さらにトドメのミスチルが
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.6

高校舞台演劇原作、高校生の日常の”一瞬”を切り取ったワンシチュエーション。

偏見や嫉妬にまみれた無邪気で青い彼女らの葛藤が、交差し爆発していくエネルギーがかつての自分に刺さりまくる。

当時は自分も
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辰巳(2023年製作の映画)

4.5

汗と血の臭いが画面から漂う血の通ったノワール邦画を久々に観た。

暴力に生きるアウトローと孤独な少女の復讐劇…何度も見た設定なのにここまで面白くできるのか!!
ヨリの世界で映す俳優陣の”死”と”エネル
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.9

超楽しい。
自分の中の知性が全て消し飛んだ。

人間は状況説明のみに徹したことで大堪能できる、怪獣達のアツいバディドラマ。
叫んで翔んでぶっ壊して殴り合う!!
だけ!!
怪獣映画で見たいモノしかない!
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異人たち(2023年製作の映画)

4.5

ゲイの主人公が魂を通わせる異人たち。
心地よい浮遊感と気味の悪い孤独感が同時に押し寄せる、夢見心地な世界。
それを演出する美しい撮影と、アンドリュースコットの子供のような泣きじゃくり顔…見事すぎる。
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.2

前日譚なのに元祖よりも悍ましく、恐ろしく、生々しい出産ホラーとして軽々と超えてしまった怒涛の面白さと怖さ。

宗教観の闇と人間の脆さを炙り出す脚本とホラー演出…一本のカルトホラー映画としても衝撃的かつ
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オーメン(1976年製作の映画)

3.7

オリジナル初鑑賞。

何も罪もない子供が”意図しない悪意”を持ち合わせているのがメチャ怖いし、可哀想。
誰も悪くないのに人が死んでいく悪夢の様な映画。

人が突然死ぬあっけなさが怖いのだが、構図が芸術
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

誰しもが経験する想いを伝えられなかったあの瞬間…一生付き纏う”あの時こうしておけば人生はどう変わったのだろうか”という後悔。

詩的な台詞回しと秀逸過ぎる演出が、大人のラブストーリーをより一段と切なく
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神回(2023年製作の映画)

3.8

青春×邦画タイムループの新たな傑作。

タイムループモノの目玉のドタバタ劇がシリアスで弱いな〜と思っていたら…まさかの展開!!
タイムループの設定として見たことない新感覚。そしてまさかの涙。


切な
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.0

自分の代わりにクローンが処刑されるリゾート地。

“人は罰を受けないのならどこまで残虐に暴力的になれるか”を…安定のエロとバイオレンスの狂気旅行で観客に追体験させてくれる快感。

ボディホラーによる人
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

ノーラン監督がこだわり続けてきたリアルな実存感…
史実と映画の垣根を超えた瞬間を見た。

壮絶な歴史や人間の苦悩を卓越した映像表現と圧倒的情報量で語る相変わらずの職人技。


クリエイターによる”創造
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.2

ゆる日常×SFの抜群の面白さ。

SF要素という異質なモノによって人の”変わるモノ”と”変わらないモノ”が炙り出されていくSFの真髄を日本アニメーションの力で見せつけられた!!

日常をぶち壊すのはい
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

4.0

今度は戦争だ!!

ソリッドシチュエーションの前作からは想像つかない程アクションもバイオレンスも物語もキャストもスケールアップした続編の鏡。

立ちはだかる”なんか強そうな敵と闘う”という一番アガるシ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.5

久々に超面白い邦画サスペンスに出会えた!!
怪獣も死神も出ない金子修介監督の沖縄ノワール。

二転三転どころじゃない観客の裏の裏の裏をかきまくる怒涛の展開。
意図も容易く行われる生々しい殺人描写が人間
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

純粋無垢な発達障害の女の子の視点から見る残酷な世界。

あみ子に”当たり前”や”すべき”という言葉は存在しない、本能に従い生きる…素敵。
逆にあみ子の周りが崩壊しても、あみ子は何も気づけない。
誰も気
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

全身で体感するアート作品。
撮影、照明、セット、衣装…世界最高峰の映像レベル。

迫力と繊細さのヨリ画と世界観を魅せる引き画の壮大さのギャップが、我々を異国砂の惑星へ没入させる…これぞ映画体験。

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ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)

3.8

ジャッキーの代名詞といえばコレ。
凄い。
本編の7割くらいカンフーして暴れてる。

人間離れした完成された超人すぎるコミカルなジャッキーカンフーを永遠に観れるだけで満足度が超高い。
話の筋はもはやオマ
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

ガイ・リッチーの作風にハマってこなかったが、今作は見事にどハマり。

社会情勢を訴えつつ、漢達の絆を描く硬派な戦争アクションとして見事に昇華。
シリアスな中でも忘れないアクションのテンポ感は流石のガイ
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.7

家族という呪いに縛られた52ヘルツのクジラたちはどう生きればいいのか…
現代の社会の闇満載でとことん痛めつけてくる残酷さ。

ただのお涙頂戴映画では終わらない”負”と”優しさ”の連鎖で心ぐちゃぐちゃに
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

これはスゴイ。
スリリングで重厚な法廷劇。

我々がいかに物事を色メガネで見ているかを思い知る。
人間は推測で語ることしかできず、真実か嘘かなんて誰も気にしてない。
最後に残るのは”真実”ではなく”事
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.6

スパイの”秘密”を逆手に取った見事な裏切りプロットと、エンタメ精神に溢れたマシュー・ヴォーン監督のポップなアクション演出で楽しませてくれる、尖りのない真っ当な娯楽映画!!

ただどうしても刺激とキレの
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.4

女性版スパイダーマンチーム!!かと思ったら全然違った。
一人の女性が次の世代の為に運命と闘うサスペンスでした。

90年代映画意識したシンプルさと、ガワだけの勢いで進んでいく全ての浅さが逆にクセになる
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

最強最悪悪魔vsパワー系エクソシストのガチタイマン悪魔祓い対決!!
エキサイティング!!

原付で現場へ急行するキャラ立ちまくったレジェンド神父ラッセルクロウの、悪魔祓いプロレスがアツい。
そしてこれ
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パラサイト(1998年製作の映画)

3.7

ロバートロドリゲスが『ボディスナッチャー』『遊星からの物体X』を作ったらこうなる!!

疑心暗鬼な重いサスペンスになりすぎず、クリーチャーモノのワクワク感や、学園モノの駆け抜ける青春感も忘れないから楽
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

ボーと共に戸惑い続ける完全予測不能な3時間。

母性と支配への痛烈な批判を、理不尽な人生への”おそれ”として昇華するのがアリ・アスターらしい。
アリ・アスターにしては明瞭なテーマと真面目な展開で取っ付
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

三宅唱監督の優しさと希望が詰まった傑作。
やはり凄い監督…。

監督お得意の神の視点で映すことで、彼らの世界や悩み=我々のモノでもあることを教えてくれる。
だからこそこの映画に我々は救われる。
背中を
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

衝撃。

加藤拓也監督は前作でもそうだが、長回しの多用による出来事のナマ感が尋常じゃなく巧い。
それでいて画作りが美しい。
ノーカットによる演技の魅力が全面に出る。
だからこそリアルなしんどさ120%
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“それ”がいる森(2022年製作の映画)

2.9

この令和にコッテコテの90年代B級雑CGモンスターパニックが観れて逆に嬉しい。

子供も含めて数え切れない程人が死ぬのに緊張感が一切ない…全編ゆる〜い雰囲気に包まれる相葉くん力。
子供主役にして尺90
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.8

アイドル映画とホラー映画が見事に融合してる。古き良きJホラーが観れた満足感。

清水崇監督のお家芸、家ホラーやセルフオマージュ満載で怖いだけでなく、人間の呪いによるジメっとした厭さに満ちてる。
脚本は
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