マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

マッチング(2024年製作の映画)

2.5

被害者や殺害方法に共通点があるシリアルキラーのようで、2時間サスペンスのように短期間で連続殺人が起こる冷却期間がないスプリー殺人だと、殺人者としての整合性やリアルさに疑問。闇が深いなら、何十年も我慢し>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.2

B級映画を見る感じで、3/4がターミネーターで1/4がマトリックスの同工異曲と捉えると、そこそこ楽しめる。ヴィランの絶望的な恐怖を描けなていないことが惜しいが、スパイダーマン・シリーズならではの子供の>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

夫婦や家族のミニマムな問題から広げた、主観と客観をモチーフにしたプロットに感心し、分からないことや見ていないことを立証する難しさが胸に迫る。
客観的なデータでも人が判断すると主観が関わり、裁判の判決と
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.1

一見さんには、どちらが主人公が分からない群像劇で、こちらの視点が定まらない。コート場・ベンチ・観客席・TV観戦者など、あらゆる人々が喋りまくる。競技中も喋ったり、心の中のフキダシをセリフに起こすと実際>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.5

アフガニスタンでの任務以上に過酷な、敵地から脱出する100kmの道のり。アメリカ人の曹長と現地通訳者のバディ者になり、通訳者の機転を利かせた紙一重の対応に緊張感が続く。築いた絆と重層的な救出がアツ過ぎ>>続きを読む

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.4

結果は出ているし、オチが想像できるのだが、重層する回想を通して過去を現在に生かしていることが上手い。明るいトーンを貫いたことも良く、クスっと笑える『ベスト・キッド』や『マトリックス』ネタも好感。後から>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.2

安定したマブリー作品の面白さはあるが、今作はマブリーのみが奮闘し、刑事班のチームとしての戦いが弱いことが惜しい。シリーズの醍醐味が薄れたが、それでも拳のみで状況を打破する爽快感は健在で、次作が楽しみに>>続きを読む

ガチバン(2008年製作の映画)

3.1

ヤンキー要素がカモフラージュのようで、演劇と番長・恋愛と友情の揺さぶりがあり、童貞が奮闘する青春映画に。構成が的確で、母親の家と劇団で態度が豹変するコミカルさが面白い。
ラストバトルに回想を挟むこと、
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彼方の閃光(2022年製作の映画)

3.4

入れ子構造のようだが外層しか語られるなく、御託や屁理屈を並べる。身近な欲望と思惑の延長線上にある戦争と現代まで続く戦争の傷跡。積み重ねた後の理屈ではないことや、セリフより映像で気づきを得ることに唸らさ>>続きを読む

劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血(2024年製作の映画)

2.5

演出も演技も古臭いし、アドリブが多いからかカット割りや構図の甘さはスクリーンで見るとキツイ。それでも高橋克典が作品を引き締め、劇団ひとりの煽りとツッコミで会話劇として、何とか成立したと思ったのだが。T>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.3

各エピソードが冗長で、上映時間の179分は長過ぎに。象徴的で目先の変化が多いのに散文して退屈。考察する気が起きなかった。

レディ加賀(2023年製作の映画)

2.7

ドタバタさや情念の葛藤パートが多過ぎで、寄り道してイベントに向かっている感じがしないことが残念。スパルタや土下座などの時代遅れな描写も如何なものか。
ラストのイベントはまずまずだが、イベントから波及す
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ジェントルマン(2021年製作の映画)

2.7

どんでん返しを狙っているのがあからさまで、ヒネリを効かせる為に構成や時系列を弄るので分かりにくく、取っ付き難い。キャラの見分けがつきにくいし、スマホがある時代で何でも金で解決できる世界観はキツいし、T>>続きを読む

身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.3

赤穂事件の発端である、詳細不明な斬りかかった理由を「武士の面子潰し」にしたことが効果的に。
見栄を張る武士の気質とそれを煽る群衆。面子が蔓延る武士社会から派生した争いに対する、現代的な要素を加味した新
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

2.5

『かぞく』の女性版のようで、女性監督が女性の喪失を描く。『かぞく』より少しはプロットはあるが、含蓄されたエピソード・情景・掘り起こしが甘いのは一緒。プロットの緻密さを省いたので一貫性に欠けて退屈で、行>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

一時期、電車は各駅停車しか乗れなく、飲食店での食事が難しい軽度のパニック障害になっていたので、他人には理解しがたい病気による思い悩みが痛烈に突き刺さる。序盤の「病名があることに少しホッとする」のセリフ>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

2.9

終盤のカタルシスは良かったが、その大きさと、それまで虐げられて堪え忍ぶアフリカン・アメリカン女性達の描写の長さと拮抗しないのが惜しい。DV夫が根っからの悪人と感じたので、終盤に自分の行動を改める贖罪や>>続きを読む

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

3.9

冒頭からテイストの振れ幅が激しいシークエンスに驚く。
一点透視図法の多用で、構図の奥行き感がキャラ達の複雑な情念とマッチしているようで没入感が高まる。ノスタルジーある情景も物語の悲しみや年月の長さに効
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ほかげ(2023年製作の映画)

2.5

モノクロのような暗い映像・寄りが多い構図・時折発する大きな声や音に辟易し、特異な関係性による各々の心情変化を的確に描き切れているのだろうか。
「銃を置いて生業ではなく正業に就く」、モチーフの闇の大きさ
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「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ(2024年製作の映画)

3.4

「刀鍛冶の里編」は中盤までの展開が遅かったが、終盤からエンジンがかかり、ラストが良かったので纏まりが良い。前作の『上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』はエンドロールが2回あったが、今作は編集したことに好感。>>続きを読む

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

3.3

オムニバス形式で、穏やかな空気感が漂う中で、言葉遊びのような会話の応酬による妙が印象的に。『偶然と想像』を緩くしてコミカルを足した感じで、『愛なのに』でもそうだが、胡散臭さを醸し出す中島歩が可笑しかっ>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.1

同じ事件をベースにした『そこにいた男』では、男女間の愛情の差異を描いたが、この作品は本人以外には分からないこと・分かり合えないことを描き、常軌を逸する愛(愛の一部分が極端に偏ったメンヘラ)が、周囲を共>>続きを読む

罪と悪(2024年製作の映画)

3.4

ノアール系ミステリーサスペンス。過去と未来を交差させることが効果的で、閉鎖的な町のしがらみによる、負のスパイラルを描くことが考え深い。
プロットを練りすぎて整合性が甘い箇所、3人組の石田卓也の演技力不
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エアセックス(2011年製作の映画)

3.1

特殊な性癖で、シュールな構図が何とも言えない。覗き覗かれ、操る操られ、その先にある妙な快楽と開放。城定監督の人間賛歌がジワジワと伝わる。

800 TWO LAP RUNNERS(1994年製作の映画)

3.7

亡くした先輩が足枷となり、800m競技やタイムへの強い拘りに反するような、同性や血縁などの設定の取り留めなさが印象的。表層はサバサバしているが内面はドロドロ渦巻き、青臭い演技や演出もあるが、瑞々しく・>>続きを読む

ザ・ガーディアン/守護者(2022年製作の映画)

2.7

ハッとする演出はあるが、中盤が特に退屈で、最後まで行き着かないプロットに失笑。演出力や演技力でごまかそうとする韓国映画に辟易。

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.4

ロボットアニメではお馴染み前半の絶望感。ガンダムシリーズのラストバトルでお馴染みな軍艦やMSが入り乱れるの物量が多い戦闘で、木馬の危機が緊張感を高める。戦争で一般人や戦闘員も死にまくること、核を扱うこ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.4

女性の自立や解放をモチーフにした発展・自己形成的な寓話。演出はぶっ飛んでるが美術や衣装は綺麗でプロットの大筋は意外とまともに。

創造主(と観測者)に縛られた被造物が外界で社会形成をするが、純真無垢な
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サイレントラブ(2024年製作の映画)

2.6

ツッコミ処満載なプロット・演出・設定で、障害者や格差社会の扱いが杜撰に。肝心な見えないことと聞こえないことが調和していなく、主人公が人を殺した過去があると同調できない。邦画で反グレが中途半端に登場する>>続きを読む

劇場版 君と世界が終わる日に FINAL(2024年製作の映画)

2.6

死生と愛をモチーフし、描きたいことはそちらの比重が高いことは理解しているが、ゾンビ映画なのにゾンビが弱すぎることが問題で、緊張感が足りないことに。決めゼリフ・ハイライトシーンのポイントが多過ぎなので、>>続きを読む

19 NINTEEN 女子大生 殺人レポート(2005年製作の映画)

2.8

DV被害女性が自由を求めて、意志ある行動によるラストの妙なカタルシスが効果的で、ロードムービー形式と支配・抑圧からの重層的な旅立ちに。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

2.5

描きたいことは理解したつもりだが、暗くて起伏がない描写を羅列して、退屈に。相性が悪く、作品を咀嚼できないことを序盤で察する。

FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023(2024年製作の映画)

3.3

映画館で音楽LIVEを見るのは初めてだが、膨大なカメラ撮影や音響が効果的でLIVE感が伝わる。終盤以外はMCが少ないことで音楽を殺さない構成も好感。
終盤にマイクを通さずに歌い、満員の観客が 静まり返
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

2.9

何者にもなれない自分や、悲しき男のサガを描きつつ、それでも生きる活力や喜びみたいなことを軽妙なタッチで描く。お洒落な街で発する、洒脱でくだらない会話と時々お洒落な会話の塩梅が如何にもウディ・アレン監督>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.6

莫大な金額に見合った、戦争から波及した恨みやトラウマによる、狂った男達の狂騒が興味深い。うんこネタのコミカルさや、アクションに対する食事描写で抑揚をつけることに好感。怪演キャラが多い中で、主役として居>>続きを読む

緑の夜(2023年製作の映画)

3.5

映像主義のようにも感じたが、抑圧される世界を切々と謳い上げ、色を失った世界の中で、耽美や幻想的な色彩が主張する映像美に唸らされる。揺蕩うした表現も好みで、『天使の涙』を見返したくなった。