茅野さんの映画レビュー・感想・評価

茅野

茅野

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ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ワーニャ」(2024年製作の映画)

4.5

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原作を再読してから。
一部で「オタ活に失敗したオタクの話」と言われていて、なるほどなあ、と思った。確かにそうかも。

まずチェーホフの戯曲を一人芝居でやるというのが凄すぎる。単純に、2時間分のセリフと
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

4.7

雑感と、オペラオー君の発言に関して纏めておきました。→ https://sylphes.hatenablog.com/entry/Beginning_of_a_New_Era_explain

劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

YouTube版でも観て、総集編も確認。
RttT は自分がオペラオー君贔屓なのを抜きにしてもクオリティが高く、『ウマ娘』入門としても勧めやすい。

追加シーンはかなり細々としており、わかりやすいのは
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

5.0

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1851年〜のイタリアでの実話が題材と、モティーフが好みド真ん中を突いてきていたので、楽しみにしていた。そして、その期待よりも更によかった……。
最初は「2時間越え!? 長!」と思ったけど、展開はスピ
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遠い夜明け(1987年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

数日かけてちびちび観た。配信停止間際の駆け込み。

南アのアパルトヘイト体制下で、黒人活動家ビコと、白人新聞記者ウッズの友情と受難を描く、史実ベース(!)の映画。
ウッズはビコの本を出版した他、彼自身
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

数日かけて空いた時間にチビチビ観た。非常に高評価の映画。
原作はノンフィクションとのこと。ノンフィクションだからこそ意義があるという側面と、これが現実なのか……という気持ちと半々。

リーマンショック
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.0

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19世紀末が舞台のデンマーク・アイスランド映画。
主人公がデンマーク人なので、出てくる言語は半分以上デンマーク語だが、舞台は9割9分アイスランド。

第2次スレースヴィ・ホルステン戦争より後は、デンマ
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本物のオッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.3

某映画を観る人の為の予習用というところ。実際、最後に同映画の紹介もある。
ウクライナ侵攻の話も出てきて、随分最近の番組なんだなと思ったら、そういうことか。

皆書いているように、字幕の質が最悪。明らか
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真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)

3.0

無料配信滑り込み。

無論フェルメールの名画が元だが、ストーリーは全フィクションと思われる。
ありがちな近世オランダもの、という感じはする。

イーディ、83歳 はじめての山登り(2017年製作の映画)

3.0

無料配信停止前の滑り込み。
ハイキング好きなので前情報なしで取り敢えず観てみた。おばあちゃんの登山初挑戦映画。

実質的にフェールラーベン促販映画。めちゃくちゃフェールラーベンの登山グッズを買うし使う
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ケロッグ博士(1994年製作の映画)

3.0

無料期間中駆け込み。
有名なバトルクリーク診療所を風刺した映画。
コーンフレークで有名なケロッグの兄だけど、最早新興宗教や陰謀論と変わらないような、19世紀後半-20世紀初頭の健康マニア診療所。

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劔岳 点の記(2008年製作の映画)

1.3

原作が積読のうちに無料公開が終わりそうだったので慌てて観た。
あんまり邦画は得意ではなく、観るのは物凄く久しぶり。

うーん……、映画としての盛り上がりにも欠けるし、考証はあまりやってないように見受け
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山<モンテ>(2016年製作の映画)

2.0

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作業中に流し観。
前半は、『山』というド直球タイトルの割に、寧ろ迫害がメインの物語。
後半は、ひたすら父と息子が雄叫びを上げながらツルハシで山を削ろうとし、妻が見守る、というのを、延々延々と見せられる
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ロッタちゃんと赤いじてんしゃ 2Kリマスター版(1992年製作の映画)

4.2

ロッタちゃんシリーズ、続けてこちらも。
映画館では『はじめてのおつかい』の方を先にやっていたけど、時系列的にはこっちが先なんだろうな。ロッタちゃんがこっちで5歳になるし、ヨナス君声変わりしてないし。
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.5

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大ヒットした話題作を今更ながら。
ホラー映画は好きでは無いので避けてたんだけど、「絶対好き」って友人たちから念を押されまくったので満を持して。

確かに面白かった。直接的なホラー・グロ要素も、そこまで
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

5.0

上演していることを知らなくて、最終上演に滑り込み。
同時上映の同監督のもうひとつの作品、『Here』も見たかったが、上演時間が被っていて叶わず。やらかした……。

間違いなく評価が完全に二分される作品
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ロッタちゃん はじめてのおつかい 2Kリマスター版(1993年製作の映画)

4.0

友だちが昔観て良かったと言うので、リマスターを機に。

スウェーデンの5歳の女の子がのびのび平和に育つ様子を追う日常の物語で、「家出編」「クリスマス編」「イースター編」の短編三本立てという感じ。
主人
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

5.0

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静謐なアイルランド映画。ものすごく良かった。映画、ほんとうにこういうのでいい。こういうのだけ観ていたい。

内気な少女が、親戚の壮年夫婦に預けられてひと夏過ごすだけ、という、ストーリーもほぼ無いような
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パヴァロッティ 太陽のテノール(2019年製作の映画)

4.0

オペラはよく観るけど、オペラ歌手一人一人については詳しくないので、少しづつ掘り下げていこうのコーナー。
最初は20-1世紀最大のオペラスター、パヴァロッティ御大から。

色々な曲が出てくるが、最初にも
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マルコムX(1992年製作の映画)

4.7

復習。3時間20分あり、とにかく長い。しかし全くダレさせない構成の上手さがある。

マルコムXの伝記映画で、かなり忠実に描いているのではないかと思う(詳しくはないのでわからないけど)。基本は18歳から
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

トルコのロードムービー。国境を越えてシリアを目指す。
旅をするのは(恐らくは難民の)老人と少女と遺体(!)という異色の組み合わせで、所謂「社会的弱者」の一家。

『君は行き先を知らない』の公開も近かっ
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.2

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続けてフランスお料理映画。こちらは18世紀末(大革命前)のお話。
基本的には、革命前夜、絵に書いたようなウザ貴族&ウザ聖職者に、自慢の創作料理をバカにされた腕利きの料理人が、同じく恨みのある貴族女性と
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幌馬車(1950年製作の映画)

3.3

地味にちゃんと観るのは初めてかもしれない西部劇、入門。

西部劇にしてはシンプルで静か、銃をブッ放すシーンも冒頭と終盤のみ。
しかし勿論、騎馬あり、悪党あり、先住民あり。

ロマンスあり、歌あり、ダン
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランスお料理映画。
初っ端のコース料理を作るシーンから、フランス料理は本当に手が込んでいるなあと実感させられる。

お料理シーンが長く、所謂ASMRとしても機能しそう。寧ろ、ずっとお料理シーンで良い
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

予告動画もろくに見ずに行ったわたしも悪いのだけど、想像していた内容と全然違った(笑)。違ったけど、とっっても良かったし、個人的にも好みだった。

「地域に初めて牛が来た!」というなんか平和そうな映画(
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フード・インク(2008年製作の映画)

3.5

アメリカの食を巡るヒットドキュメンタリー。
多国籍大企業による独占や労働環境、衛生などを糾弾する、批判的な色の強い作品。

主に農家などをインタビューし、彼らは紳士に答えてくれるが、大企業の方は「○○
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ラスト・ウォリアー 最強騎馬民族スキタイを継ぐ者(2018年製作の映画)

3.0

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ロシア製異教アクションムービー(?)。
「そんなにステレオタイプに描いちゃって大丈夫なのか!?」という側面が多少B級臭を誘うけど、流石にアクション部分は手堅い。かなりの傷を受けたのに概ねキビキビ立ち回
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ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男(2015年製作の映画)

3.5

賛否両論(というか否が多かったように思う)ミルピエ時代のドキュメンタリー。個人的には彼や彼の時代に対する知識がほぼゼロだったので、フラットな姿勢で観た。

約2時間で、ドキュメンタリー映画としては比較
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征服(1937年製作の映画)

3.0

連続でナポレオンもの。ポーランドでのロマンスを描いた史実ベースの創作映画(でも割と忠実寄り)。

初っ端から『1812』のロシア国歌の部分から始まって、「これナポレオンの映画なんですよね!?」と思った
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ナポレオンの伝記映画。3時間によく纏めたな、と思う一方で、映画で3時間はやっぱりちょっと長い。
ダレるシーンはなく、満遍なく面白かったけど、終盤は尿意との戦いを覚悟すべし。

マリー・アントワネットの
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COLA WARS / コカ・コーラ vs.ペプシ(2019年製作の映画)

4.0

わたしは炭酸飲料が苦手なので、コカ・コーラもペプシも全然飲まないんだけど、ヒストリー・チャンネルのアメリカ巨大企業関係ドキュメンタリーは面白いので観た。
それに、最後に紹介されるように、コカ・コーラ社
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デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)

3.7

オペラの予習で。ノンフィクション文学の映画化。

死刑囚のカウンセリングをするシスターの物語。
「囚人と聖職者」という組み合わせは『娼婦たちの栄光と悲惨』など、割と鉄板の組み合わせな気がする。
シスタ
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聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

2.9

インドの無料食堂を映したドキュメンタリー。ナレーションもなく、音楽もなく、環境音のみなので、ぼーっと観るのに向いている(寝落ち注意)。
基本的には、無数の民がお料理して、ご飯食べて、お皿洗って掃除して
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スペードの女王(1949年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『スペードの女王』と聞いて、事前情報無しで、映画祭にて。英語音声作品。

ジャンルが「サスペンスホラー」になっていて笑った。まあそうなのかも。
白黒映画なのがまたいい味を出していた。原作を知らなくても
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罪と罰(1935年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

『罪と罰』と聞いて、前情報なしで、映画祭にて。

あの長編『罪と罰』をどうやって88分(!)に収めるんだろう……と思ったら、案の定かなりストーリーを簡略化している。思ったよりは風呂敷を広げっぱなしにせ
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素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

3.2

一度映画館で観たけど、うろ覚えなのでアマプラで。
ドキュメンタリー映画としての構成は優れていて、キノコの成長の早回しの画はいつ見ても美しく興味深い。
一方で、「これ学術的には実際のところどうなん……?
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