きゃんちょめさんの映画レビュー・感想・評価

きゃんちょめ

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ライフ いのちをつなぐ物語(2011年製作の映画)

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【今後マラリアが蔓延すれば、いま「普通」の人が「奇形」と呼ばれる】

「最近、日本でもアメリカンフットボールの人気が高まっています。アメリカンフットボールは、筋骨隆々の大男の選手たちが鍛え上げられた肉
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ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊(2011年製作の映画)

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ペンギンたちは、人間に動物園に閉じ込められたり石油タンカーから漏れ出した石油にまみれたりして、ひどい目にあい、しかも、みんなと違うという理由で自分のコミュニティーからも追い出されたりします。そして外の>>続きを読む

マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)

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【「美とは何かをヒキガエルに聞いてみろ」とヴォルテールは言うのだが】

「Ask a toad what beauty is, true beauty, the tokalon. He will te
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

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【ピアスとは自己決定権の確認行為である】

「「一つ穴を開けるたびごとに自我がころがり落ちてどんどん軽くなる」、これはある社会学者が街で採集した証言ですが、ピアシングの快感の表現としてはなかなかのもの
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

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【社会的に構築されてきたはずの「男らしさ」と「女らしさ」を、同じ社会的な理由に基づいて廃棄しようとはしない謎のジェンダー論は、実はジェンダー論でさえなく、ジェンダー論の皮をかぶったセックス論であるから>>続きを読む

クロールスペース(1986年製作の映画)

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【元ナチスとホロコーストサバイバーが再会する映画】
①愛の嵐
②ゴールデンボーイ
③インアグラスケイジ
④クロールスペース

夏物語(1996年製作の映画)

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【倫理学問題集】

1.【苦痛がないことがどれくらい良いことなのか問題】
「夜明け前の森の入り口に、あなたはひとりで立っている。あたりはまだ真っ暗で、自分がどうしてそんなところにいるのか、あなた自身
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ファウスト(1994年製作の映画)

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ゲーテ(1749-1832)の『ファウスト』(第一部は1808年、第二部は1833年)の中で、ファウスト博士は「ああ、私は生まれてこなければよかったのに!」と叫ぶ。ファウスト博士は愛するグレートヒェン>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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【この映画、さすがにウケる】

「第二次世界大戦での日本の敗因は計画のずさんさと、ずさんな計画であったにもかかわらずオトコギだけで突き進んで、特攻したことだ」という主旨の発言が劇中であったにもかかわら
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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【この映画を観て考えたくなった論点】

この映画は色々なことを考えさせてくれた映画である。その時点で極めて良い映画だった。今年の暫定ベストは確定である。

僕が鑑賞していて気づいたことは以下の通り。
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呪怨(1999年製作の映画)

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大変おもしろかった。

できればウサギ小屋のシーンも映画内で見せてほしかった。実は、ウサギ小屋で吉田ヒサヨと村上柑菜が襲われるシーンは、『学校の怪談R』という映画の「片隅」という短編のほうに収録されて
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ブタがいた教室(2008年製作の映画)

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【ゲシュタルト転移:同じものを別ものとして眼差す能力】


【高田純次事例によるケーススタディ】
インタビュアー「あなたは娘さんの友だちをナンパしたらしいですね。」

高田純次「そんなことはしていな
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

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【「わかる」とは「操作できる」ということ】
「たとえば、「ガスガスモス」ということばがあったとします。これ、知ってますか?このことばは、僕がいま作ったので、誰もこのことばの意味を知っているはずないです
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カフカの恋(1988年製作の映画)

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1.【なぜ歳下との恋愛がうまくいかないのかというと、少女が素朴で男は卑屈だったから】
「ぼくはひとりの少女を愛した。少女もぼくを愛した。しかし、ぼくは去らねばならなかった。なぜか?ぼくには今でもわから
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

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そういえば最近みた『トランスフォーマー/ビースト覚醒』という映画、ストーリーにはほぼ乗れなかったんですけど、トランスフォーマーシリーズはストーリーを楽しむ映画ではないだろう、と個人的には思っているので>>続きを読む

名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)(1998年製作の映画)

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「死なせやしねえ!てめえに自分の犯した罪の重さを分からせてやる!」という発言を聞いて、毛利小五郎とかいう名前の方が俺と同じ死刑反対論者であることがわかった。よかった。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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偽物の仮面をかぶらされた女優が、偽物の傷を化粧でつけていた。しかし、その偽物の傷だけが本当の傷なのである。

「フィクションにしないと描けないリアリティーというものがある」。「実際にはなかったことによ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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【『オッペンハイマー』について】

約30分前に池袋で見てきた。結論から言うととても面白かった。以下では、俺の感想を箇条書きで書いてみる。マジでさっき見たばっかりだし、一度しか見ていないので、間違って
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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最近見た『デューン2』っていう映画、よくある『ラスト・サムライ』とか『アラビアのロレンス』とか『ボバ・フェット』みたいな、白人酋長系映画に全然なってしまっていなくて、そこが凄くよかったと思った。

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ゾディアック(2006年製作の映画)

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アイアンマンとハルクとミステリオが協力して殺人犯を追い詰めてたから、マーベル映画かと思ったら違った。しかも殺人犯を近くまで行って見てみたらヤバすぎて、ミステリオが逃亡してて最高だった。

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

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この映画、スミスが議会での不正法案成立を妨害するために23時間の演説をするシーンがあるんだけど(=そしてこの行為は「フィリバスター」といってアメリカではよくあること。発言中の議員の発言を強制終了させる>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

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「グッド・ウィル・ハンティング」は「グッド///ウィルハンティング」なのか、「グッドウィル///ハンティング」なのかを考えさせる映画だと思う。ちなみに、人の名前に肯定的な形容詞をつける映画となると、『>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

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https://eiga.com/news/20240307/15/

最近みたニュースによると、この『マダム・ウェブ』という映画、現在絶賛公開中にもかかわらず主演女優がつまらな過ぎることを認め、二度
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ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

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【人が求める五大対象について】

①カネ(権力):人為的秩序(=経済機構)における可能的操作
→人為的秩序(=経済機構)においてはそこで起きる事象に対して可能的操作ができるはずだという意味づけを求めて
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リング(1998年製作の映画)

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松嶋菜々子がペンションのノートで読む「おとうさんはでぶです、おかあさんはでぶです、だからぼくもでぶです」の落描きはなんだったのか。家族の微笑ましい一体性を意味しつつ、同時に、そのことの不気味さも表現し>>続きを読む

猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

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【オランウータン🦧に人権を認める判例は存在している】
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN0K009D/

ジャズ大名(1986年製作の映画)

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【おすすめジャズマン】
①バド・パウエル
②ハンク・ジョーンズ
③オスカー・ピーターソン
④ビル・エヴァンズ
⑤渡辺香津美
⑥黒田卓也

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

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【『素晴らしい日々』を巡る2つの解釈】

「君は僕を忘れるから、そうすればもうすぐに君に会いに行ける」

⑴【「時が蟠(わだかま)りを風化させてくれる」という解釈】
 人には物事を記憶するだけでなく、
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ポエティック・ジャスティス/愛するということ(1993年製作の映画)

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人は言語を使って考える。言語を麻痺させると人はいつも通りに考えられなくなる。では、使っているうちに言語が麻痺してくるような言語とはなにか。詩的言語である。では、詩的言語とはなにか。言葉の喩的使用、すな>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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俺はこの映画に出てくるシーンの中で、ベラとハリーの対話シーンが一番、心に残った。

ハリーは「世界の痛み」を知っているくせに、それに嘆いているだけ。世界を変えようとする人への賛同は建前でしかない。ハリ
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神の左手 悪魔の右手(2006年製作の映画)

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【なぜ右と左はどっちがどっちだか、わからなくなるのか】

無重力状態ではニワトリの卵は孵化しない。重力がなければ生まれることさえできない生物もいる。重力があるという環境を前提して肉体の構造が決まり、そ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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【アフターサンについて】
『アフターサン』という映画の評価、映画を見終わった直後はめっちゃ意味不明だったんだけど、だんだんと明瞭に理解できてきて驚いた。今となってはめっちゃいい映画だったと思える。ちゃ
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キャラメル(2007年製作の映画)

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中東のパリと言われるのがレバノンのベイルート。ベイルートでもフランス語は通じる(なんならインドのポンディシェリでもフランス語は通じる)。

ベイルートにあるエステサロンを舞台にしたのがこの作品。作品内
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トレッキーズ スター・トレック万歳!(1997年製作の映画)

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アフリカのマリという国出身のラッパーであるアヤ・ナカムラはフランスで人気だが、このナカムラという名前は『スター・トレック』に出てくるナカムラ提督からつけた名前だという。

最強のふたり(2011年製作の映画)

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ドリスの出身はフランス語圏であるセネガルという国の首都ダカール。この作品の続編ともいわれる『サンバ』でも主人公はサッカーのセネガル代表チームのユニフォームをお守りにしている。半年ぶりに実家に帰ると母親>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

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【俺の中での記憶変質の過程】
マッツ・ミケルセン

ミッツ・マケルセン

ミッツ・負ける気せん