Taulさんの映画レビュー・感想・評価

Taul

Taul

映画(3598)
ドラマ(26)
アニメ(0)

違国日記(2023年製作の映画)

3.5

『違国日記』原作未読。雰囲気がよいせいか140分魅せられた。他者を知るという自己認識、創作での昇華、性的指向や能力の違う友などが、分散され、どれも中途半端ともいえる描き方。ただそれが、15歳の感受性で>>続きを読む

ユニコーン・ウォーズ(2022年製作の映画)

4.0

『ユニコーン・ウォーズ』「キュートな見た目に騙されるな!」とポスターにあるが、まさにそのポスターの想像以上の残酷さ。戦争映画などの惨いエッセンスを集めて、アニメで分かりやすく提示。挟み込まれるミソジニ>>続きを読む

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.5

『セーヌ川の水面の下に』Netflix。パリ五輪の開催直前にマジかという何ともフランス的な風刺パニック。政治とスポーツの癒着、環境汚染、陰謀論などをスローな語り口でいっぱいネタ撒きし、終盤一気にそれら>>続きを読む

上海特急(1932年製作の映画)

3.0

『上海特急』(1931)U-NEXTで初鑑賞。内戦時の中国、北京から上海に向かう列車がジャックされる。ただしそのサスペンス以上に、謎の美女 "上海リリー" マレーネ・ディートリヒの美しさを堪能する映画>>続きを読む

東京の合唱(コーラス)(1931年製作の映画)

4.0

『東京の合唱』(1931)U-NEXTで初鑑賞。キネマ旬報ベストテン3位という小津安二郎の出世作であり、確かに出色の出来だった。ハリウッドの影響はまだ強く感じるも、テーマは小市民の機微に集約しつつあり>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

-

『マッドマックス:フュリオサ』IMAXレーザーGT。最初戸惑うも普通の語り口でない流れに乗ると、活劇での饒舌とも言える語りと、情緒に惑わせられない叙事詩にどっぷり浸かる。果てしなく続くロードアクション>>続きを読む

サンコースト(2024年製作の映画)

4.0

『サンコースト』ディズニープラス。

ローラ・チンは監督はこれが長編デビューだが、すでに脚本のキャリアも長く、とても渋い作風。自身の境遇を重ね、みんな事情があるし、体験しないと分からないよね、といった
>>続きを読む

オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

3.0

『オリオンと暗闇』Netflix。お話もアニメーションも普通だし、概念がキャラになって話を進めるのは『インサイド・ヘッド』はじめ多いので、安易で安っぽい印象。ただ途中からメタ視点につぐメタ視点で奇想天>>続きを読む

俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー(2024年製作の映画)

3.0

『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』Amazon Prime Video。

ファレリー兄弟の兄、ピーター・ファレリーが監督。『グリーンブック』でオスカーも獲って丸くなったかなと観始めたら、冒頭
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

2.0

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』あの二人を中心とした日常と、不条理な終末感さえ漂うセカイの行く末が、別の人物へフォーカスが移ったり、ダイジェスト感があったりで、あまりエモーショ>>続きを読む

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

5.0

『システム・クラッシャー』こんなに映画に振り回されたのは久しぶり。爆発と疾走と健気さがとてつもない速度とパワーで迫り、様々な感情がかけめぐり、どう対応すべきか分からない。と同時に映画的な運動に身を委ね>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.0

『ありふれた教室』なんと濃密な99分なんだろう。言動の行く末が全てしんどくて、シークエンス毎に隣の人がため息をつき、こちらも釣られて息をつぐ。ドイツの中学校というリアリティを感じつつ、今の世界の縮図で>>続きを読む

姉の出征(1940年製作の映画)

2.0

国立映画アーカイブ 生誕100年 高峰秀子。『姉の出征』と『釣鐘草』を初鑑賞。どちらも1940年製作で16歳、明るく健気な少女を演じる。戦争の時代、特に前者はプロパガンダ色が強い。耐え忍び泣かせという>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

2.0

『碁盤斬り』展開や行動にやけに疑問が多かったが、話の元になった落語を聴いて納得した。清廉潔白な男の人情噺を、仇討ちものにするための肉付けで不備が生まれていた。落ち着きのない演出やカメラワークも苦手だっ>>続きを読む

NO LIMIT,YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ(2023年製作の映画)

3.0

『NO LIMIT, YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ』八丁座。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の解決を目指すと共に、様々なクリエイティブな活動を続ける武藤将胤氏のドキュメンタリー。病気へ>>続きを読む

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

2.0

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』レゲエの神様は何を願っていたのか。伝説的人物だが、あまりその人生は知らなかった。その名曲の数々と、他からのリスペクトやカバーでよく知った存在。映画はミュージシャンの>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.0

『ミッシング』女児の失踪事件と報道の現場を題材に、人間や社会のあるあるに潜んだ本質をさらけ出そうというエピソードの集合体。応える役者陣が素晴らしいし、最悪のピーク後は、もはや許してほしいという気持ちで>>続きを読む

ヤア!ブロード・ストリート(1984年製作の映画)

2.0

タイトル曲は音楽的に名曲だし、MV的なところは楽しい。ストーリーは陳腐で、どうでもよくなってしまう。リンゴはビートルズの曲は2人ではやりたくないという意志があり、その間はブラシを探すという小芝居をする>>続きを読む

ジョン・レノンの僕の戦争(1967年製作の映画)

2.0

ジョンの出番は少なく、戦闘や反戦の見どころもなく、英国ブラックジョーク中心で面白さが分かりにくい。

ジョン・レノン 失われた週末(2022年製作の映画)

4.0

『ジョン・レノン 失われた週末』ビートルズ関連のドキュメンタリーの中でも、これは知らなかったことが多く、驚くと同時に思わず涙ぐんでしまった。若きメイ・パンの物語であり、人間ジョンに深く関わった当時20>>続きを読む

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.0

『胸騒ぎ』悪夢だったと思いたいほどの胸糞映画(褒めてます)。ゆったりとしたテンポが秀逸で、胸騒ぎを覚えるもいつしか侵食されていく恐怖。ゲスト側の夫の優しさや配慮があだになるわけだが、苛立ちながらも、自>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.0

『恋するプリテンダー』ブレイク中の旬の二人が、爽やかエッチでお馬鹿なラブコメを展開。おきれるほどに王道だけど、古臭くなく楽しめる配慮を感じる。それと最初の切なさが意外とずっと効いてて、終盤の愛への飛び>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

4.0

猿の惑星シリーズ 雑感

『猿の惑星』は、衝撃と風格を持つ名作である1作目と、驚きのSFロマンの3作目の虜になり、映画は全部見てきた。リブート版もマット・リーヴスの黒澤史劇のような剛直さが好みだった。
>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.0

『青春18×2 君へと続く道』恥ずかしいくらい王道の物語を、日本と台湾の観光地や、オマージュした名作映画やミスチルを使い、藤井道人お得意の淡いタッチでくるむ。シュー・グァンハンの18、36歳の各年齢で>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

3.0

『無名』チェン・アル監督は初。第2次世界大戦下の上海で暗躍するスパイの話というだけでアガる。アル監督は、時系列を変えたり、渋さとケレンを混ぜたり、オマージュたっぷりだったりする大胆な語り口。また、尺の>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

2.0

『辰巳』小路紘史監督は初。濃いめの顔と顔との対峙で語っていくヒリヒリ感。アップと肩ごしの切り返し、ジャスト横顔という絵面に、必ずいがみ合う会話で攻めてくる。ただ個人的には同じようなパターンが続き、さす>>続きを読む

落第はしたけれど(1930年製作の映画)

3.0

『落第はしたけれど』(1930)初鑑賞。『大学は出たけれど』にかけたタイトルで当時の小津の得意な学生喜劇で、安定の面白さ。モラトリアムと不景気の狭間でゆれる男子学生たちだが、ほぼカンニング話というのが>>続きを読む

淑女と髭(1931年製作の映画)

3.0

『淑女と髯』(1931)初鑑賞。巨匠たちのサイレント映画時代2024 小津安二郎篇 @神保町シアター。
前半ラブコメ、後半ヒューマンドラマ風で、きっちり笑わせ、考えさせる。バンカラの岡田時彦がカッコい
>>続きを読む

花籠の歌(1937年製作の映画)

3.0

『花籠の歌』1937年。松竹大船。銀座のとんかつ屋を舞台にした人情コメディ。田中絹代主演で高峰秀子はその妹役(出番はカットされたのか僅か)。『宗方姉妹』まで何度か妹役を演じ、『放浪記』では娘役だったが>>続きを読む

(1929年製作の映画)

3.0

『母』1929年。高峰秀子、5歳のデビュー作。養父に連れられて見学に行った松竹蒲田撮影所でたまたま開催されていたオーディションに参加して選ばれた。天才子役現ると人気になったが、なるほど愛くるしい笑顔や>>続きを読む

釣鐘草(1940年製作の映画)

2.0

国立映画アーカイブ 生誕100年 高峰秀子。『姉の出征』と『釣鐘草』を初鑑賞。どちらも1940年製作で16歳、明るく健気な少女を演じる。戦争の時代、特に前者はプロパガンダ色が強いが、耐え忍び泣かせとい>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

『悪は存在しない』丁寧な関係性と突発的な暴力。崇高なメッセージのようで下世話な人間模様。深く重いようで、分かりやすく軽やか。素晴らしい。面白いと感じる巧さに溢れていた。

*

『ドライブ・マイ・カー
>>続きを読む

恋のためらい/フランキーとジョニー(1991年製作の映画)

3.0

スカーフェイスの二人による恋愛もので、やはり渋くて大人な内容。

シー・オブ・ラブ(1989年製作の映画)

2.0

パチーノのサスペンスフルなロマンス。タイトルは名曲。

狼たちの午後(1975年製作の映画)

5.0

原題の"Dog Day Afternoon"もいいが、邦題もいい。似た映画が多いようで唯一無二の名作。