このレビューはネタバレを含みます
『チリンの鈴』を単なる子羊さんのハートフル牧場アニメと思って観るなかれ。ほのぼの日常描写で安心させておいてから突如として始まる殺戮、そして子羊・チリンの慟哭と復讐への決意。親の仇たるオオカミ・ウォーを>>続きを読む
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絵馬石さんの女優魂を感じる一作。エロとグロとナンセンスが渾然一体となった大人のためのおとぎ話。以下では、"反転"をキー概念として感想を申し述べます。
ーー良識からの反転
全体的に、エロとグロが無くと>>続きを読む
偉大なる脚本家・橋本忍先生が監督・脚本・製作を手掛けた東宝創立50周年記念作品。時空を超えた愛の物語。構想やアイデアは素晴らしいのですが、全体の構成や編集に課題が残ります。どうしてこうなった? 金字塔>>続きを読む
神保町シアターの特別企画「生誕120年・没後60年記念 フィルムでよみがえる――白と黒の小津安二郎」にて鑑賞。あらすじは以下の抜粋のとおり。
「小津の戦後第一作で、余儀なく戦災孤児を預かった女と、同>>続きを読む
神保町シアターの特別企画「生誕120年・没後60年記念 フィルムでよみがえる――白と黒の小津安二郎」にて鑑賞。あらすじは以下の抜粋のとおり。
「結婚をめぐる父娘の微妙な関係を描き、戦後の小津映画を確>>続きを読む
神保町シアターの特別企画「生誕120年・没後60年記念 フィルムでよみがえる――白と黒の小津安二郎」にて鑑賞。あらすじは以下の抜粋のとおり。
「一人息子の立身出世を信じて身を削り働いてきた母は、東京>>続きを読む
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19世紀に活躍した実在の興行師P・T・バーナムを主人公に据えたミュージカル映画。今回は、『"音"で楽しむ!新宿ピカデリー映画祭ーライブ音響上映ー』にて鑑賞。"ライブ音響上映"とは、「映画館にライブ・コ>>続きを読む
五臓六腑に染み渡る気が抜けたスパークリングウォーターのような本作は、ミネラルたっぷりで心の栄養価は高め。仕事終わりのレイトショーにぴったり。疲れた身体に溶け込む音楽、絵になるショット、そしてワンちゃん>>続きを読む
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これまでの人生で、一度たりとも本作のネタバレおよびその匂わせに遭遇しなかったことに感謝しつつようやく鑑賞しました。練られた構成と終盤のどんでん返しに大満足です。結末については、トランプの「大富豪」にお>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダース監督作品。大変良い映画を観ました。じんわりと温かい映画でした。本作はある男の生活を美しく淡々と切り取りながらも、それは同時に規律正しい勤労に捧げられていました。人を殺めない『Mr.>>続きを読む
久しぶりに驚嘆すべき作品に出会えました。圧倒的。これほどに無神論的で、涜神的ながらも敬虔で、神を讃美している作品はないと思います。この異様にも思える熱量は、アレックス・プロヤス監督の『スピリッツ・オブ>>続きを読む
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なんと美しくまとまった作品でしょうか。物語最終盤で母の幻を見るシーン、とても感動、感涙です。ミュージカル映画はあまり肌に合わない私でもかなり楽しむことができました。冒頭のティモシー・シャラメ、スタイル>>続きを読む
2023年第1回北九州国際映画祭にて鑑賞。ジャパンプレミア作品。邦題は『ブリーティの花』。本作の監督はポルトガル人のジョアン・サラヴィザ氏とブラジル人のルネ・ナデル・メソラ氏。ブラジル先住民のクラホ族>>続きを読む
2023年第1回北九州国際映画祭にてジャパンプレミア作品として鑑賞。ルーマニア映画。邦題は『世界の終わりにはあまり期待しないで』。『アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ』(2021)のラドゥ・>>続きを読む
2023年第1回北九州国際映画祭にて鑑賞。ジャパンプレミア作品。邦題は『地上の詩』。上映後、本映画祭の作品選定プログラマーである映画監督・近浦啓氏のアフタートークがあり、イランの近現代史やイラニアン・>>続きを読む
ジャパンプレミア試写会にて鑑賞。前作『キャプテン・マーベル』の予習は必須。本作では、太陽のように輝く女性達がチームの絆を育みながら縦横無尽に大活躍する様を目撃できます。まさに"最強"チームでした。>>続きを読む
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キャプテン・マーベルはまさに無敵のヒーロー(=ヒロインではなく性別を超えた概念としてのヒーロー)でした。しかし、超人化する前のキャロル・ダンヴァースは多くの苦労を重ねていました。ホモソーシャルな"男社>>続きを読む
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第36回東京国際映画祭にて観客賞受賞、岸善幸監督が最優秀監督賞受賞。同映画祭の観客賞受賞スロットにて本作と相まみえました。朝井リョウの原作小説は未読の状態です。やや長めではありますが、以下トピック毎に>>続きを読む
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山崎貴監督作品。壊滅的な被害を受けた戦後間もない東京をゴジラが蹂躙するという余りにも酷な設定であり、正直なところ予告を見た段階で鑑賞意欲が失せかけました。焦土と化した東京を更に痛めつけるなど、到底承服>>続きを読む
吹替版を鑑賞。かつて実写版マリオを観た際の自分に見せてあげたい。コレナンデス、これが見たかった。マリオ映画の王道であり本道。奇をてらううことのない正真正銘のマリオムービー。マリオ映画としての評価そのも>>続きを読む
4Kレストア版を劇場で鑑賞。圧巻の作品。しっかりと回収されて行く伏線が物語に厚みをもたらす練られた構成。日中戦争、国民党の統治、第二次世界大戦の終結、共産党の台頭、文化大革命、四人組等々史実に翻弄され>>続きを読む
『オオカミの家』と同時上映された短編ストップモーション作品。妙に生々しい顔の造形が不気味で、全編を通じて生理的な嫌悪感をじわじわとかき立てる。不快さが燻る珍品。
本作はチリに実在したカルト団体コロニア・ディグニダが作製した架空のプロパガンダ映画の形式を取っており、コロニア・ディグニダという共同体を離れては生きてはいけないことを観る者に知らしめようとしてきます。>>続きを読む
リバイバル上映で吹替版を鑑賞。以前観たことがあったものの「コレジャナイ!」とか「グンバが不気味」程度の印象しか残っておらず、なにより実写化のやらかし事例として記憶の戸棚に収まっていた。もやもやする変な>>続きを読む
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ジョン・ウィックは死んでいない!と信じたい。あの墓はカモフラージュなのだと。しかしあの走馬灯は明らかに死亡演出。伝説のブギーマンは格式高い決闘の舞台で致命傷を負い、朝日に照らされて妻と愛犬の元に旅立っ>>続きを読む
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ドルビーシネマで鑑賞。冒頭のNSX、サーキットでのシークエンスからテンションと期待感は最高潮に。エンドロールまでワクワク感はとどまるところを知らず、体感爆速の2時間でした。レース中の内燃機関の描き方や>>続きを読む
本作のFilmarks平均スコアが「2.4」なのですが(2022/06/06時点)、やや過小評価されている感じがしないでもありません。本家トップガンを多くの意味でオマージュした(し過ぎた?)作品ゆえに>>続きを読む
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世の中には絶対に映画館で観ておいた方が良い、否、観なければならない作品があり、本作は紛れもなくその一つだと確言できます。新作の鑑賞前は可能な限り他の方々のレビューや評価を頭に入れないで観たいというスタ>>続きを読む
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原題『消失的情人節』、時間停止系のSF作品。全ての行動が人より早い女性主人公はその影響により(≒日々時間を前借りしてきたことで)丸一日を消失してしまい、他方、人よりゆったりと時間の進む男性主人公は、余>>続きを読む
進学校で超上位大学を目指す女子高生と、違法な稼業で生計を立てる若い男との関係を描く物語。いじめ撲滅を目的とする映画だけあって、基本的には勧善懲悪、因果応報、天網恢恢疎にして漏らさずといった考え方が通奏>>続きを読む
"いじめ"と呼称される犯罪行為が世間の問題意識を喚起している昨今、和光高校を目指して学び、懸命に生き抜いた1人の少女の実話を映画化した本作を、小学生の時分に鑑賞したことを思い出しました。10代で骨肉腫>>続きを読む
氷上のヌレエフとも呼ばれたフィギュアスケーター、ジョン・カリー(1949年-1994年)の足跡を追ったドキュメンタリー映画。同性愛が"罪なもの"とされた時代、そして、男子フィギュアに優雅さは不要である>>続きを読む
ヌレエフの再来と謳われた才能、ウクライナ南部・ヘルソン出身の世界的ダンサーであるセルゲイ・ポルーニンを追ったドキュメンタリー映画。うつに苦しみ、ドラッグ中毒に陥りながらも、新たな跳躍をみせる彼の姿に大>>続きを読む
フランス在住のシングルマザーであるエレーヌ(レティシア・ドッシュ)と、既婚者である年下のロシア大使館職員アレクサンドル(セルゲイ・ポルーニン)との関係を描く作品。直球の不倫物語でひねりはありません。シ>>続きを読む
少年期〜青少年期〜青年期の感情の機微を捉えた作品。登場人物の御顔はあえて簡素な造形にしつつも、環境描写が繊細かつ緻密でこれぞ新海作品といった趣を感じます。また、主題歌が本編を飲み込んでしまう勢いで、山>>続きを読む
かわいいキャラクターたちが絵本の世界で大冒険を繰り広げる物語。序盤から中盤にかけてまったりとストーリーが進みます。このゆるりとした空気感がフィットするか否かが作品を楽しめるかどうかの分水嶺となっていそ>>続きを読む