傑作である。石原さとみの演技が凄まじく、魂に訴えかけてくるものがあった。テーマとしては同監督の『空白』と共通するものがあり、ひとつの事件とマスメディアの功罪を描いているが、今回はメディアの内側からの視>>続きを読む
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非常にドライブ感のある脚本で、サスペンスとしてはかなりスリリングで面白い。ゼロ・トレランス(不寛容)方式というものを寡聞にして知らなかったが、要するに生徒を律するための厳罰化という認識で良いですかね。>>続きを読む
とりあえずOP曲がカッコよくて好き。内容は、1クールでギアスをやるならこの規模感だよなと納得できるスケールの設定で、非常に明快で分かりやすい導入だった。観終わった後に色々話し合いたくなるような愛嬌があ>>続きを読む
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邪悪な映画である。ただ、前半の些細な違和感の積み重ねの描写が巧かった分(他人の家の居心地の悪さの解像度が高い！)、後半はありがちなサイコスリラーになっちゃった感じもある。『ゲット・アウト』を思い出した>>続きを読む
アイドルという偶像に囚われた女子高生のディスコミュニケーションを描いた一作。中盤のライブシーンの平坦さは気になったが、それも彼女たちにとってのアイドル活動が青春の1シークエンスとして過ぎ去ったものなの>>続きを読む
意義のある仕事だ。ロシアがウクライナ侵攻を開始したのは本当につい最近の出来事で、それも結局は画面の向こう側の出来事としてしか捉えられない私たちは、安穏と日々を過ごしている。政府の高官は『民間人は攻撃し>>続きを読む
言葉にできないものを画面に落とし込んでいる。そして、時間芸術としての映画の性質を十全に発揮している。濱口監督が得意とする、車中の会話を長回しで撮るシークエンスも良かった。あそこはずっと聴いていたい。ま>>続きを読む
叫びは祈りだ。『ママに会いたい』というベニーのヒステリックな叫びは、愛されたいという祈りを孕んでいる。家庭にも学校にも施設にも居場所を持てず、理解者との別れの繰り返しの中で生きる彼女にとっての拠り所は>>続きを読む
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話題になっていた『マジカルガール』がそこまで好みではなかったのでそこまで期待していなかったけれど、意外と面白かった。最近の映画だと『正欲』とかとも近いテーマで、人から白眼視されるような嗜好を抱えてし>>続きを読む
後味が悪いと聞いたから期待して観たけれど、そこまで感情が持っていかれなかった。説明を排して無機質に進行する感じや魔法少女というモチーフは日本文化へのリスペクトを感じられて良かったが、人物の動きが作為的>>続きを読む
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毎年恒例のお祭り映画。青山剛昌ユニバースとでも言うべきクロスオーバーが行われていて、根強いファンへの信頼を感じる作りである一方、ほぼ映画だけで追っている自分としてはついていくのに精一杯だった。恋愛周り>>続きを読む
連帯した女性同士が男性を排除することで自由を獲得するという流れから見てみると、一種のシスターフッドらしくもある映画。萌花とちーちゃんが親に内緒で仲良くなっていき、家庭が内側から徐々に侵食されていくとこ>>続きを読む
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全くもって奇天烈で悪趣味な映画である。『旅行者の犯罪に対してはそのクローンを生成して処刑する』という設定からして無理があり、話の進め方もかなり強引だが、ただ、合法化された暴力の快楽を表現することには成>>続きを読む
『運命』や『縁』というものの存在を規定しつつも、そこに寄りかかったロマンスとして作劇しないところに筆致の品性を感じた。特に、言語の壁を用いた距離感の描写が絶妙で、主人公が韓国語で寝言を発していることを>>続きを読む
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ノーラン監督の映画では最も好きな一作。
包丁を用いた殺人事件が起きた際に包丁を開発した人間に罪があるかといえば答えはノーで、責任は完全に使用した側にある。特定の道具が存在することと、それが悪用されるこ>>続きを読む
キャラ映画としては秀逸。ミステリパートは取ってつけたような感じ。カルタに読まれた心情に絡めて、恋する女の子たちを可愛く撮っている一作だった。大岡紅葉さん好きっすね。
原作は未読。後編観るまで感想は保留にしたいけれど、この一作に限って言えば、好きなものが全て詰まっていて、ずっとワクワクした。この手の設定でまだこれだけかっこいい物語が描けるのは才能でしかない。あと、B>>続きを読む
ロマンに満ちた一作。歴史×冒険の要素もありながら、怪盗キッドが良いところを華麗に持っていく。この時期のコナン映画は良いね。
原作は既読。『誇張した「変な家」モノマネ』みたいな映画だった。原作に対しても、後半の展開がちょっと現実離れしている印象はあったけれど、映画版はそれに輪をかけて大味にアレンジしてゴリ押してきた感じ。ジャ>>続きを読む
原作はノータッチだけれど、これ一作に限って言えばかなり好きな映画。如何なるテーマを表現するかだとか映像として語るだとか、そういった美学や技巧は全くかなぐり捨てて、エンタメとしての展開のフックだけでひた>>続きを読む
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ミステリ小説における命題として、『後期クイーン問題』というものがある。作中で提示された手がかりに基づいて行われた推理が事件の真相とイコールであることを証明できないというものだ。探偵がつかまされた手がか>>続きを読む
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最初の街を出るまでは満点。神経症に苛まれたボーの目に映る不条理かつシュールな世界の描写が素晴らしく、次に何が起こるのか、不穏な期待感を絶えず煽ってくる。ただ、ドクターに拾われて以降は徐々に悪夢のような>>続きを読む
夜の中に佇む人たちを包摂する関係性を誠実に描いている。PMSを抱える主人公がパニック障害を抱える山添というキャラクターに対して『お互いに頑張りましょう』と言ったときに『症状はそれぞれ違うものだから』と>>続きを読む
ファンムービーとして分かりやすくて良かったんじゃないかと。変なところで茶化してくるのは井上敏樹だな〜って感じだし、全体的に懐かしさに浸れた。
すごく優しくて愛のある映画。風景は美しく、展開にはワザとらしさも過不足もなく、普遍性のあるクラシックな作品のひとつとして評価されていくのだろうと思う。言葉を用いずに伝達される感情の機微も繊細に表現され>>続きを読む
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原作は既読だが、かなり前に読んだので記憶は曖昧。
字幕の演出や山荘の間取りの見せ方などは嫌いじゃなかった。トリックが重視される本格路線のミステリである以上、人間ドラマがペラッペラなのも別に構わない。た>>続きを読む
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自殺した女性が胎児の脳を移植されて蘇生し、手術を施した博士の手から離れて独立していくまでの行程を描く一作。
10歳の時に事故に遭ってから昏睡状態が続き、大人になってから目覚めるが精神年齢は当時のまま、>>続きを読む
お祭り映画としては最高に楽しい一作。TVシリーズがネットでどう受容されているかを踏まえてファンサービスに振り切ったという点では『復活のルルーシュ』を観た時のそれに近い感覚があった。個人的にはネタの方向>>続きを読む
フィクションである以上、発生している状況に対しての違和感はあって良いし、ホラーというジャンルを選択しているなら効果的にさえ働くと思う。ただ、そこに立ち会う人間の心理の動きとして、主人公の行動がどうもぎ>>続きを読む
『笑い』は一人では完成しない。絵や音楽、物語ならば、自分自身の満足のために作り上げることは可能だ。それこそヘンリー・ダーガーのように、誰にも見せることなく作品を描き続けても良い。しかし、笑いはそれを受>>続きを読む
政治学者のカール・シュミットは、共通の『敵』を想定して『友』と連帯する動きこそが政治であると綴った。その意味合いで、この作中で行われている一連の動きは正に政治の縮図だ。しかし、『アパートの住民』という>>続きを読む
頭を空っぽにして観れる、景気良く人が死ぬB級スプラッタ。最初のブラックフライデーの暴動シーンはかなり良かった。馬鹿げてるなーとは思うけど現実でも死人が出てるって話も聞くし、人間は愚かって感じ。ただ、肝>>続きを読む
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なぜホラー映画のキャラクターは倫理観が希薄で行動が軽率なのかということを考えながら観ていたが、むしろ、そういったキャラクターでないと霊に近づけないのかもしれないと、ひとつの結論に辿り着いた。あるいは、>>続きを読む
