金魚鉢さんの映画レビュー・感想・評価

金魚鉢

金魚鉢

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.7

間違いなく今年一番アドレナリンが沸る映像体験だった。五感が喜ぶアクションが満載で、刺激的本能的かつ狂気に満ちた2時間半。単純明快なストーリーであることで、縄張り争いの場面やカーチェイスなどハイテンショ>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.7

少ないシチュエーションと共通の時間軸のなかメンバーがinoutし入れ替わることで見えてくる人間の相性や本音。今作然りこういう会話劇を中心に輪郭がはっきりしてくる映画は、盛り上がりより現実味を重視した塩>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.6

『変わらない部分だけを見つめる難しさ』

目が覚めると昨日とは別人の姿に変わるという能力が恋愛におけるハンディキャップとして描かれている。毎朝アイデンティティがリセットされるような喪失感があり、顔が毎
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PK(2014年製作の映画)

3.8

ピュアな異星人pkの視点で地球の常識に一石を投じるコメディ映画。自分の星に帰るためのリモコンを奪われてしまったことで、地球について学び次第に神の存在や信仰の形に疑問を抱いていく。そのすれ違いにクスッと>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.9

遠く離れた故郷のことも行き着いた国の言葉もほとんどわからない状態で迷子になり、誰を信じていいかわからない恐怖は想像を絶するものでした。迷子になってから街で攫われそうになる場面や施設を出るまでのところか>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

『時の流れや運命の残酷さを和らげてくれる"イニョン"という価値観』

幼少期から24年にわたって数回だけ交わる2人の縁がプラトニックな恋愛。セオリー通りなら確実に結ばれるであろう初恋相手との恋が今世で
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

ポスターの「永遠を壊したのは僕」が気になり鑑賞。繊細なすれ違いが捉えられていて予想してた展開よりもずっと重たくセンシティブ。誰に感情移入してもあまりに悲しい結末で、相手の親にも打ち明けられずに一人責任>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.7

NYの街並みとティモシー・シャラメ&エル・ファニングが絵になりすぎる。不思議な巡り合わせとおかしな会話劇のなか予定が狂っていき、ささいな出来事から何かドラマチックな波乱が起きそうで結局最後の最後まで変>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

現実世界と隣り合わせにある絶望感にサブカル色を加えたような独特な世界観が癖になる。正直、声優陣の話題性で評価も上がっているのではないかと、物語自体の評価を半信半疑で観にいったのですが、2人の演技も素晴>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.8

18年前の台湾と現在の日本が交差するピュアなラブストーリー。旅の想い出がふとした瞬間にくれるきっかけ、旅先での出会いの儚さが、互いの視点で異国情緒溢れるロケーションの中描かれていた。
恋愛の舞台として
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.7

思っていた妖怪大集合ではなく、龍賀一族と幽霊族にまつわる怪しい村の話でミステリー寄りだったけど最後まで面白かった。怪異の恐ろしさを感じさせるような人が死ぬシーンのむごさや終盤の血の色に染まる闇堕ちしそ>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.5

『ほとばしる活力でベタを突き進む王道インド映画』

ちょっぴり間抜けな登場人物たちによる真っ直ぐな愛が行動を起こす勇気をくれる。とにかくスクリーンから溢れるエネルギーが凄まじく、大袈裟な演出が笑いにも
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

『我は死なり、世界の破壊者なり』

かなり予備知識を必要とする映画。普段は、物理現象や時間軸によって複雑化するノーラン作品だけど、今回は前提として原爆投下辺の時代の世界情勢が入っていないと序盤からつい
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

ここまで効果を感じられる映画を観たことがないくらいIMAX案件な映画でした。特にポールが砂虫に乗るところは未だかつて映画で味わったことのない迫力と臨場感があって大満足です。

やはりSFとしてのビジュ
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くるりのえいが(2023年製作の映画)

4.0

くるり最高!ハイセンスで唯一無二なくるりの楽曲の裏にある、音楽制作に打ち込む姿勢やバンド内の関係性が伝わる良ドキュメンタリーでした。レコーディングの場面は、和やかな雰囲気ながらこだわるところは徹底的に>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.5

『王族の死を巡る宮廷内サスペンス』

上映館数が減っていて観に行くか悩んでいたけど、仕事帰りに足を伸ばして大正解。見慣れないタイプの作品なのでついていけるかやや不安だったけど、めっちゃ面白かったです。
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.2

今年も春休み期間のちびっ子たちと映画館で鑑賞。ドラえもんを観に行くときだけは、家族連れの賑わいとして唯一周りの騒がしさが気にならなくて、懐かしい雰囲気に浸れるのがとても好き。

ただ内容は日常の導入部
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

犬のポップな部分が抑えられていて物悲しいストーリーの中にうまく溶け込んでいる。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技が素晴らしく、曲のチョイスも抜群。作品が良かっただけに、しっくりこないダークヒーロー>>続きを読む

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.2

『予測不能でヘンテコな恋の四角関係』

物語の起承転結より、人間味溢れる会話劇で真っ向勝負。面倒臭い登場人物たちによるどうでも良い会話が続くだけなのに不思議と2時間があっという間。第三者目線ならではな
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このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

4.2

『変人が変人を食う水掛け論ムービー』

パシフィックヒムを彷彿とさせる観覧車前半での告白失敗から、時間軸バラバラで異なる組み合わせの2人の会話劇を映していくリアルタッチコメディ。
サブカルな日常の雰囲
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(2023年製作の映画)

2.9

意図せず観た作品。別の作品を鑑賞予定でしたが、システムの不具合で一つ前の作品が流れてしまうという初の事態。短編集の中の一つ目の作品で、二つ目に入ったくらいでアナウンスが入り途中退場でした。そんな体験含>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

『辛抱強く巣を巡らせ、したたかに仕留める』

自らを小さく見せ懐に入る狡猾な蜘蛛が屋敷を完全支配するまで。
格差社会に蔓延る階級意識を題材として、上流階級側の軽率な歩み寄りと同情によって、優越感に浸る
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殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)

3.5

強烈なポスターとタイトルが気になり鑑賞。養鶏サスペンスという観たことも聞いたこともないジャンル。ポスターのシーンはそこで来るんかい!と思わず言いたくなるまさかの差し込み方。また、期待していたほどカルト>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

3.4

この時代の雰囲気とドタバタ感含めて楽しめた。グレムリンただ野蛮なだけじゃなくて、犬吊るしたり、ダーツの的にしたり、婆ちゃん2階の窓から放り出されるように仕向けたり知恵あるやつのトリッキーな襲い方してく>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

レイトショー観に行ったらまさかの貸切で贅沢な時間でした。メンバー全員の音を楽しんでいるエネルギーと一体感が伝染して、観ているこっちまで体が自然に動いてしまいそうなレベルの熱量。バンドというよりパフォー>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

『紅だぁぁぁ〜!!!!』

合唱部の中学生とヤクザの異色青春コメディ。なんと言ってもヤクザ×カラオケの組み合わせが斬新。恐い大人達が歌の練習に真剣に取り組む可笑しさ、愛嬌ある狂児のキャラに冷め切ったの
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

異物感を際立たせて不安を煽る演出と生々しいエログロ描写は監督らしさが光るが、話の筋はやや過去作とは違う転び方をしていき、よりアーティスティックに凝った画作りだった印象。"異常な支配下で育つ少女"にとど>>続きを読む

ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.7

『最悪な後味のハッピーエンド』

公開当時、通常盤を友達と観に行ったときは、北欧の楽園のような美しい光景のなか起こる残酷極まりない事象の数々があまりに衝撃的で、ポスターで予想していたものとのギャップが
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

古き良きJホラー要素のある新作ホラーだったが革新的な部分は見当たらず。呪怨の清水崇ワールド全開で、高谷家の玄関の雰囲気やとしおという弟の名前が登場するなどかなり意識して出してきていた(玄関でやりとりを>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

オーソドックスな英雄譚で、娯楽性よりもアート性重視。映像も綺麗で話の流れも掴みやすいのだが、肝心の緑の騎士や返し討ちの意味などは疑問が残った。

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.7

一方的に敵対視されたことで起こってしまう種族間争い。友好的な関係を築こうとしていたタイミングで相手も歩み寄ってくれていたら。ミュータント側から見た人間がそうであるように、一括りにするよりも良い層に目を>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『爆速で駆け抜けるシンデレラストーリー』

立ちはだかる大きな壁を越え夢を叶えるためのトーナメントを勝ち進んでいく高揚感と最新技術を駆使したレースシーンの没入感が凄まじいテンポで押し寄せてくるド級の胸
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