中学生あたりで観ていたら100パーの満足度で、人格形成にも目いっぱいの影響を受けていたと思われる。作品そのものよりも背景とか影響とか映画の周辺を考えながら観てしまうと、そう単純にはいかず。大人になるの>>続きを読む
ああ。なるほど。ヒットするだけのことはある。そう納得しながら静かに濃密に過ぎ行く時間。
「おじゃまんが山田くん」が生涯のマイベストアニメーションであるので、もうほんと、存在することだけでリスペクトなアニメ映画なんである。画力すごいな、しみじみ。
人生初めて観た洋画であり「海外から見た日本」を初めて観た作品でもありそればっかり印象に残っていたけれど、改めて見直すとひたすらBBを愛でる映画だった。子どもが観ても価値分からないね。お気楽でおしゃれな>>続きを読む
どの要素も絶賛までいかず合格点程度なのに、全体で統合すると「邦画も悪くない」と感心させられる佳作。
自分にも簡単に起こりうる悲劇ということで背筋が凍る思い。ネットがもたらす残酷物語オムニバス。自らの煩悩と年齢に特有な万能感に正直な子どもが、悪用にも無限大の可能性を持つ匿名ツールを手にして卑劣な弱者制>>続きを読む
開拓時代の西部劇、ならず者までも隅々まで浸透したキリスト教精神、過酷な砂漠地帯での生活、銀行強盗お尋ね者三人と追う保安官…ここにさらに生まれたばかりの赤ちゃんが加わり、2000年を過ぎた東洋の人間が見>>続きを読む
二人のバレリーナの「人生の分岐点」を描くドラマ。俳優もバレエも一流どころが結集していてバレエ鑑賞目的でもOK。二人の主役のどちらも、生活不安や健康問題があるわけでなし、十分に恵まれた人生を送っている。>>続きを読む
痛過ぎて。最後に泣きじゃくる母についてはいろいろな解釈があるだろうけれど女の涙は大抵が「私かわいそう」の涙で、そう解釈して実際のところ全く違和感ないのが何とも。閉鎖空間で肉親から理不尽な憎しみを浴びせ>>続きを読む
美しい母娘の母子家庭。この設定だけでまあ人生何とかなってしまいそうな気がしてしまうけれど、母の自己評価の高さと無計画性は「ちゃんと大人になる過程を経なかった美人の成れの果て」。監督はその愚かさをただ晒>>続きを読む
VFXと多部ちゃんは確かによい。しかし強引な設定と辻褄の合わなさで作品世界に入れない。ロボットと人間の交流を描く近未来ファンタジー、不登校・親の性的虐待など問題を抱えた子どもの成長、少年少女の初恋と友>>続きを読む
コメディらしいけれど特に笑えない、けれどバカ映画としての微笑ましさはある。頭は使わず金は際限なく使う豪華キャスト適当映画。ただひたすらS.マクレーンのスタイルに驚愕して終わり。
Walsh監督の出世作だとかD.Fairbanks絶頂期の巨額予算映画であるとか上山草人やAnna May Wongのハリウッドデビュー作だとか美術や特撮技術において記念碑的評価を得ているとか語るネタ>>続きを読む
絶対にハッピーエンドに決まってると確信を持ちながらトップスターの輝く姿に心躍らせる103分。テクニカラーの水彩色鉛筆画のような優しい色彩が、人も犬も花も何もかもを可愛らしく見せる。
素晴らしい!心的距離がかなりあるソ連という国の遠い昔の話なのに、すぐに映像世界に没入できる明快なつくり。不幸な育ちでグレた若者を更生させるためにまずすることは彼らを信じること。
violence action系はほぼ初心者なのですが、当たりを引いた気がする。理屈抜きでグイグイ引き込まれ圧倒されて終わった2時間半。目が肥えていない自分への招待状のような作品。
舞台はウィーンでも徹頭徹尾フランス映画。恋愛脳の美男美女が「あなたのことはよく知らないがあなたが好きだ、やりたい」→ベッドイン→他の相手へ…で連鎖する痴話オムニバス。やたらに装飾的な世界と洒脱な狂言回>>続きを読む
狙ってやってるんだとは思うけれど、意味が分からない。なんかもう含みとか行間とかばかりで何か言いたげなアンニュイ映像の断片を次々出されるけど意味が分からない上、不親切過ぎて解読しようという気力も起こらず>>続きを読む
無口で強い男と守られる女が反発から恋愛へ、という予想外にベタなラブストーリー。90年代の映画らしさも懐かしく思い出された。
オールカラーのスラップスティック。バスター・キートン遺作。女性がエロい。男性も負けずに頭の中はそればっかり。ダジャレとギャグ、唐突なミュージカル。次から次へと繰り出されるギャグとスピーディな場面展開で>>続きを読む
酷すぎて驚き、逆に見入ってしまう。観終わってから当時のコピーを読んで二度驚く。ある意味シベ超の再来?自らのセンスに絶対的自信を持ち製作過程で他人の意見を一切取り入れず自信満々で世に放たれてしまったと察>>続きを読む
陪審員の群像劇であり法廷劇ではない。陪審員の面々が俗物か無教養か無責任かで悪意ある一面的な描き方であり、ここから陪審員制度への一般的な問題提起には結び付きにくい。弁護士である監督の、陪審員制度への憎悪>>続きを読む
冒頭の鉄道からの映像にまず圧倒され、期待が膨らむ。今なら殺人衝動の遺伝子なんてトンデモ映画扱いになりそうだけれど受け容れてしまえばなかなか含みのある素材。会話にしろシーンの短い切り替えにしろ集中力を要>>続きを読む
老境にある人々(監督、4人の演者)が自らの現実と思いを滑稽譚の形で残した作品と捉えればよいのか。どう見ても人生の終わりがメインテーマでありながらセリフは「年はとったけど、それが何?」程度。人生を謳歌す>>続きを読む
シドニー・ルメット監督最高傑作。簡単に言えば悲惨な体験から心を閉ざして生きる主人公の日常生活と再生なのだけれど、とにかく重く暗く深く、そんな単純な言葉で説明できない。感情を失った主人公、思いを正直に表>>続きを読む
「恋愛心理小説の祖」である原作を現代を舞台に映画化したもの。あまりに想定内の展開で進むのでつい「ひねりがない」だの「誰でも思いつく」だの考えそうになるが、そりゃ「祖」なんだからと何度も確認を要した。国>>続きを読む
80年代邦画は、曇った質感とフュージョン系劇伴などにどうにも気恥ずかしさを覚えてしまいそれらを克服して映画世界に参加できるまで余計なプロセスを要するが、この作品はそれだけの甲斐がある。森田芳光の才知溢>>続きを読む
精神医学からミュンヒハウゼンの名を知ると「狂気じみた虚言症」のイメージを持ってしまうのだけど、なんだこの童心あふれる世界。ドイツ4作目のカラー映画は豪華絢爛の色彩世界。繰り広げられる冒険譚はあっけらか>>続きを読む
BBとCCが競演するお色気おバカ映画。こういうのを求めていないときに観てしまうとひたすら長く苦痛。doctor of medicineはこの時代medicine doctorと言うらしい。
入手困難だったので観られただけでも感謝。単調単純簡素な組み立てのサイレントで正直長く感じたけれど、ヒッチの映像実験の目撃者になれたという満足感はある。こんな初期からヒッチテイスト溢れることに驚いてみた>>続きを読む
他の商業映画と同列に扱い批評対象とすることはできない。わずか8年前に実際に被爆した広島の人々が演じる「被爆者」。プロの映画人と広島の人々が結集して「あの日」を際限まで正確に蘇らせ遺そうと作り上げた映像>>続きを読む
上流階級出身の絶世の美女なのに、上流階級の「誇り」の犠牲になり続け誇りゆえに彼女も、彼女を取り巻く誰もかれもが幸せになれない姿をサイレントならではの抑制された演出とセリフで描く。舞台は一応現実の社会な>>続きを読む
導入部から意味不明で、少し観ては解説など読んで何となく理解、またぶつ切りで観る。分からないと投げるには惜しい。一つ一つのシーンがいちいち美しく音の効果も斬新で古さが逆に新しく感じるおしゃれなキャスト、>>続きを読む
よかったー。ただただ観衆を幸せな気分にさせることに徹したまさにアメリカ映画。理屈なんてどうでもいい、働いて食べて踊って喧嘩してそれでみんなで笑って過ごそう。こんなのリアルタイムで観ていたら無条件でアメ>>続きを読む