アケルマンの『ジャンヌ・ディエルマン』は、終盤までベッドシーンを一切映しませんでしたが、本作は逆で客達とのベッドでの様子、特に主人公の表情を執拗に映し出していました。
僕は個人的にはお金で女性を買う>>続きを読む
写真家サラ・ムーンの映画監督デビュー作。
サラムーンの創り出すセピア色の映像美。
ビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』では、撮影当時まだ5歳だった主人公のアナは、劇中でフランケンシュタインと遭>>続きを読む
アケルマンによる母の晩年を撮影し続けた(撮影の途中で亡くなる)ドキュメンタリー作品。
カメラは粗いけど、ユスターシュが叔母を撮影した『ナンバー・ゼロ』よりもずっと繊細に感じました。
今作で余白を感>>続きを読む
「総括」怖すぎる。
極右ももちろん怖いが、極左も超怖い。
個人的には、左の人の意見に耳を傾けることのできる少し右側の考えを持つ人か、右の人の意見に耳を傾けることのできる少し左側の考えを持つ人が中心>>続きを読む
ファッションの背景に潜む闇に切り込む素晴らしいドキュメンタリー作品。
安くて手軽なファストファッションを買うという消費行動を今から止めることは不可能に近いのだと思いますが、この作品を観た人達からでも>>続きを読む
事前情報を入れずに観たので、最初ドキュメンタリーなのかなと思いましたが、ドキュメンタリー仕立てということがわかった瞬間にちょっと冷めてしまいました。
ドキュメンタリーっぽく見せるなら、そこまで過激な>>続きを読む
コゴナダ監督は、デビュー作〝コロンバス〟も良かったですが、今作も美しく落ち着いた映像と音楽が良かったです。
ヤンみたいなアンドロイドロボットが家庭で持てるような未来になってほしいです。
ゴダールのことはいくらでも知りたい。
悪くないんでしょうけど、ライカートの奇跡が降りてきていないように感じてしまいました。
ライカートには〝オシャレ系〟ではなくて、あくまで文化的な作風であってほしいです。
意識ペラペラのモード界に、サステナブルな意識と服作りを持ち込んだ「Mother of Pearl」のクリエイティブディレクター,エイミー・パウニー氏を追ったドキュメンタリー。
素晴らしい挑戦であり、>>続きを読む
悪くはないんですけど、個人的には最近のライカート作品よりも「オールドジョイ」~ 「ミークスカットオフ」あたりの作品が最高に好きでした。
ライカートはA24と組まんでもよろしいかと。
ダンテの神曲になぞらえて、「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の三分構成から成る作品。
本作は、内戦の爪痕生々しいサラエヴォが舞台。
主人公の名前はオルガ。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で発生した包囲>>続きを読む
ノーランの凄いところはたくさんあると思いますが、僕が特に気に入っているのは彼がこんなにSF的な作品をたくさん撮っているにもかかわらずCGを一切使わずアナログ撮影に拘っているところです。
カラーとモノ>>続きを読む
物語を立場の異なる3人の視点から描いた作品。
子供を取り巻く社会の不条理と繊細な少年の心が、見事な構成で描かれています。
この世はなぜこうなのか?
なぜ善人ほど生きづらく、損をするのか。
あまり>>続きを読む
ノエ、やりますな。
スプリットフレームの構図が面白い。
初期以外は、カオスな人でしかないイメージでしたが、こんな人生の晩年の夫婦の生き方を見事に描いた作品も撮れるなんて。
お見それしました。
アル・ゴアはちょっと胡散臭いですが、基本的には良い活動をしていると思うのでまぁ許そう。
でも、原発のこともちゃんと否定してほしかった。
チリのストップモーション・アニメ。
ヤンシュバンクマイエルの影響も大きいのでしょうが、本作の方がもっと絵本的で観やすいです。
レオンとコシーニャによる本作の造形は素晴らしい。
パトリシオ・グズマ>>続きを読む
本作の原題は、『決して存在することのない「奇妙な戦争」の予告編』
“奇妙な戦争”は、生前のゴダールが企画していた構想でしたが、その映画は完成することはなくゴダールは安楽死を選びました。
長編映画の完>>続きを読む
ランティモスの才能は、本当に素晴らしいです!
豪華絢爛な衣装や映像にはうっとりさせられ、ストーリーは知的でありつつもクセが強い。
しかもブラックユーモア満載。
僕はいつもランティモスのツボからは>>続きを読む
今作の制作の背景には、ユニクロでお馴染みのファーストリテイリング社の柳井康治氏が発起人となったプロジェクト, THE TOKYO TOILET (以下,TTT)があります。
TTTは、渋谷区にある>>続きを読む
タル・ベーラにしては珍しいカラー作品である2作目の長編。
描かれるのは、社会不適合な人格を持つバイオリンを奏でる音楽家の末路。
この時点では後のタル・ベーラらしい作風は見つけられてなかったのだろう>>続きを読む
本作の主人公,ミシェルの精神は、ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公,ラスコーリニコフそのものでした。
その隠喩を楽しめるのも、小説を読んだからに他なりません。
本当のスリ師が伝授したと言う、端正>>続きを読む
この時代にカウリスマキの新作を映画館で観れるという幸せ。
2024年冒頭から大地震が起こり、飛行機は事故を起こし、今もウクライナやガザ地区では戦争が続いている。
こうして平和に映画を楽しんでいる自>>続きを読む
ジョージアの山村を舞台に、静かで美しい映像美。
人間の思考は主に3つ。
科学的、宗教的、詩的、神話はこの全てを内包している。
そして、この映画は、それらから科学的要素のみが取り除かれたような作品で>>続きを読む
自分の棲家よりもウェスキーとタバコを優先するような生き方は、他人から見れば狂ってるのでしょうが、不器用な人間には金持ちには持ち合わせていないような人間的な魅力があります。
日本でも増税や値上げラッシ>>続きを読む
憧れの世界で働く新人アシスタントの過酷な環境を、ある一日に密着したような作りで問題提起した作品。
働き方、セクハラ、パワハラ、モラハラetc…
現代における社会問題が詰め込まれています。
さすがに>>続きを読む
タイトル、メチャかっこいい。
ユスターシュの祖母であるオデット・ロベールの話を2つのキャメラで撮影したドキュメンタリー作品。
語られるのは、オデットの半生、および彼女の曾祖父母から曾孫たちへいた>>続きを読む
ケンローチの長編デビュー作。
ケンローチは最初から一貫してテーマがブレてないんですね。
素晴らしいです。
今産まれたばかりの人が将来この映画を観たらとても新鮮にお思うのでしょうけど、リアルタイムで観続けている僕にはちょっと新鮮さが失われてきています。
映像ももちろんアップデートされているんでしょうけども>>続きを読む
とても現代的な感覚の作品でした。
今の時代、クラシック音楽でさえその音楽家のプライベートの生き方も評価に加えられる。
近年パブロ・ピカソの絵画がオークションで下落しているのも同じ。
個人的には突>>続きを読む
世界観は好きでしたが、自分にはちょっと宝塚っぽい劇チックにも感じてしまいました。
ニュー・ジャーマン・シネマなSF感は堪能できました!
オッティンガーは映像の魔術師でした
これはごめんなさい。
自分には合わず。
「小さな世界劇場」という形で、過ち,恐怖,権力の渇望,恐怖,狂気,残虐行為,そして日々の生活を含んだ世界の始まりから今日までの歴史が、5つのエピソードで語られ>>続きを読む