sayachiさんの映画レビュー・感想・評価

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赤と黒 デジタルリマスター版(2009年製作の映画)

3.8

複雑なジュリアンの性格がよく表現されていて、小説より取っつきやすく感じた。

十戒(1956年製作の映画)

4.0

聖書を踏まえた詩的なセリフがあるかと思えば、人間臭いドラマでぐいぐい惹きつけられて、ちっとも退屈しなかったです。都市建設の様子や広大な荒野、有名な海が割れるところなど作り込みも圧巻で、2回目でも楽しめ>>続きを読む

ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)

3.5

自分自身がどうこうできる範疇にない問題が起こったとき、どうするか。逃げるという選択肢を選ばなかった彼女は、ただただ受け止めている。
この作品では、ぶち当たった困難に誰も怒鳴ったり泣き叫んだりしない。こ
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

4.0

ユ·ヘジンさんをたっぷりこってり堪能できる作品でした。
嫌な時代ですね。どの角度から見ても悲惨。自分だったらできるかな?と劇中何度も思いました。韓国の作品は、見る人を惹き付けるのに長けてると思います。
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アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

3.6

中年の私には何かと刺さる作品でした。
主役と思っていたフィールド(女優としてだけでなく、女性として、ヒトとして)はいつの間にかシーンが変わっていて、端役になってるんじゃないかと感じて、焦りや戸惑い、憤
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.5

経営権争いと殺人事件というスキャンダルを、豪華キャストでエンターテイメントとして描くと、こうなるしかないのかな、という印象。ガガを始めキャストの装いは眼福ものだし、豪邸も暮らしぶりも羨ましいほど華やか>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.8

意外とストーリーはほっこりでした。世界観が魅力的です。
目耳口鼻のパーツが揃わなくても、明らかに知らない言語体系であっても、共感が持てるのは不思議です。特徴を抽出したら異生物なのに。
妖怪という概念が
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女は女である(1961年製作の映画)

4.0

男女の軽薄な会話のなかに女の感情のヒダをきっちり汲み取りつつ、女を滑稽に愛らしく魅せている。全角度、センスがたまらなく良い。

ソウル・キッチン(2009年製作の映画)

3.5

下品さが効いてて楽しい。エンドクレジットお洒落。

一度も撃ってません(2020年製作の映画)

3.8

面白かったです。
大人になっても楽しく生きる方法。
①夢を(バカみたいに)追い続ける
②仲間がいる
③かっこつける

激突!(1971年製作の映画)

3.8

とことん追い込まれて、恐怖心と不快感を最後まで味わえた。単純なストーリーでも撮影技術で見る人を掴むという映画の根源的な面白さを改めて感じた。

We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.5

ファッション産業は資本経済と商品経済がえぐく貼り付いているので、デザイナーがアートに傾くほど両者の溝が深まるのだろう。皮肉にもメゾンの資力の大きさが最終的に個人を守ることになるのではなかろうか。
初期
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ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.9

アイリーン·グレイ(役の女優さん)の髪型·コーディネート·佇まい、インテリア、南仏の海辺の景色が美しい。映像も絵画的でモダンで、かなり好みでした。
ストーリーとしては、コルビュジェがこんなおっさんだっ
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マックイーン:モードの反逆児(2018年製作の映画)

3.9

彼の作品にはパンク的というかロックテイストがあったので好きだっただけに、今だったらどんなデザインが生まれていたかと思うと、残念でなりません。
職人気質でありながら天才的な独創性を持つ、稀有な人だったと
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博士と狂人(2018年製作の映画)

3.3

私は、ちょっと前半と後半が分断されているような印象を受けました。二人の、友情を育む部分がもっと見たかったです。

フランクおじさん(2020年製作の映画)

3.3

ちょっと予定調和なストーリー展開だったけど、ハートフルで優しい作品でした。どんな人であっても居場所を取り上げるようなことをしたらダメだと思いました。

楽園(2019年製作の映画)

3.3

時間の割り方が頻繁で疲れるし、後出しが多すぎて混乱しました。が、全体的には好きでした。
2つの事件を交差させたということは、共通項の舞台、限界集落=閉鎖的なコミュニティが主眼ではないでしょうか。「場所
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.6

貨幣経済の構造上、誰かはゲームから排除され、誰かは生き残るという、残酷さが怖い。この経済システムのままで、動かしようがないからという理由で邁進していいのだろうか。複雑に絡み合った資本が最終的に共倒れに>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.5

イムジン河が南北の隔たりを歌っているのをベースに、川を「隔たり」としてみると、在日朝鮮人と日本人の間にもまた隔たりがあって、自転車で疾走したり、喧嘩で両岸からぶつかり合ったり、「隔たり」をぶっ壊す若い>>続きを読む

暗数殺人(2018年製作の映画)

3.5

思わず犯人の賢さに感心してしまったけど、犯罪事件の巧妙化、複雑化は進んでいくんだろうなと、空恐ろしさを覚えました。言うまでもなく、役者さんの演技の魅力や展開の面白さは、申し分なしに楽しかったです。

教誨師(2018年製作の映画)

3.7

ラストの教誨師のことば、「わたし、あなたのそばにいますよ」には大きな慈愛と強い意思が感じられて胸を打った。
相手を矯正しようとか教え諭そうとか、そういう傲慢さを排除して死に対峙するシーンは、制度が孕む
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

この作品の感想は、取り上げたテーマと、「映画」としての完成度と二分するように感じた。
水俣病被害者、遺族、支援者らとチッソとの戦いについては当然怒りややるせなさを感じる。
ただ、ひとつの作品として見た
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.5

私は、昭和初期に流行したエロ·グロのセンス、封建的な社会に隠蔽された抑圧と解放の性文化はとても日本的だと思うのですが、その乱歩的な世界観をこんな形で表現したこの映画は、傑作だと思います。
アングラ好み
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.9

視覚的、聴覚的に工夫されてて、彼の感覚との一体感を度々感じた。それだけに、やるせなさや悔しさ、絶望や哀れみが募って、どこかで希望がないかすがる気持ちで見続けた。素晴らしい作品だと思います。

セルピコ(1973年製作の映画)

3.7

ストーリーは言うことなし、いい作品でしたが、何よりもアル・パチーノの目が澄んでいて印象的でした。スター性ってこれかな、と圧倒されました。

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.6

陣治の愛は大きすぎて、いっぱいいっぱいの十和子には見えないのが、せつなかった。

ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

外国に移民するという風景が比較的日常でない日本において、移民をした者たちの歴史にどれくらい寄り添えるかわからないけれど、ひとつの家族のなかにある「おばあちゃん」の存在と役割は、似たりよったりではないだ>>続きを読む

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020年製作の映画)

4.0

ムヒカさんは思想を行動化する人で、情熱が全然衰えない。私もムヒカさんが蒔いた種を発芽させたい。周りの人を大事にしたい。行動できる大人になりたい。種を蒔く人になりたい。

マザー!(2017年製作の映画)

3.0

聖書モチーフとか環境問題とかありますけど、それを上回って、詩人の身勝手さに呆れるばかりです。

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.5

顔ぶれも華やかで、面白かったです。白黒の良さももちろんありますが、舞台が華やかな世界なだけに、カラーで着物姿を見たかったなぁ。

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

4.0

見応えのある作品でした。
心理的視覚と物理的視覚を混在させた映像、擦り合わない会話、休みのないテンポで観客に奇妙な違和感を絶えず抱かせることに成功していて、終わりまで疑念が取れませんでした。
重層化し
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プール(2009年製作の映画)

3.6

ゆるい時間の流れが気持ちよく、映像も、どのシーンを切り取ってもポストカードのよう。音楽も心地よい。良くも悪くも雑誌の写真のような洗練された絵で、空気に魅せられる。

アメリカン・ファクトリー(2019年製作の映画)

4.0

面白かった。まさにこれが資本主義で、かつて労働力を提供してきた中国が資本家になり、主従関係が逆転したというだけのことで、世界の資本を支えてきたのはこのアジア人的働き方かと思うと、ぞっとしますね。資本主>>続きを読む