気ままな①に共感し、落ち着かない②で笑い、迷宮の③を考える
ありのままの風景とそこはかとなく漂うユーモア
“日記クン”への語りかけも楽しい
進んだり戻ったり立ち止まったり、見上げたり俯瞰したりして、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
これはきっと、主人公が壊れてしまわぬよう防衛機制が働いたということなのだろう
それでも彼女は、あの日あの庭ですげない返事をしたことを、生涯悔い続けるに違いない
最初から観直してあれこれ確かめたいが、主>>続きを読む
“誰でもない男”の意図がなかなか読めず、シリアスとコメディの中間くらいの雰囲気をどう受け止めればいいのか戸惑った
終盤のボーレガードの語りは少々長すぎると思ったが、オチで笑えたからまぁいいかな
老眼っ>>続きを読む
黙して考え感じるペトルーニャと、語彙の乏しさ極まれりとでも言うような男たちの対比が非常に不愉快であり、かつ痛快でもある
大きく捉えれば、自分を幸せにできるのは自分しかいないということだと思う
甚だしい>>続きを読む
父親に対してあまり負の感情が湧いてこないのは、ケニー・ビーが演じているからか
あの複雑な笑みを見ると、責める気が起きなくなってしまう
彼は“誰にでも過ちはある”と言っていたそうだが、彼にとっての過ちと>>続きを読む
笑っていられたのも最初のうちだけ
どんどん笑えなくなってきて、しまいには涙が滲んできた
おかしな人間がいるのではなく、戦争が人間をおかしくさせる
いや、そもそも戦争を始めるのは人間なのだから、やはり人>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この世には人の心を潤わせるものがいくつもあるが、その中で最も中毒性が高く危険なのは恋愛(性愛)なのだろうか
見捨てられたと思うより、そんな愚かな男だったのかとこちらから見限ってやれば良いものを…と思>>続きを読む
フィツカラルドはなぜそこまでオペラに執着しているのか、モリーはなぜあれほど寛容に彼を受け入れられるのか、わからぬ…というモヤモヤした感情はどこへやら、後半はひたすら呆気にとられていた
じっとりと充満>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
事故直前までの諍いがとてもリアルで、思わずため息が出た
こういう体験をしたことは結果的には良かったのだろう
とても素敵な人だったと心からの言葉で娘に伝えられるのだから
どんな症状?現象?と呼べばいい>>続きを読む
色とデザインが目の保養
多種多様な物に囲まれながらも一番欲しいものだけがそばに無いのが、いかにも現代っぽい
人間関係の終わりは、どうしてこれほど消耗するのか
自分を嫌いにならないためのリセットかもしれ>>続きを読む
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ままごとのようなふたりだな
マノンが最期に遺す言葉たちにもどれくらい本気があるのかと、つい探ってしまう
男が死ぬか女が死ぬか
『嘆きの天使』の方が好きだ
こんな効率の悪いことをするわけがない、という思いはひとまず捨てる
騙し合いのハラハラに加え、あくまで医師であろうとするドイツ軍医、ユダヤ人看護師、ちゃっかり儲ける国境警備員など、ナチかアメリカかでは>>続きを読む
安易な同情や憐れみなど、跳ね返されて粉々になりそうだ
本物の瓦礫や廃墟の無言の主張と、どこまでも身勝手な大人たち
戦争に大人に人間に、ロッセリーニは腹を立てていたのではないだろうか
法も倫理も関係な>>続きを読む
つまらないわけではないのだが、何を考えているのかよくわからない主人公にモヤモヤさせられることの多い展開でちょっとばかり戸惑った
それなのに最後のシーンを観る頃には、これが彼の愛し方なのだと胸の奥を少し>>続きを読む
なんと難しい問題か
誰の立場になるかで大きく考えが変わるのだから
それぞれの発言はどれも正しく思える
「仕方がなかった」「知らなかった」「芸術には価値がある」そんな言葉で済ませることができそうでもある>>続きを読む
マッコールさんにもこんな日が来るとは
悪の中で正義の人殺しを重ねるより善き人々との平穏な時を欲するその気持ちを実に人間らしいとは思うのだが、やはり淋しさも付きまとう
これまで以上に私的な感情が爆発した>>続きを読む
“絆”よりもっとしっくりくる言葉がありそうだが思いつかない
もっと神々しいような、あるいはもっと重く沈むような
何にせよ、あの場にいなかった者には一切共有できないものだろう
真っ白という色がこれほど>>続きを読む
何世代もの血を繋いできたのは女性たちだと
どんな命も愛おしく、それを粗末に扱うことは断じて許さないと
そういうことだろうか
生は自由で死は尊い
だから大らかに育まれ、厳かに送られるべきなのだと
男は>>続きを読む
連続殺人の話なのに軽妙で上品
バリエーション豊かに殺され続けるアレック・ギネスが愉快
常に抜け目がない美しい幼馴染もいい仕事をしていたし、ゴージャスなドレスも素敵だった
品も皮肉も保ちつつ、最後の最後>>続きを読む
自覚していたのに、結局支配される側になってしまった哀れ
コーキーはずっと自分に怯えながらも、ファッツを得たことで解放され安堵していたのかもしれない
ペグの最後のセリフを、どう解釈しようか
映像のインパクトはあるのに終盤の謎解きが駆け足で、しかもほぼ台詞で説明というのが残念
別に難しい話ではないのに、??と思う時間があったのはそのせいか、それとも単に自分がアホなだけなのか
屋敷の女性三>>続きを読む
長回しと見えない音のせいで、常に考えさせられる
だが正解はわからない
ついには人でさえなくなったような男の続きも知りたいとは思わない
ただ、冒頭のシーンが頭から離れないだけ
ゆっくりゆっくり動いていく>>続きを読む
本当の愛を知った男の推進力は誰にも止められない
みんな一緒でみんな幸せ
夢みたいな話だが、とにかくハッピー
愛、愛、愛で溢れてる
鑑賞後はまるでお裾分けをもらったような気分に
すべてはジュリエットの魅>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
リアルの後のファンタジー
いつもならシラけるところだが、アンドレア・ライズボローの熱演もあってか素直に受け入れようと思えた
ろくでなしがとレスリーを切り捨てるのは簡単だし、結局男に頼るのかと落胆する>>続きを読む
アウシュヴィッツで人々にパンと希望を与えた人…というのはわかったが、テディのそれ以外のことはほとんど描かれず、本人像がぼんやりしたままで終わってしまった
同様に子持ちのナチ将校も、どう捉えていいのか迷>>続きを読む
意識はなくとも聴こえていたと思う
母の言葉もヨンジュンの声もスヒョンには伝わっていたと思う
ラストシーンを見てそう考えたのだが、正直なところよくわからない
あまり語らない作風とはいえ、最後の場面に物足>>続きを読む
この中で幸せを見つけなければならないとは
部屋さえあれば解決することと部屋があっても解決しないこと
夫と妻が最後に見せる涙が同じ味だとはとても思えない
女性にとっては不愉快なことしかない105分、か>>続きを読む
思っていたより大人しめだった
これからどんどんクレイジーに…と期待していたのだが、割と常識的な展開でまとまっていた
クマも人間ももっとぶっ飛んでいてもよかったんじゃないだろうか
いくらクマでも致死量>>続きを読む
バトラーだから結果はわかったようなもの
どれだけハラハラドキドキさせられるかが勝負
都合良すぎる部分もあるが、尺も短め、ストーリーもわかりやすいということで気楽に楽しめた
乗客の個性をもう少し見せれば>>続きを読む
天安門事件を知らない若者たちが闘っている
“日本以外ならどこでもいい”と思ったことは一度もない、たぶんこの先もないと断言できそうな自分がそれを見ている
非道な扱いに心を痛め涙を流しながらも、(変わらな>>続きを読む
“楽”と“自由”の人は“ありがとう”を言わない人だった
最初から最後まで汚いと思うシーンばかりでそれ以外の感情はなかなか沸いてこず、しんどい時間だった
彼女が望んだ自由はあれだったのだろうか
確かに>>続きを読む
地味なのに鋭い
散りばめられた大小の皮肉が可笑しいのだが、その可笑しさの裏側にあるものの深さを正確に知ることは難しいと思う
冒頭の大学生との不毛な会話がずっと頭に残っている
通じない人と通じるために>>続きを読む
どんな時も、誰に対しても、待ち続ける
そんな恐ろしく難しいことをやってのける人
神父と彼の家族との関係がとても優しくて、見るたびにぬくもりが沁みてくるようだった
今際の際まで人には愛が必要なのか
命>>続きを読む
どう展開してどんな結末に持っていくのか興味があったのだが、残念なことに驚くほどつまらなかった
可愛いはメッセージを伝えるための手段ではなくただの可愛いで、それ以上でも以下でもなかった
腹立たしさと失望>>続きを読む
昭和っぽい小ネタが満載
当時はさぞかし劇場が沸いたことだろう
しかし令和の今ではさすがに少々退屈
迫力の容姿で女ガンマンを演じたジェーン・ラッセルの身のこなしがもたついていたのも気になってしまった
ま>>続きを読む
冒頭、川を往く船をじっと見つめながら、自分が既に作品の世界に入り込んでいることを知る
そして何の違和感もなく時空を飛び越え、森で一緒にキノコを探しているのだった
この時代に腕力で生きない男を描き、優>>続きを読む