いくたろさんの映画レビュー・感想・評価

いくたろ

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恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.6

内気な女性が新アトラクションに恋をした。真夜中の遊園地で育まれていくファンタジックな恋の行方。「誰からも理解されない」と苦悩する彼女と、案の定理解しようとしない周囲と。奇抜な設定ながら、変に茶化してい>>続きを読む

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

3.5

フランスの田舎町を舞台にした二人のオッサンの会話劇。老境に差し掛かって再会したかつての幼なじみが、画家と庭師という立場で再び友情を育んでいく。日差しを浴びて輝く菜園の緑色が印象的。それぞれの人生を紛れ>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.4

子供番組の名司会者と雑誌記者と。取材するはずが逆に内面を見透かされたことから始まる二人の交流を描いていく。日々を穏やかに過ごす秘訣とは。番組と現実とがシームレスに行き来する演出が独特で、司会者の聖人の>>続きを読む

スリーパーズ(1996年製作の映画)

3.8

少年院での日々が彼らの絆を強固なものにする。少年たちが負った心の深い傷と誰にも打ち明けられない秘密と。14年後、時は訪れる。豪華キャストだが、K.ベーコン以外の看守の存在感が弱いのいろいろともったいな>>続きを読む

八つ墓村(1977年製作の映画)

3.5

亡き母の故郷を訪れることになった青年が奇妙な連続殺人事件に巻き込まれていく。彼の出生の秘密と、28年前の凄惨な事件と、村に伝わる落武者の伝承と。推理モノの要素を大胆に削ぎ落とし、金田一に金田一させてな>>続きを読む

アンコール!!(2012年製作の映画)

3.5

歌うことが生き甲斐の病弱な婆さんと、頑固で偏屈だけど献身的に彼女を介護する爺さんと。高齢者合唱クラブを舞台に、長年連れ添ってきた夫婦の愛を笑いを交えながら描いていく。想いを込めて力の限り歌い上げられる>>続きを読む

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.7

容姿に自信がない女性が、頭を打ったことで類稀なる容姿を手に入れたと思い込んでしまうお話。何ひとつ変わっていないのにポジティブさ全開で仕事に恋に突き進む彼女が可笑しくてキュート。心の持ちようで世界は変わ>>続きを読む

笑う故郷(2016年製作の映画)

3.6

故郷の田舎町から名誉市民の称号を贈られることになった偏屈なノーベル賞作家が40年ぶりに帰郷するお話。彼にとってそこは故郷でも、住民にとって彼はよそ者でしかない。その食い違いが生み出す不穏な空気が、彼の>>続きを読む

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)

3.5

外の世界へと飛び出した孤児院育ちの青年の成長と自我の確立と。彼の「旅立ち」というよりは「漂流」を描いている印象。父親代わりの院長のルールに縛られない型破りなところが可笑しかったが、逆に主人公を縛りつけ>>続きを読む

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

2.8

夫に先立たれたひとり暮らしの婆さんの心の内側。孤独だけれど自由で、寂しいけれどどこか賑やかな日常を淡々と、ところどころ奇抜に描いていく。心の声だけ東北弁になるという設定が良くて、それが独特の空気感を生>>続きを読む

知らなすぎた男(1998年製作の映画)

3.5

それは体験型演劇ゲームのはずだった。平凡な男がなぜか国家的陰謀に巻き込まれてしまうのだが、本人はゲームだと信じて疑わないというお話。B.マーレイの魅力全開のスパイコメディ。噛み合わない虚構と現実と。そ>>続きを読む

ショータイム!(2022年製作の映画)

3.0

農場でキャバレーを開業することを思いついた崖っぷちの酪農家。早速納屋を改造して、ダンサーをスカウトするのだが。ほのぼのとした作品だが、キャラの濃い登場人物をやや持て余している気がしなくもなく。もっとコ>>続きを読む

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

3.0

人気イタリアンレストラン。オーナーの父とシェフの息子との関係を軸に、個性的なスタッフとクセの強い客。そして二人組のギャングが織りなす一夜の出来事。テンポ良くスタイリッシュな群像劇。全体的に薄味に思えた>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.1

夏の甲子園。連れてこられた応援席で、母校の熱戦をどこか冷めた眼差しで眺めている生徒たちの会話劇。思い通りにいかない青春の残酷さ。打ちひしがれた心に火をつけたものとは。一番輝いているはずの選手たちを映さ>>続きを読む

これが私の人生設計(2014年製作の映画)

3.1

海外で活躍していた建築家が故郷のイタリアに帰る。彼女を待っていたのはガチガチの男社会だった。仕事が欲しい一心で彼女が咄嗟についた嘘。キャラの濃い登場人物でぐいぐい押してくるゆるいコメディ作品。自分らし>>続きを読む

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.8

演劇を通じて心を通わせていくベテラン俳優と囚人たちと。自由の中の不自由と。不自由の中の自由と。全てが一瞬で台無しになることもあれば、最悪が最高に転じることもある。それが人生なのかも。万雷の拍手を耳にし>>続きを読む

メジャーリーグ(1989年製作の映画)

4.0

球団のフロリダ移転を目論む新オーナーが観客動員を減らすべくポンコツ選手を集めてきてチームを弱体化させるのだが。クセの強い選手たちが奮闘する王道的な野球映画。スタジアムを埋め尽くした観衆が“Wild T>>続きを読む

猟奇的な彼女(2001年製作の映画)

3.7

駅で泥酔した女性を介抱したところから始まる「災難」のような恋物語。前半のノリはやや苦手だけれど、伝統的な男女観を突き破っていく感じは痛快だった。服従しているようでいて底抜けの優しさで包み込んでいる。そ>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.0

同級生と過ごす夏の終わり。少年が初めて「女性」を意識する瞬間を描いた作品。心も身体も、男子より女子が一歩先を行く時期の小学生たちの姿がどこか懐かしく感じられる。なにより奥菜恵がキラキラに輝いていて、麻>>続きを読む

男と女(1966年製作の映画)

3.3

ともにパートナーに先立たれ、独りで子育てをする男女が出会って心惹かれあっていくお話。華やかな世界に身をおく大人な二人のどこか初々しくもある恋の行方を独特の語り口で描いていく。甘くて悩ましげな「ダバダバ>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.7

叔父と一緒に暮らす7歳の少女。早世した母親から「資質」を受け継いでいた彼女の親権を求めて、ずっと疎遠だった婆さんがひょっこり訪ねてくる。天才数学一家のホームドラマ。互いに挫折を経験しているからこそ彼女>>続きを読む

ハート・オブ・ウーマン(2000年製作の映画)

3.0

女性観の歪んだプレイボーイなオッサンが、風呂場で感電したことで女性の心の声が聞こえるようになってしまうお話。心の声がやや表面的な気がしなくもないけれど、M.ギブソンのあたふたする様子が可笑しい。相手を>>続きを読む

人生は、時々晴れ(2002年製作の映画)

3.0

ロンドン郊外の団地を舞台に、いつの間にか壊れてしまっていた家族の日常を淡々と描いていく。生きていくのに精一杯だから気付かない。不器用だから伝えられない。そんなすれ違いの積み重ねがそれぞれの心を枯渇させ>>続きを読む

八日目(1996年製作の映画)

3.5

最愛の子供たちと会えなくなった男と、母親に会いたくて施設を抜け出したダウン症の青年と。孤独な二人に芽生えた友情をファンタジーのエッセンスを織り交ぜながら描いていく。雨の中の再会、二人だけの一分間、浜辺>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.2

スクリーンに登場した怪物を実在すると思い込んでしまった幼い少女のお話。正直よく分からなかったが、子役アナ・トレントの不思議な魅力に惹きつけられた。「秘密」を持つことで少しだけ大人に近づいていく。弱々し>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.5

ゴミ捨て場のサーフボードが夏を連れてくる。サーフィンに熱中していく彼と、寄り添う彼女と。耳の不自由な男女のひと夏の出来事。二人だけの世界が拡がっていく様子を静かに淡々と描いていく。ひときわ静かな夏の終>>続きを読む

縁路はるばる(2021年製作の映画)

3.0

奥手な青年が続けざまに魅力的な女性とめぐりあう。しかし、彼女たちはみんな遠方に住んでいた。ゆるい恋活コメディながら、大陸の影響力が高まる香港の世相をやんわりと紛れ込ませていて、どこか気骨さも感じられる>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.9

声を失った清掃員と、水槽に閉じ込められた奇怪な生物と。米ソ冷戦下の極秘研究施設で孤独な魂が惹かれあっていく。言葉に依らないからこそ純粋で美しい愛の形。権威主義に囚われた「男らしさ」が放つ醜さが、その美>>続きを読む

ぷりてぃ・ウーマン(2002年製作の映画)

3.2

ふとした思いつきが老いた心に火をつけた。演劇をすることになった仲良し婆さん7人組が初舞台を踏むまで。平均年齢69歳の青春物語。いろいろ引っ掛かるところもあるけれど、悪戦苦闘しながらも生き生きと芝居に打>>続きを読む

赤ちゃんはトップレディがお好き(1987年製作の映画)

3.3

成功だけを夢見て仕事一筋に邁進してきたバリバリのキャリアウーマンが、いとこ夫婦の忘れ形見の赤ちゃんを引き取るお話。芽生えた母性が教えてくれた「成功」の意味とは。慣れない育児にてんてこ舞いなD.キートン>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

大物プロデューサーが殺されたところから始まる奇妙なサクセスストーリー。売れない女優と駆け出しの弁護士と。家賃滞納中の二人が「演じる」ことで抑圧的な時代を切り拓いていく様子が痛快。終盤、物語を掻き回す往>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.3

セレブ暮らしながらスランプで塞ぎ込みがちなオペラ作曲家が、精神科医の妻に薦められて愛犬と一緒にあてもなく街に出る。都会の片隅で人知れず燻っていた悩みや苦しみが集約され、オペラへと昇華されていく。誰だっ>>続きを読む

パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.5

人柄はいいけれど失業寸前の運転手が、繊細ゆえに人付き合いの苦手な調香師に雇われる話。匂いと匂いとを調合して香水になるように、躓きを経験した二つの人生が混ざり合っていく。主役の二人が魅力的で、とりわけ調>>続きを読む

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