午後さんの映画レビュー・感想・評価

午後

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SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー(2016年製作の映画)

3.0

インタビューに答えている人々が今でもシドのことが大好きなんだってことがひしひしと伝わってきた。そして自己顕示欲の塊として、みんなから嫌われているナンシーが少し可哀想に思えた。少なくともナンシーはある時>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

車の来ない夜の道路で寝っ転がって信号が移り変わるのをじっと見ているシーンとか、少し波が荒い海辺ではしゃぎながら前世の話をするところとか、2人が楽しそうで良かった。そして何より、2人はびっくりするほどた>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

フランコ政権下のある小さな村に、移動映画館がやってくる。そんな不思議に牧歌的な情景から始まり、次第にどんなことでも起こり得る映画になっていく。その得体の知れなさがただただ印象に残った。アナ・トレントの>>続きを読む

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

昔、人間は二人で一つだった。男と男、女と女、男と女。顔が二つあるから、話しながら読むこともできた。巨きな4本の足で地上を歩き回った。欠けるところのない自分の姿に満足しながら、おそらくふたつの顔で同時に>>続きを読む

ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

5.0

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2016/11/10
胸糞悪いしさみしいしくやしいし、精神衛生上よくない映画。
僕が知る限り、この世界で最も寂しい映画。

2024/04/28
この映画を初めて観た時、嫌いな自分がなりたい自分の、な
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ヒロシマ・ナガサキに対して目を背けるためだけにこの長さ?
フローレンス・ピューが出てくるシーンは良かった。トリニティ実験の名称は、ジーンが彼に教えたジョン・ダンの詩の一節から取られたらしい。騎乗位の最
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

旧友と再会することになって、重苦しい曇り空ではあったが、お利口な犬も連れて、森でキャンプをすることに決めた。君が夢に出てきたんだと言っていた。
車中、目を細めて俯きながら、話をする。70歳を過ぎて結婚
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おっぱいロケットガール(2023年製作の映画)

-

胸部におっぱいロケットが装備してあるアンドロイドが主人公で、すべてのおっぱいロケットを撃ち尽くしてしまうと彼女は死んでしまう、というお話。虚無。

あこがれ(1958年製作の映画)

3.5

スカートを風に靡かせながら颯爽と自転車を漕ぐベルナデットの姿ばかりが目に焼きついた。少年達の張ち切れんばかりの活発な動作や、望んでも届かないあこがれに対する素朴な憎しみ。そして少年たちは無益な復讐を企>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 自殺した成人女性の遺体にその腹の中の胎児の脳を移植されて誕生した、現代のフランケンシュタイン兼メアリー・シェリーであるベラが、薬品の匂いと人体解剖でいっぱいの箱庭だけでは満足できなくなり、閉じ込めら>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

4.0

リュミエール兄弟のシネマトグラフのうち、108本に解説と音楽をつけたもの。固定カメラの50秒の映像であるが、構図やモチーフの面白さによって、巻き戻して繰り返し観てしまうものもあった。工場の出口、赤ん坊>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.5

出来立ての高速道路の色彩の鮮やかさが印象に残った。逃避行と言えば聞こえはいいが、実際には警察に見つからないようにずっと同じモーテルの中にいて、たまにコインランドリーで洗濯物を盗んだり、親のレコードを売>>続きを読む

666号室(1982年製作の映画)

3.4

空港へと向かう高速道路の傍らに、必ず見える一本の巨きな木が植えてあって、そこから一本の映画が作られることがある。

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.5

肉屋のおじさんの働きぶり、包丁さばきだけでもずっと眺めていたくなる。非日常的な手品ショーよりも、1日に何度も繰り返される、身体に染み付いた動作の方が面白く見える。

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.9

治安の悪さと住民の危機管理意識がまったく比例していない。

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

噂に違わぬホラー映画の傑作。社会生活は愛を破壊する。

どこにでもあるありふれた花の名前を、絹ちゃんが麦くんに教えなかったのは、これから先ずっと、いつか別れてしまった後でも、マーガレットを目にするたび
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デビルズ・メタル(2015年製作の映画)

3.5

エンドロールを見てたら、"Blood Vomitters"が7人もいて、よく集めたなと思った。

ザ・メタルイヤーズ(1988年製作の映画)

5.0

メタルがイケてる音楽だった時代のドキュメンタリー。隔世の感がある。メガデスが一番格好良い。
コップにジュースを注ごうとするもほとんど溢しているオジーが超キュート。みんな自信満々で良い。

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

4.0

潮風にはためく洗濯物や、分岐する線路の上を歩いて行く男を俯瞰気味に捉えたショットがめちゃくちゃ良い。老いていく愛に狼狽えながら、何もない漁村を話し合いながら歩き回り、ずっと別々の方向を向いていた夫婦が>>続きを読む

ホームドラマ(1998年製作の映画)

5.0

パパが買ってきた白ネズミが家庭内の超自我を食い荒らすお話。テンポが良くて面白い。

恋人たち(1958年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「わたし幸せよ とっても幸せ 一生幸せだったみたい」

グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

3.0

ドランの作品制作における音楽の位置付けを知ることができてよかった。『トム・アット・ザ・ファーム』における画面比率の切り替えが気になっていたが、それは登場人物の心情に寄り添っていて、緊迫感のあるシーンで>>続きを読む

パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

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人間からそんなに良い匂いってするんだろうか?
天才的な嗅覚を持つ孤児の、なろう系みたいなストーリーで、嗅覚だけを頼りに香水を調合してしまうシーンにはわくわくした。彼は殺人にも天才的な才能があると思う。
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

5.0

ドランの卑屈な笑顔が大好き。10月のトウモロコシはナイフらしいよ。

アドレノクロム(2017年製作の映画)

3.0

ヤク中の小学生集団が作ったかのような支離滅裂なトリップムービー。面白くないし、完成度は高くないが、みんなではしゃぎながら作ったんだろうなという楽しさは伝わってくる。戦争のトラウマ、ドラッグ、猟奇殺人、>>続きを読む

8人の女たち(2002年製作の映画)

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生意気そうなリディヴィーヌ・サニエ、ヴィルジニー・ルドワイヤンのピンクのお洋服、不敵なエマニュエル・べアール、イザベル・ユペールの変身シーン、みんな可愛かった。50年代ディオールの“ニュールック”をモ>>続きを読む

スイミング・プール(2003年製作の映画)

4.0

ジュリーの日記、焼却され、出版されることのなかった不出来なテキスト。エクリチュールがエクリチュールを生む。中年の危機、冷たい血のような悪意、疑惑の影、窃視の感覚。南仏リュベロンの白い陽光、青い部屋、象>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

4.5

ジュークボックスからCanned Heatの"On the Road Again"が流れ、その隣でアイスを舐めている少年がそれを拙く口ずさむシーンが良過ぎる。

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.5

愛についての意見を語り合い、それらが交わらないことだけが明らかになるシーンが洒落ている。嫉妬をするピエールに対して、マリオンが「嫉妬をしないなら、あなたのことが好き」とたしなめるのが残酷過ぎる。従姉妹>>続きを読む

三十九夜(1935年製作の映画)

4.5

冒頭のミュージック・ホールのユーモアたっぷりの記憶屋のパフォーマンスから、場内での突然の発砲、それによるパニック、謎の女との出会いと、それを発端に始まる無実の逃走劇と、とてもテンポ良く話が転がっていく>>続きを読む

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