このレビューはネタバレを含みます
どこの国でも法律に違反する行為をすれば犯罪となる。
しかし世の中には法に触れない範囲で犯罪的な行為をする者もいる。
もしそうした悪意を持った者から誰かを助けようとして犯罪を働いたとすれば、それは本当に>>続きを読む
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クリストファー・ノーランの名を初めて認識したのがこの作品だったと思う。
今でこそ時間と空間の概念を覆すような、人類の一歩先を進んだ作品を作り続けることで評価を確立しているノーランだが、既に初期の段階で>>続きを読む
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実際に起こった八海事件を冤罪として告発した弁護士正木ひろしの原作を元に作り上げた作品で、当時まだこの事件は係争中であった為に相当物議を醸したという。
国家がその気になれば、個人の命など簡単に奪えるとい>>続きを読む
時代が違えばきっと成就したであろう哀しい男女の恋物語。そして三郎の繊細な心はこの戦争の最中には認められるものではなかった。おそらく三郎に渇を入れる兄の二郎にしても、父親にしても、時代に流された人間のひ>>続きを読む
エーゲ海に向かう豪華客船でバトラーを務める冲方優。
その丁寧な物腰はバトラーの鏡のようでもあるが、船長の矢淵が彼に求めるのは避雷針としての役割のみ。
そう、冲方は「申し訳ございません」と客に謝り続ける>>続きを読む
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小説家で独身の槙生は、事故で両親を亡くした親戚の朝を勢いで引き取ることになる。
「あなたを愛せるかどうかは分からない。でも私は決してあなたを踏みにじらせない。」
慎生は朝の母親である姉の実里のことを死>>続きを読む
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アーミッシュとはドイツ系の移民集団で、移民当時の農耕や牧畜の自給自足の生活スタイルを現在も維持し続けている人々であるらしい。
原則として電気を使わず、移動には車ではなく馬車を使う。
この物語はそんなペ>>続きを読む
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改めて映画はその時代を写す鏡だと思った。正直、今の常識からすると完全にアウトな表現も多く、コンプライアンスに引っ掛かることは間違いない。
しかしこの作品には生きることの根本的というか、原始的な衝動や欲>>続きを読む
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この作品の撮影時、ドニ・ラヴァンはいくつだったのだろうか。
人を惹きつける衝動的な熱を帯びた激しいダンス、そして訓練シーンでの驚くべき身体能力の高さ。
やはり彼は語らずとも身体で物語る役者なのだ。
た>>続きを読む
学生の時に観てレトロでありながらどこか近未来を想わせる世界観や、色彩の豊かさに陶酔した作品。
ジャン・ジャック・ベネックス35歳の時の初長編作品ということで、今観返すとやや粗っぽさもあるけれど、新しい>>続きを読む
グロテスクな世界観の中にある何とも言えない可愛らしさがジュネ監督作品の魅力だ。
核戦争の後、食糧危機に陥った世界で罠を仕掛けて人肉を調達する肉屋の主人。
設定だけを考えればとても物騒で恐ろしい。
が、>>続きを読む
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一筋縄ではいかない作品である。
一見すると環境問題をテーマにした作品なのかと思うが、流出する汚染物質はあくまで映画の一要素でしかない。
とにかく不条理で理解しにくい作品だ。日常会話も哲学じみており、起>>続きを読む
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遠景を多用したカメラワークに、レトロでありポップな色使い、まるでお伽噺のようなセット、コミカルな演出の中に突如グロテスクな描写が入る独特な世界観が面白い。
グランドブダペストホテルのコンシェルジュであ>>続きを読む
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世界名作劇場でかつて観た『愛の若草物語』を思い出しながら鑑賞した。物語は四姉妹がそれぞれの道を歩み、離ればなれになったところからスタートする。
長女のメグはジョンと結婚して二人の子供がいる。姉とは対称>>続きを読む
原題は『メアリー スコットの女王』であるように、これはメアリー・スチュワートの物語だった。美しく自由で信念を曲げない意志の強さを持ったスコットランドの女王、そして男たちの陰謀により破滅の道を辿ることに>>続きを読む
NETFLIX配信の『セーヌ川の水面の下』を観て、これもまた異常なサメの物語なのだと改めて実感。
そして人類が生まれる遥か前には、こんな巨大なサメが存在したのだと思うと恐怖を感じる。
深海で生き続けて>>続きを読む
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麻薬取引の決裂により銃撃戦が行われた現場に出くわし、トランクに入れられた大金を持ち去ったために、殺し屋から執拗に追われる羽目になった哀れな男モス。
シンプルなストーリーながら、とにかく見せ方が巧みで最>>続きを読む
強烈な悪意は日常の至るところに潜んでいる。
栃木の田舎でパン屋を営む榛村大和は、多くの人に親しまれる好人物だと思われていたが、実は10代後半の男女を狙って凄惨な殺人を繰り返していた。
大和は典型的なサ>>続きを読む
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人間どこで足を踏み外し泥沼にはまるか分かったものではない。そして、一度はまってしまうと抜け出すことは不可能に近い。
ちょっとした誤算が大きな計画の狂いになり、やがて渦を巻くように沢山の人間を飲み込んで>>続きを読む
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ブラック企業に勤めるトモヨが、営業の外回り中に親友のマリコが自殺したニュースを知る場面から物語は始まる。
トモヨはすぐにマリコにLINEでメッセージを送るが、もちろん返信はない。
二人は頻繁に会ってい>>続きを読む
高良健吾が横道世之介という人物像にぴったりはまっていて、一歩間違えれば気味の悪い青年だけど、純情でまっすぐで一生懸命で友達想いの何とも憎めない役柄がとても良かった。吉高由里子演じる祥子もかなり奇抜なキ>>続きを読む
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冒頭、快晴の空を舞う一枚の白い羽が、汚れたスニーカーを履いた一人の青年の足下に落ちる。普通なら見向きもされないこの羽を、青年は丁寧に鞄から出した絵本の間に挟む。
この作品の主人公フォレスト・ガンプに興>>続きを読む
鬱病を患っているエヴァンはセラピストからの課題で一日に一度、自分宛に「ディア・エヴァン」で始まる自分を励ますための手紙を書いていた。
エヴァンはどうやら木登りから落ちたらしく、腕をギプスで固定していた>>続きを読む
映画はある服役中の男がCIAの工作員にスカウトされる場面から始まる。
詳細は不明だが男はかなり残忍な手口で殺人を犯したらしい。しかし彼をスカウトしたCIAのフィッツロイは彼の正当性を支持するような発言>>続きを読む
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サメ映画の金字塔『ジョーズ』があまりにも完璧過ぎるサメの見せ方を提示したために、それ以降に作られたサメ映画はとにかく設定で勝負するしかなくなった。
『ディープ・ブルー』は知能が高い。『MEGザ・モンス>>続きを読む
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トイレに閉じ込められるという最低な状況から始まる恋もあるのだと思った。
もっともお互いに恥ずかしいところを見せ合ったからこそ、信頼が生まれたのかもしれないが。
何ともコメディな幕開けだが、実は明るいの>>続きを読む
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人は全く自分が認知していないところで、他人に助けられていることが結構あるのかもしれない。
舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツ。
主に四人の人間のそれぞれの思惑が交錯し、まさに運命の悪戯としか形容の出来>>続きを読む
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小津監督独特の台詞の言い回しとテンポ感は決してリアルな人間の会話ではないのだが、それが不思議と現実感のある日常をうまく演出している。
「ああ、いや、どうも」の会話だけで、画面に引きつけられるこの小津作>>続きを読む
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他の黒澤明監督の作品に比べると地味な印象はあるものの、やはりこの人の作り出す人間ドラマは面白い。
戦時中に野戦病院で軍医として働いていた恭二は、中田という兵士の手術中にうっかりと指を切ってしまう。
中>>続きを読む
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結婚して5年目、そして東京から大阪へ移り住んで3年目の初之輔と三千代夫婦は倦怠期を迎えていた。
初之輔が三千代に発する言葉は「腹が減った。飯はまだか」ぐらいのもの。
周囲の反対を押し切り、大恋愛の末の>>続きを読む
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寅さんの夢の中では大体さくらは可憐で献身的。おいちゃん、おばちゃん、博はうだつが上がらない。
そしてタコ社長と源公は悪者扱い。
寅さんが無意識に彼らをどのように捉えているのかが分かって面白い。
時代劇>>続きを読む
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毎回このシリーズは寅さんの夢オチで始まるが、いつも何の繋がりがあるのだろうと考えさせられてしまう。
もちろん本編に海賊は一切登場しない。
さて、今回登場するリリーが他のシリーズのマドンナと違うのは、彼>>続きを読む
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毎回フラッと柴又に戻ってきた寅さんが恋をし、失恋してまた旅へと出ていく。このパターンは変わらないのに、このシリーズはどの作品も味があって面白い。
人物描写の豊かさも然ることながら、軽妙な中にもしっかり>>続きを読む
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「愚かではないが、弱いんだ。弱いから差別をする」
明治37年の信州。政府により身分制度が廃止されてから30年の時が流れているのにも関わらず、今までの慣習を引き継ぐように人々は部落出身者を目に見える形で>>続きを読む
人間にとって孤独であることが一番辛いという。
高校生の志乃ちゃんは人前に立つとどもってしまい、上手く話すことが出来ない。
自然とクラスでは友達が出来ずに孤立してしまう。
そんな彼女が同じように孤独な心>>続きを読む
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1999年、サムレという町のスーパーで強盗事件が発生。
近所に住む三人の少年が逮捕され、事件は解決したかに見えた。
17年後の2016年、サムネの警察署にに定年間近のファンが戻って来る。
かつては狂犬>>続きを読む