黒旗さんの映画レビュー・感想・評価

黒旗

黒旗

映画(1978)
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.4

無法者が堂々と跋扈している世界観は、下手な近未来を描くよりも共感を得られるだろう。ストーリーの下地は王道西部劇のようでもあるが、それだけに理解が容易い主人公の感情とその高揚にスピード感を追求した撮影、>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

3.5

結末をスッパリ忘れていて幸運だった。一度目は末恐ろしい子役が出てきたものだ、と思ったはず。秘密を打ち明けるシーンが巧い。トニ・コレットさんこの頃から…。彼女が車のシートで泣きだす演技も良い。ゴーストの>>続きを読む

抱擁のかけら(2009年製作の映画)

3.3

恥ずかしいことに息子が本当の父親を知る母子の会話までずっと3人は普通に家族と思っていたので、なんてさばけたできた奥さんだ!なんて理想的な親子関係だ!スペインだからか映画人だからか?となっていた。砂浜で>>続きを読む

イーストウィックの魔女たち(1987年製作の映画)

3.1

特に自覚してる様子もないし魔女というより願望達成能力の高い人たちということでいいんだな?オレにも少しは有るがいつも肝心なとこで発動しない。チェリーがしばらく食えなくなったかも知れないので怪演とジョン・>>続きを読む

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー(1998年製作の映画)

3.2

主演のキャラクターを活かしたシナリオはやや出来すぎの感もあるが、崇高な意志を貫いた実在の人物に最大限の賛辞を贈りたい。脚色の無いストーリーも知ってみたい。最近になって通院を余儀なくされたので医療倫理の>>続きを読む

ダーティファイター/燃えよ鉄拳(1980年製作の映画)

3.0

スタントで名を馳せた人でなく、観る者へ伝えるための緩急を心得たそこそこの監督が撮っていればどうだったかな。と、つくづく思ってしまう。よく書けた脚本だし少しもつまらなくはない。名作と言う人もいるかも知れ>>続きを読む

デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日(2021年製作の映画)

2.9

フィンランドのNATO加盟はまだ記憶に新しい。その直前にロシアを後ろ盾にした反対派が起こすテロという本筋。「勝利も敗戦もない国」は、この国の歴史と国際的立ち位置をよく示した言葉。官邸ではなく宮廷、賓客>>続きを読む

墓石と決闘(1967年製作の映画)

3.3

作品の評価、印象は本作10年前の「OK牧場の決闘」が必ず影響してしまうだろう。続編とも言うべきアープとドクのその後のストーリー。俳優は変わっているが二人の関係性とキャラクター、特にドク・ホリデイにスタ>>続きを読む

ベスト・キッド(1984年製作の映画)

2.8

母子家庭の少年と厳しくもやさしい老師かー。いま観ると正直B級という気がしてしまい寝落ちも。コブラ会の連中とは体格差が現実的に思えないし。子ども時代に鑑賞した人、すまんー。ポケモン映画で泣ける人なんだが>>続きを読む

海上48hours ―悪夢のバカンス―(2022年製作の映画)

2.4

サメ映画はどうして廃れないのだろう。続々と作られるのだろう。定期的に観たくなる人を作り手も想定しているのかも知れない。傷口の特殊メイクやCG、ドローン空撮等で映像のできは良い。サッメさまの今回の食材は>>続きを読む

途中のページが抜けている(2012年製作の映画)

3.5

ウソのようなホントの話、だろうか。開幕からクリケットまでは挫折レベルかと思っていた。主人公の記憶喪失が事実と、友人たちが気づいていく描写がウケまくる。漫画ならガーーンとか稲妻が走るやつか。音遣いも良い>>続きを読む

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)

3.3

曲に必要な音域が出せるから歌っているのだろうが、上り詰める旋律の次の最も高い声は出るのか聴かせてくれるのか。そんな疑念が打ち消された瞬間、目の前の奇跡を見たかのようにえもいわれぬ気持ちにされる。ボーイ>>続きを読む

シービスケット(2003年製作の映画)

3.6

ギャンブルのため、あまり意識したことなかったが競技者にとっては戦略も必要な純粋にレースなんだなと思った。その描写が美しく素晴らしい。原作に沿い、伝説の馬と男たちがチームとなっていくまでを描き、マッチレ>>続きを読む

始皇帝暗殺(1998年製作の映画)

3.5

敵国の要人を捕虜とすることで諸国の均衡が保たれていた戦国時代。それぞれの祖国を持つ3人の関係をもっと出して良かったんじゃないかと。だが暗殺者・荊軻の視点も入れたかった。そのバランスにジレンマはあったと>>続きを読む

西部無法伝(1971年製作の映画)

3.5

別のものを期待させる邦題。まあ原題も物議を醸しそうだが…。人種の壁を意に介さず友情を築く二人。奴隷制を逆手に取り、主従を装って詐欺を働く様は愉快だが、この時代に力強く前向きな生き方でもあると思った。>>続きを読む

ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

3.0

「24」のヒーローも、役柄を譲り渡したか。パインさんは野性味と知性を合わせ持つ印象。大きく切れ長で青い瞳の双眸。鍛え上げた身体で軍人役は十八番だろう。手抜き感のあるシナリオだったが彼を好きなら問題ない>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

人生あるあるというか恋愛したら必ずハマるやつというか、今まさにそこら中で起こってる退屈な話という気もしたが、目が離せなくなっていった。主演に見とれていただけかも知れない。人にもよるが、相手の数だけ後悔>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.8

可愛い盛りの子を亡くした夫婦の思いが何かの力として働いたのだな、自分なら展開をどうするだろうこのまま不思議系でいくかホラーにしてしまうか社会派もアリだなと色々考えながら観ていたが、なぜそうなるという結>>続きを読む

デビル(1997年製作の映画)

3.2

少しお歳を召し過ぎだがフォードさんはハマリ役、ブラピさんもこの年齢での魅力が活かされていてラストはそれなりにくるものがある。二大スターの恩恵はかなり大きい。IRAは単に暴力やテロ脅威の象徴として娯楽作>>続きを読む

ピアニスト(2001年製作の映画)

2.8

クラシック愛好家にド変態がいても驚きはしない。主演女優に男性作者の願望タイプをいくつか演じさせたに過ぎない作品に映った。他作に触発されているのかも知れない。ピアノが壊れんばかりに弾かないと表せない楽曲>>続きを読む

ヒトラーの死体を奪え!(2022年製作の映画)

2.3

ソ連もドイツもみんな英語なのがまずダメ。画の構図はあまり考えてない撮影、別々の固定視点で撮った映像を長く使っちゃってるとことかダサい。シナリオや台詞は及第点な気がするし、題材はこういうの好きな人ぜった>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.5

銃規制を訴える作品でもあるが、心と知能の発達を妨げられた人物が日常に居続けた結果起こった惨劇でもあり、本質を考えると悩ましい。武器を用立てるような財力と結びつくケースは稀と、横に置かれ易い懸念もある。>>続きを読む

スノータウン(2011年製作の映画)

3.1

意図的に改編されたストーリーにも思えてしまったが、きっとこれが生の現実なのだ。司法の介入なく一般人が世直しヴィジランテを気取ったら、暴走を止められる者はいない。米国議会議事堂の襲撃を思い出す。蚊帳の外>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

2.5

本作に魅力を感じる自分ではなかった。愛情に飢えた主人公なら少女期の描写が足りないし、何が何でも息子の代わりを欲する父親も、もっと前半から平行して描けばどうだったかと思った。扇情的・衝撃的なエロと暴力に>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.2

主人公の、というより人々の中に当時在った宗教の捉え方に恐怖に近いものを感じる。神への求道は痛みを伴うとか、彼女が権力を手にした偽りの聖痕が成立してしまうことも。都合よく人に作られた制度が浸透し、その影>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.5

日本文化への忖度?皮肉?ぽい面もあるが、これは良いものだ。作りに「スナッチ」ぽさが漂い、ブラピさん演じる役もミッキーの後日譚のようだった。笑える低脳気質が満載の中で、やっぱレモン&みかんがお気に入りだ>>続きを読む

ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

3.1

万人向け娯楽大作を目指したのだろう。JFKを当日に護衛してた人たちのその後はたしかに興味を惹かれる。妻子に出て行かれた主人公の描かれ方は、正直ちょっと気に入らない。ロマンス要らないと思ったがラストシー>>続きを読む

夕陽に立つ保安官(1968年製作の映画)

3.2

めちゃ強引な主人公とストーリーだが「地平線から来た男」より完成度が高い気がする。ジャック・イーラムさんは「キャノンボール」のドクター役をよく覚えていたが、愛されキャラだっただろうなー

ホット・シート(2022年製作の映画)

2.2

ギブソンさんである必要性もなく、作中の存在は完全に客寄せパンダ。ケヴィン・ディロンさんもよく演ってるが、ライターが台詞考えて悦に入ってるような犯人像はもう正直うんざり。

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.0

まず主演の演技はいい。作品は…えっざる蕎麦頼んだだけなのに刺身ついてきちゃったけどいいのこれあっコーヒーと白玉ぜんざいまで的な、劇中のセンス良いファッション小物とは真逆のもてなしの手を緩めない村おこし>>続きを読む

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

2.9

初めから主演俳優を想定して書かれた脚本のように感じた。まあニーソンさんにはいつまでも一線で活躍しててほしいが、ちょっと狙い過ぎかも。物語の詳細も省き過ぎてる気がする。ピアースさん役に合ってたが名前見る>>続きを読む

モロッコ慕情(1951年製作の映画)

3.1

どんなエセブランカなんだ?と期待もしなかったが悪くはなかった。1925年、フランス占領下ダマスカス。モロッコ関係ねぇーっ!邦題は罪深い。まあ一人の女性を巡っての三角関係とボガートさんの佇まいは共通項か>>続きを読む

ユー・ガット・メール(1998年製作の映画)

3.3

メグ・ライアンさんの可愛らしさ、という点で個人的にベスト。髪型もいい。日常を忘れさせてくれるメール相手の正体を知ったハンクスさんの心の動きは、脚本の優れた部分。そして何の計算もない無垢な純真さは無敵で>>続きを読む

太平洋航空作戦(1951年製作の映画)

2.9

使用されている実録フィルムとほぼ変わらぬ劣化した画質で鑑賞。戦闘機乗りに対する優しさが災いして司令官に選ばれなかったライアンさんと、無情な判断の裏で犠牲に心痛めるウェインさんのドラマが本流だったと思う>>続きを読む

ヴォイジャー(2021年製作の映画)

2.8

宇宙船に乗り数世代かけて移住可能な惑星を見つけにいく。どっかで聞いた話。滑り出し、途中までは良かったが、展開に致命的な欠陥があると思う。予算なくてエイリアン作れなかったとかじゃないよね?その他大勢の扱>>続きを読む

ガス燈(1944年製作の映画)

3.7

階下の人とタイミングが重なってしまうと温水器シャワーの流量が細くなってしまう時期があった。灯りをガスで賄っていた英国の時代。白黒の映像含め王道・正統派ミステリー感。雰囲気サイコー。若かりし頃のジェシカ>>続きを読む