2級ハカセさんの映画レビュー・感想・評価

2級ハカセ

2級ハカセ

映画(89)
ドラマ(0)
アニメ(0)

関心領域(2023年製作の映画)

3.8

かなりの高評価で各映画祭でも音響賞や脚色賞など獲得しており期待しての鑑賞でした。印象として実にアートディレクション性が高い映画だと思います。監督のジョナサン・グレイザーのキャリアはミュージック・ビデオ>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.6

原案は古典落語「柳田格之進」寄席でも噺は聴いたことがありました。ただ落語噺を一本の映画とするにはエピソード不足で、追加されたのは白石監督らしく人情ものとは相反する仇討ち(バイオレンス)でした。個人的に>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.0

何か終始緊迫感があって息が抜けない、吉田監督は「空白」からアイデアを派生させたとのことですがまったく違うものでした。確かに根本のテーマは同じとしても「空白」は事が終わったあとの感情の整理の物語であり、>>続きを読む

ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)

3.8

午前十時の映画祭にて鑑賞。
ハリウッドの妖精と呼ばれたオードリー・ヘプバーンの転機ともなった作品、なんといってもムーンリバーは名曲として有名です。ヘプバーンはお世辞にも歌が上手いとはいえず、当初は映画
>>続きを読む

人間の境界(2023年製作の映画)

4.0

ポーランドの巨匠、アグニエシュカ・ホランド監督による「人間の境界」を鑑賞。内容は2021年ヨーロッパで勃発した移民問題で、ベラルーシ経由でポーランド国境を越えれば安全にヨーロッパに入れるという誤った情>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.8

「余命10年」の藤井道人監督による日台合作映画、タイトルから想像するにロードムビー成長譚かと思いきや自分には不得意の恋愛ものでした。
観始めの印象としては、だいぶ台湾恋愛ものに寄せた「ありきたりの映画
>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.7

この映画一切の邪念は捨て、頭空っぽにして観るべきものです。AppleTVでやっているモナーク、予習としてはまったく役に立たず、地上と地下空間の時間経過のズレなど完全に無かったような設定になっており、ひ>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.8

「THE WITCH/魔女」シリーズのパク・フンジョン監督・脚本・製作のアクションノワールといえば観ない訳にはいきません。
冒頭は韓国ノワールそのものですが、カーアクションから超人的能力を持つダークヒ
>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

過去作は配信でみていますが劇場鑑賞は前作からの鑑賞、興行収入は100億円を超えるメガヒット確実のコンテンツに成長した。まず驚くのがシネコンの上映回数、東宝系でないのに3スクリーン独占で1日で16回上映>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

本作は韓国系カナダ人のセリーヌ・ソン監督のデビュー作にもかかわらず、業界内で話題を呼び全米映画批評家協会賞作品賞を受賞、またアカデミー賞では作品賞と脚本賞にノミネートする快挙を成し遂げた作品です。期待>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.7

まず主演のザック・エフロンの変貌ぶりに驚きました。役作りのためとはいえ筋肉の増量が本物のプロレスラー以上で、彼の映画に対する意気込みを凄く感じることができました。
本作は、トップレスラーとしてひとつの
>>続きを読む

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.8

本作は76年公開の「オーメン」のプリクエル(前日譚)として往年のファンにとってはたまらない意欲的な作品です。「ハロウィン」「エクソシスト」といった70年代の名作ホラーのリブート企画がこのところ続き、い>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作は東野圭吾の「容疑者Xの献身」に影響を受け、ミステリー小説を書き始めたという中国の紫金陳氏、中国で「バッド・キッズ:隠秘之罪」というタイトルでもドラマ化され人気を博したものに、本作は中学生のラブロ>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.5

原作は2021年本屋大賞を受賞した町田そのこ氏、監督は「八日目の蝉」の成島出氏の作品です。
評価は高いようですが、残念ながらそこまでの感動は生まれなかった。テーマとしては児童虐待があり、介護、ネグレク
>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

3.6

スピルバーグ監督が1985年に制作した「カラーパープル」が、ブロードウェイでもロングランヒットとなり、それを基にミュージカル映画としてリメイクされたのが本作、原作はアリス・ウォーカーの代表作でピュリッ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

アキ・カウリスマキという監督、名前だけは知っていましたが、今回初めての鑑賞となりました。鑑賞動機は完全に時間つぶしでしたが、作品は非常に興味深く面白いものでした。端的に言うと「当たり」を引いたという感>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

本作2019年の作品で日本公開4年越しでの鑑賞となりました。
ライカート監督の作品は過去2作ほど鑑賞していますが、好き嫌いがはっきり分かれるかと思います。正直言うと初見はこのテンポ感がついていけず退屈
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

本作、原作は和山やまの同名の人気コミック、髭がトレードマークの山下監督の作品は一応外さず毎回鑑賞しますが、今回は脚本が野木亜紀子というところも見逃せない点です。

見どころとしては主役の2人、ヤクザの
>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.6

DCEUシリーズは、2013年の『マン・オブ・スティール』に始まり本作16作目でシリーズに幕を閉じることとなりました。

「Born to Be Wild(ワイルドで行こう)」そのテーマソングが象徴す
>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.6

タイトルとは真逆のディストピア映画です。監督脚本はオム・テファ、作風はファンタジー感が強くマンガチックな面白い作品を作る傾向の監督、本作が興行的に成功した初作品で、韓国では既にNetflixで配信され>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.0

日本先行公開された本作、2005年公開の「チャーリーとチョコレート工場」はジョニー・デップの奇人ぶりが色濃く印象にあったところ、今作は意表を突くまさかの古典的なハリウッドミュージカルでした。少し脳内が>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督は演劇から活動をスタートした戸田彬弘氏です。まず思ったのは、監督は本作主人公の市子(杉咲花)のキャラクターを無戸籍状態から不幸に見舞われる悲劇のヒロインとして巧みに観客に印象操作させているという事>>続きを読む

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.5

原作が「このミステリーがすごい!」大賞作で三池崇監督作品という強烈な謳い文句から鑑賞。サイコパス弁護士と殺人鬼、それに対しプロファイラー三つ巴の設定はかなり興味を引きました。ストーリーとしてもサイコパ>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.5

世間でオカルト映画という言葉を浸透させたのがホラー映画の金字塔ウィリアム・フリードキン監督の「エクソシスト」(1973)で、本作はその正当な続編と位置づけられています。その説得力はクリス・マクニール(>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「野火」、「斬、」に続く塚本晋也監督の新作を鑑賞。
第2次大戦直後の混乱した闇市を舞台に、前半は主人公の女(趣里)による一人居酒屋で孤独にぎりぎり生きる物語、一転して後半はテキ屋の男(森山未來)による
>>続きを読む

燃えよドラゴン 劇場公開版 4Kリマスター(1973年製作の映画)

4.5

本作、劇場公開版4Kリマスター版が現在上映中、これはワーナー・ブラザース創立100周年と、映画の製作50周年およびブルース・リー没後50年を記念した企画。まさに本日、11月27日ブルース・リーの誕生日>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

「アウトレイジ最終章」から6年ぶり、北野武監督の「首」紆余曲折があってようやくの公開でした。原作は同じく北野武氏の時代小説、見どころは「本能寺の変」までのプロセスを本作がどう描いているかでした。

>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.8

第36回東京国際映画祭のコンペティション部門にて、最優秀監督賞と観客賞の2部門を受賞した注目の作品を鑑賞。

原作は朝井リョウ氏のベストセラー小説、原作どおりに主軸となる登場人物が多く、群像劇スタイル
>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

水木しげる生誕100周年として各イベント等が催されていますが、本作もその一環として制作公開されました。
以前から楽しみにしていた本作、鬼太郎誕生の物語は「墓場鬼太郎」で描かれているとおりですが、その前
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

2016年の「シン・ゴジラ」から早7年、生誕70周年を目前に日本が誇る怪獣映画が帰ってきました。
思い返せば「東宝チャンピオンまつり」で初めて見たゴジラは子供たちのヒーローというイメージ、それが抜けな
>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

デヴィッド・フィンチャー監督作品というと、「セブン」や「ゴーン・ガール」のような驚愕の展開や「ベンジャミン・バトン」のような逆説的なストーリー展開を期待すると肩透かしされてしまう作品。

本作はそれら
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

偉大なる監督マーティン・スコセッシの最新作を鑑賞。
監督の映画から俳優としての名声を得たと言っても過言でないロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオが共演、アメリカ史の闇に切り込んだ超大作として
>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.8

ハリウッドではフランチャイズ映画が多い中、本作ギャレス・エドワーズ監督オリジナル脚本によるSF大作であり、待望の作品と期待していました。

まず感じたのは、バックグラウンドストーリーが稚拙に感じ兎に角
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

辺見庸氏の小説『月』の映画化、原作の登場人物は重度障がい者の「きーちゃん」と犯人の「さとくん」被害者と加害者2名がメイン、それだけに映像化することは難題であったと思います。これを石井監督は原作にないオ>>続きを読む

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作「死霊館のシスター(The Nun)」は評価があまり良く無いですが、本シリーズ続けてマイケル・チャベスが監督を務め3作目でようやく安定感で出てきたと感じます。

前作「死霊館のシスター」ではハマー
>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

身近にいる悪人たちを9秒で抹殺するアメリカ版必殺仕事人、今回は冒頭からダーク感が漂う作風となっていました。
監督でも変わったのかなと思ったら撮影が、かのロバートリチャードソンに変わっており納得しました
>>続きを読む

>|