もるがなさんの映画レビュー・感想・評価

もるがな

もるがな

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.7

ある日森の中でクマさんがラリった。言葉通りの映画である。凶暴熊×コカインは最高にキャッチーでありながら、身も蓋もないことを言えばコカインでラリってなくても熊はそもそも恐ろしいものであり、冷静に見ると過>>続きを読む

呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

3.7

死者が人を殺すという異様な事件に挑むジャーナリストと美少女呪術師の物語。ドラマ版の劇場版という位置付けであり、細かな人間関係などはドラマを見ないと分からない部分はあるものの、台詞から背景は十分推察でき>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

人間ドラマが驚くほど薄く退屈で、怪獣映画にそこまでドラマ性は求めはしないのだが、生じているであろうエモはまるで刺さらずとにかく薄味。台詞や展開含めてテンプレの寄せ集めであったせいか何一つ響いてこなかっ>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

4.6

漫画アニメの実写化に対する不信感を愛の一撃で葬った怪作。全体的にリアリティよりもケレン味のあるファンタジー寄りのアクションシーンが多いが、これは解釈一致であり、ハードボイルドな側面がある作風ではありな>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

酷評されるほど悪い話だとは思わないものの、展開されるスケール感に反して話のスケールが相変わらずこじんまりとしてて何とも言えない感じである。特に敵があまりにも弱すぎるのと、以前に感じたようなワクワク感を>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.5

令和の世にサンドラ・ブロックとブラッド・ピットを使ってラブロマンスコメディ冒険モノをやろうとした魂胆が凄い。鑑賞前に期待した通りのそのまんまの内容かつ、決して想像は超えないまでも、休日の昼や金ローでダ>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

フラッシュのオリジンかと思って事前情報もなく予告編すら見ない状態で鑑賞したわけだが、まさかDCユニバースの交差点のど真ん中に放り出されるとは思わなかった。フラッシュの映画と銘打ってて主人公もフラッシュ>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

暗く重たい探偵映画としての側面が強調されたバットマン映画ではあるが、ヒーローもののお約束としての「絵になる」構図には拘りがあり、ジメジメとした作風の中で安心感を覚えてしまった。同じリアリティ重視の『ダ>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.3

スタイリッシュ祓魔スペクタクルホラー。日本人には馴染みの薄い悪魔祓いを上手くエンタメに昇華させた手腕は見事の一語であり、ラッセル・クロウが演じる茶目っ気のあるエクソシスト、ガブリエーレ・アモルトは、一>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0

リバイバル上映で再鑑賞。公開当時のあの頃はイーニドとさして変わらない年齢だった自分も、今はすっかりシーモアと同じ年代になってしまったことに隔世の感を覚えてしまう。今見るとイーニドの幼さは手に取るように>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.5

まさに怪作。押井守解釈のうる星やつらではあるものの、換骨奪胎という言葉では生ぬるいほどに批評的かつ別物で、賛否があるのも頷ける。自身は世代としてはらんま1/2なのでうる星やつらにはさほど思い入れがある>>続きを読む

ブラックアダム(2022年製作の映画)

4.0

近年見たヒーロー映画の中でトップクラスに面白かった。社会派要素は必要ではあるものの、やはりそれに縛られすぎているのは鈍重に感じる中で、シンプルなストーリーテリングとぶっ飛んだアクションに振り切った本作>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

スピルバーグの自伝的作品。やはりといえばやはり、スピルバーグはオタ臭い印象はありつつも基本的にはリア充であり、主人公の彼を取り巻く家族の温かさや映画への傾倒、それを後押しする深い教養と愛は不世出の才が>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

最貧困版まんがタイムきららみたいな映画。舞台となるテキサスの片田舎、そこに暮らすホワイトトラッシュの貧困層の日常は壮絶の一語ではあるものの、作品全体を包むトーンは非常に軽快かつ明るく、それが貧困ぶりの>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.2

シリーズ三作目は謎の多い量子世界が舞台。設定のぶっ飛び加減は面白いものの、オリジナリティという点は微妙であり、量子世界は設定の範疇に過ぎず、どこか幻想的な他の惑星が舞台でも十分通用する程度には目新しさ>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

特級呪物をドラッグのように使うという発想は狂ってて面白いものの、作風もとい印象はやはり良くも悪くもA24らしいなという感じで、呪物トリップという突拍子もないネタのような面白さがあるのに変に意識が高かっ>>続きを読む

ハロー!?ゴースト(2023年製作の映画)

5.0

自殺を繰り返しては失敗する孤独な青年が、何度目かの自殺未遂をきっかけに四人の個性的な幽霊に取り憑かれる!

オリジナルを見た人の評判がべらぼうに良く、感動作と聞いていたので鑑賞。当初はディケンズの「ク
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.8

評判の悪いシャマラン映画ではあるが個人的にはわりと面白く、シャマラン映画好きとして満足するぐらいシャマラン成分が高い。シャマランはトリッキーな転換やギミックの人と思われがちだが、実のところは「語り」の>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

アクションや設定はブッ飛んでおり、クレヨンしんちゃんの映画版みたいなノリでエンタメとして見る分には楽しめるものの、全体的にはやや冗長で、ハナからどう転がるかわかりきってる話を執拗にやったわりには丁寧さ>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.3

陰キャ×陽キャの殺し屋JKの二人のどこかおかしい共同生活というアニメっぽい要素を実写化で違和感なく仕立て上げてる腕前に脱帽。それを支えるのは二人のキャラクターの愛らしさと恐ろしくハードなアクションだろ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

グランツーリスモの実写版でありながら実話を元にしたドキュメンタリーのような作品でもある。それでいながら機械フェチのニール・ブロムカンプらしいエンジンの駆動音は中々のもので、ゲーム体験がロボットのように>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

長閑な京都の老舗旅館が巻き込まれる突然の2分間のタイムループという設定は当初短すぎると思ったものの、これを逆手に取った2分間のワンカットは作品の設定やリアリティラインに対して非常に誠実であり、それでい>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.8

シリーズ最終回ではあるのだが、ロケットの過去話はどちらかといえばシリーズ途中、先に続く前提としてのエピソードで見たかったという印象のほうが強く、個の掘り下げやエピソードに寄ってる反面、話のスケール感が>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

不穏さのみなら一級品の映画。真に伝えたかった事柄も分かるしテーマも描きたかったものもわかるのだが、個人的には合わなかった。やはり人智を超えた巨大な「何か」が接近するワクワク感に反して舞台となる場所や展>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.4

任天堂とイルミネーションの相性の良さにびっくりしてしまった。スマブラやマリオカートなど、マリオの出演作品に対するネタの落とし込み方が素晴らしく、見てるだけで楽しい映画であり、またゲームをやってることが>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

思った以上にミーガンがハイスペックだったな、というのが正直な感想で、当初は単に高性能な小型のターミネーターみたいなものかと思いきや、電化製品のハッキングや音声の模倣にはビビってしまった。それが転じてA>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

始まりは唐突かつ、思った以上にハードコアなバトル描写に気圧されてしまった。そのせいか没入感は一級品であり、一気に作品世界にのめり込んだと言っても過言ではない。構図も含めてパワーが違う。CGの出来はお世>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.1

連続児童誘拐犯に攫われた主人公の少年。断線した黒電話が突如鳴り響き、電話口からは殺された被害者の声が……。圧倒的恐怖の中、聞こえる死者の声を頼りに少年は決死の脱出を図る!

ジュブナイル・ホラーとして
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ネバー・サレンダー 肉弾凶器(2006年製作の映画)

3.2

日曜の昼の3時ぐらいにTVでやってそうなコテコテのB級アクション映画。爆発、爆発、追い爆発と飽きそうになるたびに挟まれる爆発で笑ってしまうwシナ主演ということで見てみたが、アクションは普通かつ敵の倒し>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

紳士探偵ブノワ・ブランの本格ミステリ2作目。相変わらずケレン味は一級品の映画であり、ミステリ特有の衒学趣味も相まってテンポが素晴らしく、全てのカットが「絵」になるというこだわりっぷりが凄い。個人的に笑>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.1

アイスランドの雄大な自然と寒々しいトーンの空気感。ロケーションだけでいうなら満点であり、そこに混じる異形の存在もあってヒタヒタと忍び寄る不穏さがある。しかしながら劇的なことは起こりそうで起こらず、何か>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.7

乙骨シンジくんが思った以上にシンジくんで笑ってしまったw呪術廻戦はジャンプ新世代らしく過去作のオマージュに満ちており、それは作者の「好き」の暴走がひしひし伝わってきて色々と面映い。

呪術廻戦自体、恐
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.7

ゲームの再現度としては中々のもの。当初童顔過ぎないか?と不安に思えたトムホも、いざ演じてる姿を見ると意外とサマになっていて、特にバーでのグラス使いなどの手捌きがとても良かったように思う。

ただ、キャ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

前作と同じようなロマンチックラブイデオロギーのボーイミーツガールでありながらも、今作は綺麗に反転しており、一人を救うために世界を差し出したセカイ系が前作なら、今作は名もなき人々の重みに焦点を当てている>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

評判通りコッテコテのミステリ。完全なクローズドサークルというわけではないものの、繰り広げられるのは伝統的な館ものであり、映像によるフェアプレーにコメディタッチな要素を加えたのも見事。

ミステリ映画と
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.7

まずぼくらのウォーゲームやサマーウォーズと比較して、現代インターネットの描写がほとんど進歩しておらず、捉え方があまりにも陳腐すぎる。とはいえ現実のネット世界もそれに輪をかけて酷いわけだが、それはそれと>>続きを読む

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