あああさんの映画レビュー・感想・評価

あああ

あああ

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.8

そう遠くない未来で起こるであろうAIとの恋愛が普遍的なテーマで描かれる。

この映画の凄い所はAIとの恋愛という突飛とも言える要素を扱っていながらも、テーマが他者を理解する事という凄く普遍的なものにな
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火垂るの墓(1988年製作の映画)

4.6

昔見て凄く悲しい絶望的な映画だと思ったけど、今見たら清太にはもっと選択肢があったように見えるし、何の希望もない絶望的な映画では無いような気がする。

どれだけ不愉快だろうとプライドを捨てておばさんに助
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.7

手から湧き出す蟻、切り裂かれる瞳と月、羊たちの沈黙の蛾(ドクロ)、ロバ入りグランドピアノ、修道女のコスプレ。わけがわからん。わけのわからないとんでもなさが夢みたいだった。超現実的な無意識の映像化。衝撃>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.9

20分まではとても好き。その後は恐ろしい皮肉に感じた。
主人公を男の子達にしていて、映画自体が彼女達の心情を描かない。だから必然的に謎めいたものになっていて、そこに美しさが混ざるせいで凄く魅力的に見え
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エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

3.6

TOKYOが世界一クールな街になる映画。酔い止め薬を飲んでから見たほうが良い。

ネオンとLSD、性と死が入り乱れるバッドトリップしたような悪夢的な東京が描かれる。縦横無尽に壁や重力全てを無視して飛び
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キャロル(2015年製作の映画)

4.8

ルーニー・マーラとケイト・ブランシェット。恋に落ちる時の微妙な目線や小さな仕草がとても繊細に、とても丁寧に描かれる。心という概念的なものの動きを最上級の方法で物理的に写していると思った。普通ではない恋>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.6

全てを捨てて全く新しいどこかへ行く。それがどこかはわからないけど、この最悪な平凡よりはマシだと信じて。自殺に見えなくもない。
ライ麦畑を思い出した。

2048:ノーウェア・トゥー・ラン(2017年製作の映画)

4.0

ブレードランナー2049の前日譚3/3。監督はリドリー・スコットの次男。
心優しいPTSDのレプリカント(人造人間)がホームレスの友人とその娘が暴漢に襲われているのを目撃する。レプリカントは暴力を捨て
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2036:ネクサス・ドーン(2017年製作の映画)

3.4

ブレードランナー2049の前日譚2/3。監督はリドリー・スコットの次男。
神になろうとするウォレス(社長)の原点を垣間見れる。リドリー・スコットはエイリアン・コヴェナントでも創造主コンプレックス的な事
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ブレードランナー ブラックアウト 2022(2017年製作の映画)

3.8

ブレードランナー2049の前日譚1/3。アニメーションで描かれるブレードランナーの世界がクールだった。青葉市子の声も良かった。でも15分は短すぎる。OVA作ってほしい。

ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.6

洗練された完璧な演出で作られる最高のスリラー映画

夕暮れと夜の境界線に隊員たちが消えていくトンネル突入シーンは凄かった。他にもナイトビジョンとサーマルカメラを行き来する映像や、銃撃戦なのに敵がほぼ映
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

5.0

街、光、雨(水)、音、車、建築、JOY、孤独な主人公。全てが良い。

神にすらなろうとする資本主義の王、機械に恋する人造人間、塀に囲われた巨大都市、捨てられた高層ビル、(物語と世界に)選ばれなかった主
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.3

これ以上無いほどに耽美な不倫劇

ギリシャ神話の絵画に出てきそうなベインズの肉体と、細く美しい主人公のうなじ。今まで一番美しい恋愛映画だった。
ニュージーランドの荒涼とした海とピアノという、何ともミス
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.8

Who the fuck are you!!

登場人物全員何かしら問題を抱えてて、全員がコメディーに最悪なんだけど全員に共感できる。最初から最後まで面白かった。何が良いのか言語化出来ないけど、凄く良
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複製された男(2013年製作の映画)

3.8

母親が怖い映画

文学的で厭世的な雰囲気を感じる彩度の低い黄色がかった映像と独特の音楽が作品固有のリズムを空気を作っていて,それがとても魅力的だった。

象徴的に登場する蜘蛛は"母親"というか女性性を
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

ドタバタコメディと哲学的思索!

紀元前の荘子から続く、存在に対する疑い。私達の世界は本当に現実なのか。夢の中の私達に実存はあるのか。難解な哲学講義が始まりそうだけど、考えることを許さない鬼のハイテン
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.1

個人的にはここまで評価されてる理由がわからなかった。セリフは説明的すぎるし、演技も邦画特有の臭い感じが多分にある。単純に慣れの問題かもしれないけど、違和感があった。
海戦のゴジラVFXや建物破壊の映像
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

ロココとアール・ヌーヴォーが融合したみたいな優雅で幻想的でかわいい映像と、雰囲気の良い雑貨屋の宝石箱みたい(要するにおしゃれ)な小物と、ジェットコースターのような展開と、その裏にある重たい現実。

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アス(2019年製作の映画)

3.7

真夜中、いきなり自分と瓜二つの赤い服を着た人間がドアを叩く。音楽含め実際に後ろを振り返ってしまうような不気味さが充満した映画だった。ビーチに行くのが怖くなる。

この映画の主要素は、自分と同じ姿の人間
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.5

ジョー・ペシの狂気な演技がめちゃくちゃ怖い。ロバート・デニーロのサイコパス感も良かった。
レストランでのペシの自分でジョークを言ったのに、それを笑ったら「何がおかしいんだよ?言えよ!俺の何がおかしいん
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

凄かった。圧倒的な迫力。ドゥニお得意の前衛芸術と宗教画が混ざったみたいな洗練された映像美と、ハンスジマーの音楽が圧倒的な世界観を創る。

冒頭の優雅かつ自然な浮遊シーンから興奮が加速していく。その加速
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ヒート(1995年製作の映画)

4.6

重厚な銃声とアクション,色褪せた青いフィルム,LA特有の町並みのあの感じ,アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという最強コンビで紡がれる美しくも悲しい(そして身勝手な)男達のドラマ。全部が良かった。ア>>続きを読む

A.I.(2001年製作の映画)

4.3

創造主とつくれられた者達の人生についての哲学映画。未来においての神話であり,現代のおとぎ話。

自らの欲望で新しい存在(ロボットであるDavid)を創り出し,無責任に放置する人類。
創造主の命令に根本
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.7

教養・育ちなんてクソ喰らえ!! コカイン・金・銃!!!

小柄で小汚いキューバ系移民の主人公。金もなければ教養もない。あるのは自信だけ。
麻薬ビジネスでドン底からどんどん成り上がっていくけど,孤独は
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.1

文句をつけたくなってしまう所は多いけど,恐ろしさと美しさが融合した完璧な造形のエイリアンを見れるから嫌いにはなりきれない。

ビジュアルが凄かった。エイリアンの造形は恐ろしいはずなのに端麗で,彫刻のよ
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

4.8

常識,倫理,正義を覆す禁断の哲学ロリータ映画。もっと過激な時計じかけのオレンジ。

夏休み,二人の少女がいたずらを仕掛けまくる!そう聞くと普通の青春映画みたいだけど,この映画はその正反対。

下品なポ
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アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.3

黒人、白人、カテゴリーで人を判断することの虚しさ。白人至上主義でネオナチの主人公は、刑務所でとある黒人と出会い考えを入れ替えるが...

しかし過去の過ちを、水に流すことはできない。どれだけ改心しても
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.7

見終わった後何かが大きく変わるわけじゃないけど、心地良い気持ちに包まれる。どうでもいいような日常を少し大切に生きれるようになる、、、気がしないでもない。
毎週日曜日の深夜2時くらいからドラマ放送してほ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.1

無能な教師、助けてくれない大人達、悪意の連鎖、嫉妬。残酷な現実を14歳の少年を通して見せつけられる。学校という思春期の少年少女を集めて閉じ込めた箱庭で何が起こるのか。

淡く美しいはずの青春が恐ろしく
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.8

Oh God! Oh Jesus Christ!!!!

行方不明事件の捜査に訪れた島はどうやら奇妙な土着の宗教があるらしく、段々とそれに巻き込まれていき、、、という映画。ミッドサマーの元ネタ。出てく
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.4

90年の方のトータル・リコールだと勘違いして見てて、これが本当にあの名作SF映画トータル・リコールなのか?何かおかしいな、、と思ってたら、やっぱり違った。こっちはリメイクらしい。全く同じ名前で映画作る>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

3.9

初めての映像体験だった。個性的で清潔で可愛らしい北欧家具みたいな演出と、シリアスなドラマの融合が良かった。音楽やファッションも含めて、ハマれる人は、とことん好きになれそう。教室での初女装公開シーンや、>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.8

短く切りそろえた前髪、白い眉毛にアイブロウピアス。病的なまでに漂白された肌に痛々しく突き刺されたピアス。トライアンフにまたがり、折れてしまいそうな程に細い腕にボロボロのレザーを通す。
リスベットの全て
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.0

夢と希望のヒューマンドラマ

持たざるものが、知恵と勇気と友情で夢を叶える物語。お話自体は凄くシンプルで普遍的な話だけど、だからこそ面白い。
可能性の賛美歌。産まれ持ったDNAで人生が決められる世界で
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.2

戦争を作ってしまった映画。圧倒的という形容が最も適切。

圧倒的な混沌と狂気。大量のヘリ、基地での慰安の狂騒、無意味に銃殺されるベトナム人、サーフィンに興じようとする中佐、ナパームの匂い。
大義と目的
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