ゆっきーさんの映画レビュー・感想・評価

ゆっきー

ゆっきー

夏の嵐(1944年製作の映画)

3.5

面白かった。前半は割とだるいが、後半でジョージ・サンダースが自分が襲った死にかけの女から調書を取らないといけなくなり、早く死んで欲しいから回りくどく聞く、という場面のサスペンスのアイデアが秀逸過ぎる。>>続きを読む

カヴァティーナ(2023年製作の映画)

4.0

運動チューニング生体実験映画。
生前の運動の記憶細胞を注入された別の死体が他人の記憶通りに動く、という完璧にモーションピクチャ向けの設定で良い。ストローブの弟子らしいショットは無くはないがショットの強
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

ド傑作。みんな言ってるが冒頭の「実は車載カメラでした」なの何??さすがに驚いたし森の中の横移動撮影で巧が画面から1時消えて戻るといつの間にか娘の花をおぶっている、などトリッキーさが際立つ。

説明会の
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街の上で(2019年製作の映画)

3.0

ほぼホン・サンスじゃん。

まー、あれだね。悪くは無いね。ただ全体的に目に光を入れすぎ。
作り物っぽく、安っぽく見えるね。警官のつまらない話を2回やるのは下手。5人が出くわす場面ははっちゃけてくれよ。
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地獄花(1958年製作の映画)

3.0

終戦後の韓国で、真面目な弟が都会で悪い事してる兄貴を訪ねてくるも兄貴の女を寝とっちゃうというどうしようもないお話。殴り合いの場面がどれも迫力にかけるが、背中を殴られたやつが地面につっ伏す速度が速すぎて>>続きを読む

サイコティック(1974年製作の映画)

2.5

リズが男を探して旅に出る話だが何故か警察におわれており、関わった人の取り調べの場面がいちいち挿入されるのだが全く意味を成していないのでやめて頂きたい。撮影はストラーロ。

ラスト、理想の男とである夜の
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慟哭(1952年製作の映画)

3.0

アンニュイインテリジジィが大人の美人な女よりも、若くてキャピキャピした中途半端なブスを選ぶという、あるあるでどーしよーもない話。
キャピ女と温泉に行く場面でオフスクリーンの声の演出が印象的。このオフス
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

ゴジラパートはとても面白いのだが(特にボートで口に機雷を突っ込むジョーズみたいな場面は面白い)、ドラマパートがあまりに酷いので台無しになっている。脱出機能も後出しで客に知らせるという構成なのが終わって>>続きを読む

青春(2023年製作の映画)

3.5

今までのワンビンの作品の比べると中の下くらいの出来。さほど撮れ高がないにもかかわらず引き伸ばしている感が否めない。(タイトルで『鉄西区 第2部』レベルのものを期待したが、、、)
ボロボロの子供服工場
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フランケンシュタイン/禁断の時空(1990年製作の映画)

3.0

ジョン・ハートが中世にタイムスリップするとフランケンシュタイン博士が居てバケモンを蘇らせてた、ってお話。
中世のセット?と小道具になかなかお金をかけている感じがするし、「折角お金かけたしなー」というこ
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兇状流れドス(1970年製作の映画)

4.0

大映で任侠ものと言えば『悪名』くらいしか見た事ないもんで新鮮だし任侠映画であってもいつもの暗い大映画面で面白かったよ。冒頭の夜霧の場面なんか本当に大映、三隅らしさ前回だし、カフェ〜の中の色調も最高。>>続きを読む

ロー・タイド(2019年製作の映画)

3.5

なるほど、こりゃ面白い。かなり古典的だが古典を小バカにしているA24らしくない気もする。
今の映画業界なら140分くらいかかる話を85分でまとめた上にちゃんとハラハラできる。数日間の話だが、主人公達の
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金髪乱れて(1932年製作の映画)

4.5

狂気としか言いようがないコメディ、最高すぎる。舞台が港町、ベネットが働くダイナー、ベネットの姉の家、のほぼ3箇所だけで映画が成立している。冒頭から映り続ける酔っ払いのしつこさが尋常じゃなくて笑う。
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アメリカの恐怖(1936年製作の映画)

4.0

ウォルシュ版ソフィスティケイテッドコメディって感じ~腹話術や銃声など音のトリックを使う場面はトーキーになりたての30年代らしさが見られる。音の発生場所でバレそうなものだがそんなことを一切気にしない無茶>>続きを読む

路上のライオン(1953年製作の映画)

4.0

カラー。雨に始まり雨に終わる。狂気なのか正常なのか区別つかないキャグニーが民衆を煽りまくり知事を目指す。瀕死の友人を証言させようと裁判に連れていき死んだら演説で何とかする狂ったグルーヴ感やばすぎ。ウォ>>続きを読む

恐怖の背景(1943年製作の映画)

3.5

トルコを舞台にしたスパイものだが早すぎて話がわけわかんないし逆に眠くなるくらい速い!笑
ショット始まりの半分くらいが部屋に勢いよくドアを開けて飛び込んでくる動き、というのは記録しておきたい。

カーチ
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私の彼氏(1947年製作の映画)

3.5

全然ウォルシュらしくなくて驚いた!姉御なアイダ・ルピノ、完全に女版寅さんである。ダメダメな弟と会話する場面の階段を使った見下ろし、仲代達矢似のクラブオーナーに言い寄られて指を触られた時の、自分が上だと>>続きを読む

西部悪人伝(1970年製作の映画)

4.0

だいたいつまらないマカロニウエスタンにあってまさかの面白さ!
激強ヒーローと有能な2人の弟子、という組み合わせ。『御用牙』じゃないですか!それでいてギミックの面白さは『子連れ狼』のよう。
敵味方の位置
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バッド・ブラッド/狂った血痕(1981年製作の映画)

3.5

村八分された偏屈農夫がぶちぎれて7人殺害したNZで起きた事件の映画化。後半、人間狩りモードへのシフトを含め中々面白かった。
威嚇で隣人に銃を向ける場面が幾度となくあり、その度にヒヤヒヤするのである。
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重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス(1973年製作の映画)

3.0

70sの渋い刑事モノ&カーチェイスもの。
マフィアを誘拐する男、というちと凝った設定のせいか前半の筋が全く分からず置いていきぼりになる…
その為、有名な洗車機のシーンでは何が起きるのかさっぱりわからず
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サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出(1981年製作の映画)

2.5

低脳で統率の効かない州兵がノリでルイジアナの現地民を威嚇したら囲まれて殺されるお話。
せっかく南部の沼地なのだが撮影がいまいち。木々の隙間から刺す光や水面を上手く使って欲しかった。
また仲間内での罵り
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ふたり自身(1972年製作の映画)

4.0

ハネムーン中に妻に蛙化した男が、たまたま浜辺で出会っためるる似の美女、シビル・シェパードに惚れて、、、という話でとにかくバチくそ面白い。シビル・シェパードが可愛い過ぎるのと主人公がサイコパスすぎるしイ>>続きを読む

眠りの館(1948年製作の映画)

3.5

オモロい。プチ『断崖』みたいにミルクならぬココアを持って階段を上がったりする。奥さんが主役ではあるがクソ夫(ドン・アメチー)の行動を中心に撮られているのでいつバレるのかサスペンスとして見せてくれる(こ>>続きを読む

アラクノフォビア(1990年製作の映画)

3.0

南米の新種の毒蜘蛛がアメリカの田舎で暴れる話。医者、蜘蛛研究科、害虫駆除人という各々の分野のプロが集まるがもっとそこのお仕事パワーでそれぞれに見せ場が欲しいところ。害虫駆除人のジョン・グッドマンが異様>>続きを読む

ニンジャリアン(1979年製作の映画)

2.0

いやいやいやですよ。全然遊べなさそうなロケ地(湖)、フロントガラスに張り付いたエイリアンをさっさとワイパーで落とせばいいのになかなかやらない、襲われても振り落とそうとしない、何故か警察呼ばない、など色>>続きを読む

ナースコール(1993年製作の映画)

3.0

ワイズマンが「看護婦」撮ったらこんな感じか。
ロウソクの光と窓の外の雪を同時に撮る撮影かなりレベル高くないすか?
薬師丸ひろ子の終始強ばった顔がかなり怖くて良い。お話はロイド・ベーコン辺りが撮りそうな
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殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)

4.5

完璧。心理ゼロすぎてやばい。とんでもなくタイト。90分以内の鏡。ジャック・イーラムが事務所を出て号外の新聞を受け取って家を出ると警察に尾行されるのをワンカットで処理する効率の良さやばい。

防弾チョッ
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ペニーズ・フロム・ヘブン(1981年製作の映画)

3.5

撮影ゴードン・ウィリスということでぶち上がったしちゃんと最強だった。もっと高画質で見たい。話はほぼ『ダンサーインザダーク』。すぐに心理してしまうロスであるが心理をミュージカルで代用しているので彼の悪い>>続きを読む

MORTAL モータル(2020年製作の映画)

3.0

完全にMARVELじゃん。雷神ソーの誕生秘話みたいな感じだった。さすがにハンマー発見の場面はぶち上がるも7割くらいは盛り上がらない。山道で真っ赤なワーゲンのビートルがトラックを追い抜く場面は良かったが>>続きを読む

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.5

面白いけど作劇中心の作風になっとりゃせんか?室内180°全写しカメラが独特で面白いとは思ったし、母親との死別の場面での洗礼トライの狂気にはゾクゾクするものがあったけども。親の死を冒涜する感じは例のデビ>>続きを読む

トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.0

傑作。旅行代理店のおじさんが無人島漂流旅行を計画するが…というお話。他のヌーベルの作家たちと比べて徹底的に「演出」を無臭にしようとする意図を感じる。良い。
主人公のおじさんがおもしろスピーチをする場面
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

傑作。みんな言ってるが夜のトレーニング中にカメラが奥によってくと懐中電灯の灯りが…という場面がスゴすぎる。
初めて親父の首を絞めたあと、弟の亡骸を抱えて画面に向かって歩く場面では親父が画面背景に放置さ
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クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

3.5

相当初期のデミ作品で露出オーバーめな光が鬱陶しい。犯罪家族ものでコーマン制作あるあるのハイテンションノリ軽めアクションかと思いきや割と後半重くなる(そこは好き)。アメリカ人は先祖の土地に固執する話を撮>>続きを読む

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

3.5

早稲田の映研が作ったらしいがこの出来は凄すぎだろ〜
編集がとても面白いことをやっている。バンドの場面のスローモーションといいたまにダサいけども。
ゴダールと相米の影響を感じる。特に机を集めてその上を喋
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トラックス(1977年製作の映画)

1.0

これは俺でも撮れるぞ…って思いながら見ていた。酷め。全裸のデニス・ホッパーがカメラに向かって走ってくるショットのみ良い。
リンクレイターが好きな人は好きそう。会話、顔のアップ、運動を映さない編集。

雲がちぎれる時(1961年製作の映画)

3.5

断崖絶壁を運行するバスの運ちゃん役に佐田啓二。映画の法則としてこんなんは100%落下する事が確約されており、あとは佐田啓二の死までを見守る事になる。とても面白かったが、佐田啓二が実際に車で事故死した事>>続きを読む

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