mikanさんの映画レビュー・感想・評価

mikan

mikan

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

アウシュヴィッツ強制収容所の真隣に暮らす一家を描く。
絵に描いたように豊かで美しく仲睦まじい家族…庭園の壁伝いに暗示される収容所の様子や強烈な違和感が見ていられない…。
嘆き、叫び声の様なBGM…。
>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.8

フィリピンに暮らす「コピノ」のマルコはある日突然韓国に暮らすという父親の元に向かう事に…。
「コピノ」という言葉すら知りませんでした…社会問題を絡ませつつエンタメに昇華する韓国映画は本当に凄い!

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.1

凄い映画だ。
山間の小さな町「水挽町」に暮らす巧と娘の花…ある日グランピング建設の話が浮上する。
単純な都会と地方・自然の対立構造を提示せず、不穏で丁寧な演出で事象を表現。
例えば、今泉ちゃんが薪割り
>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.9

70、80年代の時代を反映した作品で知られるナン・ゴールディンの半生と、危険な医療用麻薬の資本を頼る美術館に表現活動で訴える様を追う。
タイトル…彼女が写真を撮り続ける理由、意義が丹念に描かれる。

オーメンIII 最後の闘争(1981年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

嬰児虐殺が現代で…見るの辛すぎる…。

オーメン2/ダミアン(1978年製作の映画)

3.5

まずオーメンに続編ある事を知りませんでした。ダミアン君…。

オーメン(1976年製作の映画)

3.7

オーメン第一作目。思った以上にスプラッター。

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まさに悪魔的。
リゾート地にやってきた売れない作家…どんな犯罪でも大金を積めばクローンになすりつける事ができるという裏の観光資源が存在した。
強者が弱者を蹂躙する…そもそも現地の人々を何とも思っていな
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

これは凄い、よくぞアメリカで…!「原爆の父」とも呼ばれるオッペンハイマーの生涯を追った骨太歴史映画…もはや大河。
描かれる出来事が多く時系列含めあちこちへ行くけどテーマは一貫している…プロメテウスと林
>>続きを読む

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.8

亡命後のアインシュタインを原爆との関係と共に描く。
『ハンナ・アーレント』の時も思ったけどWW2を生きた人々の話を聞くと私たち一人一人の想像力と行動、責任の恐ろしい程の重さを感じる…。

火の娘たち(2023年製作の映画)

3.8

『ヴィタリナ』の同時上映…8分の短編映画。
三分割の映像にそれぞれ女性が配され火山の中で生活の苦悩や苦難を歌う。
チェーホフの戯曲「三人姉妹」に着想を得ているそう。
まるで地獄のような赤々とした暗い背
>>続きを読む

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

3.9

一向に帰ってこない夫に会いにカーボベルデからポルトガルにやって来たヴィタリナ…彼は数日前に亡くなり既に埋葬も終わっていた。
彼の粗末で暗い家の中で、彼の痕跡や不在を思う彼女を静謐に美しく哀しみを含めて
>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

3.8

凄い……1972年実際に起きたウルグアイ空軍機遭難事故を題材にしたサバイバル・スリラー。
どこまでも広がる雪、空、山。
絶望に次ぐ絶望…墜落後から雪山の中で懸命に生き延びようとする人々を経過日数と共に
>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

李氏朝鮮時代の第16代王仁祖の世子が清からの帰国後まもなく怪死する……優秀な鍼医である盲目の男はその事件を「目撃」してしまう。
エンタメ的かつセットが美しく二転三転する物語に映像で理解させる表現…脱帽
>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

冗談で書いた「黒人」らしい小説が大ヒットしてしまった…皮肉とユーモアたっぷりに現代のステレオタイプを描くコメディ映画。
劇中聞こえよがしにジャズが流れる。
ラスト含め洒落てる◎

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.8

ある晩多くの犬をトラックに乗せたマリリン・モンローを装った男が逮捕された…彼は精神科医に自らの切なく壮絶な過去を語り始める。
彼の人生に不可欠な神への忠誠も象徴する犬、犬、犬…アクションシーン良。

戒厳令(1973年製作の映画)

3.8

日本近代批判三部作の内三作目。
思想家北一輝を主人公に自身の思想が事件を巻き起こしていく様を畏れながら押し潰されていく様子を描く。
無秩序の中の秩序を見出す戒厳令…北の戒厳令を被虐主義だとする発言も(
>>続きを読む

憂国(1966年製作の映画)

3.8

三島由紀夫の同名原作を作家本人が映画化!製作、監督、脚色、主演まで担当。
二・二六事件で親友達を討たねばならなくなった中尉とその妻の自決を描く。
ワーグナーの旋律にマン・レイやビル・ブラントを彷彿させ
>>続きを読む

叛乱(1954年製作の映画)

3.8

多分初?の二・二六事件映画化作品。今のところこれが一番オーソドックスで事件がわかりやすい。
『銃殺 2.26の叛乱』と同じ原作、本作は安東大尉だけでなく他の青年将校らにも注目し群像劇の様相を呈する。
>>続きを読む

銃殺(1964年製作の映画)

3.8

決起した青年将校の一人安東大尉を主人公に二・二六事件が起こった経緯と決行、顛末を描く…時代背景と事件の詳細がよくわかった。
二年前に制作された『二・二六事件 脱出』と比べ本作は重厚で人間ドラマを重視。
>>続きを読む

二・二六事件 脱出(1962年製作の映画)

3.8

暗殺されたと思われた岡田(劇中では岡部)首相が実は生きていた…二・二六事件の内首相暗殺未遂とその脱出劇を描く。
元となる事件自体史実なのが凄い。
秘書官と憲兵双方の動向を追いつつ展開される物語がスリル
>>続きを読む

226(1989年製作の映画)

3.8

深刻な不景気の続く1936年日本…皇道派の青年将校らが元老らを襲った二・二六事件を青年将校らの視点で描く。
陸軍内部の対立、兵士、家族らの心情も丁寧に描写。
雪の東京に鮮烈な血、軍服の赤…美しい音楽と
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

雪山の山荘で視覚障がいを持つ息子が倒れている父親を発見…不審な点の多い彼の死に母親は疑いの目を向けられる。
裁判の進行から彼女達の関係、想いを息子も演奏するピアノの旋律ともに描き出す。
タイトル良…。
>>続きを読む

黄金時代(1930年製作の映画)

3.8

確かエルンストが出ていたような…。
後の時代のブニュエル作品を彷彿させるようなお話だった気がする。

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.9

WW3後放射能に汚染されたパリ…滅亡の危機を脱すべく時間移動の実験台に選ばれた捕虜の男を描く。
ある出来事に到達するまでの円環構造…全編静止画の「フォトロマン」にある瞬間だけ動く映像が示唆的。
大塚明
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

常に日常の物事に不安を抱えるボーが怪死した母親の元に向かおうとするも数々の不可思議な出来事に巻き込まれる…。
信用できない語り手による夢か現実かわからない描写が◎描かれる事象に「事実」を垣間見る。

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

心理学を学ぶダニーは彼氏とその友達と共に90年に一度の祝祭が開かれる🇸🇪の村に向かう。
文化を明確に説明していないのに映像で良く伝わる。
登場人物の性格等の描写が丁寧で異常さが際立つ。
「共感」の村…
>>続きを読む

ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜(2001年製作の映画)

3.9

「2002年ブニュエル 、ダリ、ロルカの三人が過去現在未来を映すソロモン王のテーブルを探す冒険譚」をブニュエルが構想する劇中劇。
時空を越え夢現実が混在する入れ子構造的物語と映像が斬新!
ただこの映画
>>続きを読む

カラスの飼育(1975年製作の映画)

4.0

すごく良かった。
母親、次いで父親をなくしたアナ…おばや祖母、姉妹達と暮らしながら母親の夢幻を見る少女を描く。
至る所に憂いと厭世、死、そしてスペイン内乱の影……。
『ミツバチのささやき』でも思ったけ
>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.9

最終電車を乗り過ごしてしまった移民の清掃員…徒歩で家に帰る道中に出会う街、人々を描く。
まるで幽霊のようにひっそりと歩く彼女…台詞が殆どない定点カメラによる絵画のような映像が静かで美しく示唆的。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.9

映画制作中突然失踪した主演俳優…20年以上前の事件を追う番組に監督が出演する…自らの半生を追想しながら彼の行方を追う。
これまでのエリセ作品へのオマージュも。
履かない靴、悲しみの王、大事な日にはいつ
>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

ある朝いなくなってしまったエストレリャの父…彼女は父の記憶やある秘密を回想していく。
人間関係や表情、態度の中に見え隠れする繊細で儚い感情…。
時の移ろいとスペイン内戦の傷跡が垣間見える。

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.9

エグすぎる…。
脱北者を支援する韓国の牧師とある家族の脱北までの道程(中国やベトナムを越えてタイまで…)を追うドキュメンタリー。
あまりにも壮絶で過酷。
彼らの境遇と脱北の理由に絶句…私は何も知らない
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

科学者により蘇生されたベラ…身の回りや世界に触れながら貪欲に多くのものを学んでいく。
自分がつくづく社会的規範や倫理の中で生きている事を気付かされる…。
世界観がレトロフューチャー的で良。

ヨルゴス
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.8

これまであまり見たことがなかった新しい本能寺の変!
「首」に執着する武士達が描かれる一方百姓や外国人等それを理解することのない人々が強烈に対照的に描かれる。
大将首、接吻する首、介錯、腐った首。
秀吉
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.9

じーんと来てしまった笑
『ウィッシュ』と同時上映の短編映画
ディズニー創立100周年記念にキャラクターが皆集まる!
セル画や3Dと実写を組み合わせて表現…!楽しい。
ウォルト…😭

>|