もさんの映画レビュー・感想・評価

も

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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.5

淡々と繰り返される日常。
農場経営、大きなトラクターを使い、そこそこの規模に見えるけれど、人を雇入れる余裕はないのかな、重労働だ。。

登場人物が皆いい人で、皆その場を掻き回し変容させていくエネルギー
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

4.0

松たか子さん演じる編集者と沢田研二さんがお茶を飲むシーンで、お茶請けを頬張る松さんに沢田研二さんが『これもどうぞ』って自分のを差し出すところ、大人の(余裕からくる)色気、エロティックさを感じて、ため息>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

大好きなアダム・ドライバーが出演していて良かった。飄々としていて、なんか(いい意味で)抜けた感じで、潜入捜査のシビアなやり取りも重たくなく観賞できた気がします。
おばちゃんが爆弾持って突撃するくだりは
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.0

前知識もなかったので、本当に見ただけの感想です。。
謎の生命体は美しく、恐怖は感じなかった。
(暴走するチンパンジーの方が怖い。何でも思うままに操れると過信する人間の浅はかさが透けて見えて)
あの生命
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

村上春樹作品の全部は読んだ事ないけど好きです。8割は読んだかな。ハルキストでは無い。『街とその不確かな壁』も読みました。(1番好きなのは『納屋を焼く』)
映画の、最後のお芝居の科白(真っ直ぐ過ぎて少々
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白いリボン(2009年製作の映画)

3.8

薄暗い暗がりに連れ込まれ、見たくないものを無理やり見せられたような気分にさせてくれる映画です。
強者から弱者へ、大人から子どもへ。理不尽な暴力と搾取はあらゆる所に存在していて、映画が進むにつれ息苦しく
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

4.0

否が応でも四六時中相手の事が絶えず頭にあって、消したくとも消えない。
やるべき事にも集中出来ず、相手が側に居ない間は疑心暗鬼、湧き上がる多幸感はほんの一瞬で、その直後に覆い被さる猜疑心、嫉妬心...
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

前線で戦い、散っていく若者たち。とぐろを巻いた渦の中に、ただただ無慈悲に、否応なしに飲み込まれる様を見続け、こちらの感覚までもが徐々に冷たく麻痺してくる。
この人達は人間なのか駒なのか。。
(そう思わ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.5

幽玄な湿地の風景と、水面下で静かに動くサスペンス要素とのさじ加減が絶妙で、すごく好みでした。

カイアは『湿地』という縄張りの中の、ある意味ボスみたいなものですね。
社会や世間一般というものに、小さな
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

フランシス・マクドーマンドの、全身から怒りの気配が滲み出てるような演技が圧巻でした。
暴力と暴力の応酬…でも何故か嫌な気分にはならず、逆にじめじめとした暗いものが昇華されていくかのよう。
サム・ロック
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.0

被害者意識をむき出しにして、我を通そうとする偏屈爺さんだなあ...と、中盤までそう思いながら観賞しました。
ホロコーストの犠牲者で、気の毒ではあるけれど、現代に生きるドイツ人にまで当たり散らさなくても
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.0

スピード感溢れる展開、ベンヤミン達グループの個性もそれぞれ際立っていて面白かった。ベンヤミンがおどおどした青年から、したたかなハッカーへと変貌していく様も良かった。ラスト、『ああ、そういう事か』からの>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.5

ドレフュス事件、恥ずかしながらこの事件の事を知りませんでした。ドレフュス役の俳優さん、とてもそっくり。
重厚な背景も、、軍隊の制服もかっこいいと思いながら観賞しました。
軍隊の男達の、形式ばったやり取
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

3.0

ジョン・メイの丁寧すぎる仕事ぶりに、私は『お節介すぎる。善意の押しつけだ。家族も来ないような人には相応の理由があるんだから、ほっておけば良いんだ。』と最初は思いました。
(私もストークの娘と似たような
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.5

建築物以外は何も無い田舎町コロンバス。周りの大人も、友だちも皆『地元』の人。小さな頃から変わらない。ぱっとしない毎日だけど、周りの皆もそんな感じ。建築を学びたい、でもお金は無いしお母さんを残して、上京>>続きを読む

カリフォルニア(1993年製作の映画)

3.0

ブラピの狂気じみた演技が迫力ありました。
体臭(汗と埃、旅費の調達の為に、行く先々で殺人を犯すから、血の匂いはきっと拭いても取れない…くさそう)まで臭ってくる感じ。
殺人犯のルポを執筆する為、現場を取
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

私はエルヴィス・プレスリーを殆ど知らず、アイドル的存在だったのかな?程度の認識だったのですが、黒人音楽をルーツに持つパイオニア的存在だったのだ、とこの映画を通じて知ることが出来ました。前例のない事をや>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.5

主人公役の、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技が凄かったなあ。何をしでかすか解らない、危なっかしい眼差しにヒヤリとさせられました。

ヘレンの自動車事故も悲しかったけど、お父さんのお葬式の場面が1
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

4.5

『苦しみつつ、なお働け、安住を求めるな この世は巡礼である』(ストリンドベリ)
トムの旅、山本周五郎が座右の銘にしていたこの名言にぴったりだな〜、と思いました。
人生の終わりが見えた時、自分もこんなふ
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クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

2.5

映画のストーリーそのものより、ハンディカムでその場の様子を記録し続けた感じが、臨場感があって面白かったです。

しかし、あんな得体の知れないバケモノが襲って来たら、私だったら仲間を助けず押しやって1人
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.5

ミュージックの頭の中、カラフルでひらひらしていて良いなあ…と単純に思いました。SIAさんの楽曲は知らなかったけどポジティブなメッセージに元気を分けて貰いました。

自閉症のミュージック、アルコール依存
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.0

ロゼッタが生活保護の手続きをしなかった理由は何だったか。
あんなにキツい生活なら、さっさと手続きすれば良いのにと思ったから。

・生活保護を受けたら、今住んでるトレーラーハウスのような、最低限のところ
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.5

叔父さんと甥という、ある意味遠慮ない距離感が良く出ていたように思いました。
まだ『大人の常識』に染まりきっていないジェシー、その言動に振り回されつつも、自ら削ぎ落として来た(あるがままの自分)を思い出
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.5

テーマは北アイルランドの、宗派や色々絡み合った対立問題で、重いテーマではあるのだろうけど、画面いっぱいに動き回る主人公バディの愛くるしさに救われました。
まだ人や世の中の『闇』を知らない、光のような無
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.5

ロイ・アンダーソン監督作品、初観賞でした。
白塗りで動きも感情表現も控えめな登場人物たち、生きているのか死んでいるの
か。
この世界は不条理な出来事ばかり、でもそれをどうにかしようとするでなく、淡々と
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.5

70年代の雰囲気…投げやりな、ゆるい雰囲気が最高でした。薄暗くてふわっとした照明や、衣装も可愛い。

私立探偵ドックの元に、かつての元カノ、今は大物実業家の愛人シャスタが登場し行方不明に。
葉っぱで頭
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JOINT(2020年製作の映画)

4.0

出所したての半グレ石神が、真っ当に生きたいともがく…でもかつての後輩、仕事仲間、いろんな人間関係が網目のように入り組んで、抜けようとも抜けられない…
特殊詐欺に手を染め、真っ当になりたいとベンチャー企
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青い塩(2011年製作の映画)

3.0

ストーリーそのものは予定調和的な感じで、スタイリッシュな雰囲気で話が進みます。
ソン・ガンホが若い!そしてヒロインの女の子がめちゃかわでした。
お互いを意識し合い、好きになってはいけない理由はあれど、
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

ギレルモ・デル・トロ監督の世界観、闇感漂うサーカスのセットが最高です。迷い込んだら最後、気づいたら見世物にされてそう…笑

スタンの成り上がりからの、清々しいまでの転落ぶりが、恐ろしくもあり滑稽でもあ
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灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

4.5

クロアチアとセルビアの紛争についてはよく分からないです。知っているともっと楽しめると思います。

平和ぼけした私は、彼の国の戦争の状況を画面越しに眺め、戦争早く終われば良いね…値上げは嫌だな…と単純に
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メタルヘッド(2010年製作の映画)

3.0

喪失感から立ち直れず、抜け殻みたいになった家族の前に、唐突に現れた破天荒な奴。
やる事なす事破壊的なんだけどなんか笑える。常識を突き抜け過ぎるともう、どうでも良くなって後は笑うしかない。
おばあちゃん
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.4

巨大倉庫型スーパーにて奮闘する新人クリスティアン、無骨な上司ブルーノ、好きになった女性は人妻だった…マリオン。スーパーという閉鎖空間の中で、物語は静かに進んでいきます。
一日の大半が仕事、仕事の中にほ
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.5

駄目おやじ、かっこいいなあ。自分が駄目と自覚していて、変に取り繕っていないからこそ、な気がしました。

ウエスアンダーソンの作品に通底していると私が思うのは、どんなにぶっ飛んだ個性でも、箱に入れて優し
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

紙芝居的なセットと、おもちゃのように配置されたような人々。全てが可愛くおしゃれ。戦時中のヒヤリとした描写も出ては来るのだけど、程よい軽さで救いがあります。
ソリの追いかけっこのシーンが、Eテレでやって
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.5

箱庭の中で人形みたいに動く登場人物達が可愛いかった。セットも素敵。

私は1話が良かったです。レアセドゥのファンタジックな雰囲気に、役が合っていたように思う。
映画自体が、紙芝居的な…動きが抑え気味な
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.9

赤の愛が1番良かったです。
若さゆえ、世間を、物事を真っ直ぐに捉えて(その分、傷つく事も多い)生きているヴァランティーヌと、世捨て人のような元判事のお爺さん。(趣味は盗聴)
犬さんを介して始まった、2
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