スギノイチさんの映画レビュー・感想・評価

スギノイチ

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

『血の収穫』…というほどフュリオサはイニシアチブを握らない。
前作が確変的だっただけで、元々俺にとってマッドマックス自体これぐらいの面白さだから期待も失望もない。
アクション方面は派手派手になってて満
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影狩り ほえろ大砲(1972年製作の映画)

3.0

エロもアクションも増えてパワーアップ。
宮下順子らロマンポルノ女優もくノ一として参戦。
裕次郎といい舛田利雄といい、ロマンポルノに移行した日活を出ても、結局こういうポルノ時代劇同然な代物を撮ってるのは
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影狩り(1972年製作の映画)

3.0

70年代流行の劇画時代劇で、エロとバイオレンスが満載。
冷酷な成田三樹夫、スケベな内田良平とキャラも立ちまくり。
勝プロ時代劇に比べると大した出来ではないが、男性客が求める要素が満載なのでヒットしたの
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かぶりつき人生(1968年製作の映画)

3.0

西村昭五郎の『花喰う蟲』同様、プロト・ロマンポルノ的作品。
ストリッパーである主人公の造形は、もろ伊佐山ひろ子とか芹明香がやりそうなキャラ。

階段を四つ足で登ってくる半裸の社長とか、不必要に不穏な描
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悪太郎伝 悪い星の下でも(1965年製作の映画)

3.7

前作『悪太郎』とは話の繋がり無し。
軍鶏だのヤクザだの出てきて今東光モノっぽくなり、『河内ぞろ』に近い荒っぽい雰囲気に。
キスカップルを何組も横舐めするように追うカメラとか、映像的お遊びも増えた。
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悪太郎(1963年製作の映画)

3.3

『けんかえれじい』より清順美学は抑えめだが、幻想シーンも手伝ってそのぶん山内賢×和泉雅子のピュアな世界観が浮き彫りに。
『けんかえれじい』の高橋英樹は老け顔で損してたけど、山内賢と和泉雅子だから本当に
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卒業五分前 群姦(リンチ)(1977年製作の映画)

3.4

澤田幸弘らしく暴力的な内容。
3人の生徒が小川亜佐美を輪姦しようとする冒頭が壮絶で、『女教師』や『天使のはらわた 赤い教室』より泥臭くて生々しい。
2人がバッタにみたいに小川亜佐美に覆いかぶさって、上
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薔薇の標的(1980年製作の映画)

2.6

村川透はニューアクションよりムードアクションを嗜好していたらしいが、なるほど本作の舘ひろしは裕次郎がやりそうな役である。
犯罪アクションより男女のドラマが軸に有り、主人公はひたすらカッコつけて女のもと
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哀愁のサーキット(1972年製作の映画)

2.7

『野良猫ロック』のロマンポルノ版みたいな雰囲気で始まり、バイク族に取り囲まれながら車上で不敵に笑う峰岸徹が格好良い冒頭。
これはと期待したが、そこからはニューシネマのなり損ないが延々続く。
どうやら『
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ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲(1987年製作の映画)

3.2

女子中学生の父を吸うために奮闘する二人。
蹴られて中へ浮き、乳牛のアドバルーンに捕まる…
『不良番長』見てるのかと思った。
終盤ではいよいよ仲村トオルが馬に乗って登場。
ここまで行くと清々しい。

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コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

3.5

『アスファルト・ジャングル』に乗じたようなタイトルだが、集団犯罪モノであること以外関係なし。
ただ、直接的な犯罪シーンは極力描かず、むしろ「事後」のドラマを描くというのは共通している。

全編を貫く、
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ベルファスト(2021年製作の映画)

2.8

「映画に人生を救われました」系のノスタル話か…
見飽きてるし、あまり好きでない話。
老人たちの描き方など良かったのだけど…

”敢えてのモノクロ”ってだけであざといのに、『恐竜100万年』だの『チキチ
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ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎行進曲(1987年製作の映画)

2.8

降板した中山美穂に代わり、五十嵐いづみ演じる後輩女子・翔子がヒロインとなる。
80年代のガキっぽいヒロイン特有のわがままムーブで、トオル達を陥れるなど碌なことをしない。
イライラしていると案の定、敵校
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ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌(1986年製作の映画)

3.0

第2作、中山美穂降板篇。
前作で転校したはずのヒロインが出戻りしてくる。
いい加減なもんであるが、いかにもプロピクっぽい。

相変わらず飛んだり跳ねたり落ちたりの喧嘩シーン。
洋食屋風のドライブインを
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ビー・バップ・ハイスクール(1985年製作の映画)

3.4

プログラムピクチャーの末裔のひとつ。
きうちかずひろの趣向からすると東映不良路線のが妥当だろうが、むしろ日活アクションの血が濃い。
那須真知子が意識したという『けんかえれじい』よりむしろ、小林旭や宍戸
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高校大パニック(1978年製作の映画)

3.7

8ミリ版しか見たことがなく、一般版なんてどうせ冗長だろうとスルーしていたのだが存外アタリ。
一般尺になったことで確かに間延びしているし、少年がゲリラ教育でも受けたみたいな手練れと化しているのは玉に瑕だ
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高校大パニック(1977年製作の映画)

3.8

メジャー会社が『愛と誠』だの『男組』なんて虚構極まる学園映画を作ってる時期に若い世代からこんなブツが出てきたら、そら驚くだろう。

10年ぐらい前、脚本家志望の青年(当時二十歳ぐらい)が書いた原案を見
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ポネット(1996年製作の映画)

3.4

可愛らしいシーンがいっぱいなのに、母親を喪っているとはいえ少女ポネットの不安定な感じ(嫌いな子を殺すとか言い出す)と、男友達とのスキンシップが性的すぎて不穏。
これの前に観たのが『放蕩娘』だったのが良
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乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

3.5

後期当時、月丘夢路演じる主人公の女性像が物議を醸したらしい。
確かに「乳がんに侵された女性の奮闘」を期待すると、メロドラマ丸出しな作りに拍子抜けするかもしれない。
一方で、女性映画として掘り下げようと
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モーニング・ムーンは粗雑に(1981年製作の映画)

2.5

これはひどいな。ひどいが実に80年代ぽい。
主人公が車中で岸田森の陰口を吐くシーンで、漫画みたいな吹き出しで岸田森の顔が空中に浮かぶ演出。正気を疑う。
渡瀬恒彦も古谷一行もクソみたいなおっさん役で出て
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流転の王妃(1960年製作の映画)

3.4

そらまあどう見てもセットにしか見えないのだが、この「総天然色」としか形容のできない色合いが、リアリティを度外視した魅力を放つ。
この美術センスが大映スタッフの功績なのか田中絹代のそれなのか?俺には判ら
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お嬢吉三(1959年製作の映画)

3.3

薄幸の中村玉緒を女装してまで助ける雷蔵。
途中、強姦しかけるシーンが妙に生々しいが、雷蔵の相手役というと中村玉緒が一番合ってる気がする。

田中徳三らしくテンポ軽快で見易いが、仲間二人が途中から空気に
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人妻拷問(1980年製作の映画)

3.5

妹を輪姦した連中に1人ずつ復讐していく下元史郎。
ところが最後のターゲット大杉漣の妻は、妹と同じように犯された女の成れの果てで、やがて共鳴していく。
最初から最後まで悲劇しかないが、死にまくりのラスト
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襲られた女(1981年製作の映画)

3.8

下元史朗×山路和弘のブロマンス…
設定は『傷だらけの天使』っぽいけど、ダンスシーンは『冬の猿』を思い出す、年の差友情モノ。
10歳上の下元史朗が、一方的に自分の年齢を気にしているのはジョニー大倉×柴田
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襲られる(1977年製作の映画)

3.5

不良たちに輪姦された少女(田島はるか)は気が狂い、それを見た通りすがりの宮井えりなは初恋の大人(遠藤征慈)にレイプされた過去を思い出す…
いかにも加藤彰らしく回想と虚実が錯綜して、宮井えりなの回想もど
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ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

3.4

ローラーボードか何かだと思ったら整地ローラーか。
バイオリン弾きの子どもと作業員の青年との交流。
短尺ということもあるが、タルコフスキーの中でも圧倒的見易さ。

これの次がもう『僕の村は戦場だった』な
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濡れて泣く(1977年製作の映画)

3.3

未亡人が性に目覚めていく、というベタなストーリーのポルノだが、時系列と虚実がまぜこぜで煙に巻くような演出が凝っている。
宮下順子がやってることはほぼセックスしかないわけだが、終盤に着物でホテルに現れる
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

3.5

序盤はいかにも動物系ドキュメンタリーという感じで「ああ、ネットで見かけるヒグマ同士の喧嘩動画ってこれだったのね~」なんて気を抜いて観ていたが、ティモシー・トレッドウェルの半生が語られるようになってから>>続きを読む

実録桐かおる にっぽん一のレスビアン(1974年製作の映画)

3.5

桐かおるなる人物のことは知らなかったが、男装とも女傑ともつかぬ人物だ。
昭和レズ風俗の実態はなかなか興味深く、狂言回しの小沢昭一が例によって性分化レポ芸を魅せる。

劇映画なので、ドキュメンタリー要素
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肉体犯罪海岸 ピラニヤの群れ(1973年製作の映画)

2.5

日活ニューアクション&ポルノみたいな作品だが、昭和日本映画特有の”性犯罪=反体制、裕福層=醜悪”みたいなしょうもない構図に取り憑かれきったような作品。
というか裕福層の醜悪さが描き不足なので、シンプル
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ザ・マニア 快感生体実験(1986年製作の映画)

3.0

冒頭から死後を連発する女が出てきて見る気無くしかけたが、なかなかの監禁ホラーサスペンスだった。
大浴場から潜水服の男が出てきてレイプされるって、突拍子なくてコメディみたいだけど想像するとかなり怖いな。
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花嫁吸血魔(1960年製作の映画)

2.8

殺されかけた美女が怪物化し、自分を踏みにじった連中に復讐していく怪奇映画。
『美女のはらわた』の元ネタだったりして。

池内淳子、『花影』の前年にこんなのに出てたのね。
怪物形態、もずくのおばけかと思
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美女のはらわた(1986年製作の映画)

3.5

『処女のはらわた』よりさらにぶっ飛んだ作り。
泥まみれのおっさんにしか見えなかった前作に比べ、モンスターの造形も少し気合が入ってる。

内容はヤクザに輪姦された女の復讐譚だが、ヤクザたちの悪行が陰惨す
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処女のはらわた(1986年製作の映画)

3.0

スラッシャー映画のロマンポルノ版。
モンスターによる目玉飛び出しや臓物取り出しもエグいけど、DQN男がグラドルにパイルドライバーとかかけて嘔吐させる場面のが気分悪くなる。

ラスト サムライ(2003年製作の映画)

3.0

”傾向時代劇”に慣れていると、こうもストレートに「武士道」を美学的に描いた(しかも海外映画)を見ると新鮮に感じる。
それでなくても時代劇映画の名作は武士道に批判的であるものが多いし。

昔TVで観たと
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土佐の一本釣り(1980年製作の映画)

3.2

素人同然の主演をベテラン俳優陣でサポートする、同時期の『博多っ子純情』に似たやり口(原作のテイストもよく似てる)。
加藤純平なる主演には全く魅力を感じないが、ヒロインの田中好子は良い。
中年女優になっ
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