旅するランナーさんの映画レビュー・感想・評価

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関心領域(2023年製作の映画)

4.2

【感音領域】

アウシュヴィッツ強制収容所所長一家の穏やかな日常と、隣り合わせの異常。
漏れ聞こえる音、何げない会話の中に、残虐性が潜んでいます。
音を感じ取る映画です。

その音響は、これまでもジョ
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ザ・フェイス/誰だ!(2014年製作の映画)

3.9

【1本で2度美味しい】

「RRR」のラーム役、ラーム・チャランの2014年主演映画。
最初しばらく、えっ、ラームってこんな顔してた?って思います。
20分くらい見ていると、成形手術をして、無事ラーム
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ブリンダーヴァナム 恋の輪舞(2010年製作の映画)

4.3

【家族関係を丸く収める三角関係】

「RRR」のビーム役、NTR・ジュニアが強さと優しさを合わせ持つ魅力全開。
娘さんの婚約者の振りをして、父親の強権により委縮し敵対する家族関係を修復させていく。
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.0

【リンダ食らっちゃう】

記憶にないことは存在しないのか?
いや、そんなことはない。
確かに父親は実在した。
リンダがまだ小さかった頃に、父がパプリカチキンを作ってくれた記憶。
その思い出の料理を食べ
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

【基本お気楽アクション映画監督ガイ・リッチーによる若干社会派戦争映画】

2018年、アフガニスタン。
アメリカ軍の曹長ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)率いる部隊は、タリバンの爆発物製造工場
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

【ホットの拳】

マブリー「犯罪都市」シリーズ第3弾。
益々拳の威力は増すばかり。
火を噴くような熱拳。
ボクサー並みの俊敏な動きと、強力な破壊力のパンチで、悪党どもをねじ伏せる。

日本ヤクザ青木崇
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.3

【2023年度キネマ旬報ベストテン上位作品2本立て②】

キネマ旬報日本映画第1位。
糞のような世の中に、美しい恋が咲く、青春時代劇。
さすが、阪本順治監督だけあって、新感覚のモノクロ幕末時代劇を作り
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.0

【2023年度キネマ旬報ベストテン上位作品2本立て①】

キネマ旬報日本映画第3位。
主演女優賞を趣里、新人男優賞を塚尾桜雅くんが受賞。

戦争による後遺症、敗戦による喪失感。
地べたを這うように生き
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.2

【全国生中継舞台挨拶付上映】

登壇者:草彅剛、國村隼、市村正親、小泉今日子、白石和彌監督。
全国47都道府県327劇場を繋いでいて、すごい。

草薙くん・國村さんが「囲碁·碁敵によってインスパイアさ
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.1

【ダーレン節】

ダーレン・アロノフスキー監督デビュー作。
デビュー作にはその監督の特徴が強く出ていると言われますが、確かにアロノフスキーらしさが詰まっています。
沼にはまりすぎて狂気の世界に入ってい
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.9

【ノーラン節】

クリストファー・ノーラン監督デビュー作。
デビュー作にはその監督の特徴が強く出ていると言われますが、確かにノーランらしさが詰まっています。
他人の尾行を繰り返す作家志望の男が思わぬ事
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版(1966年製作の映画)

4.1

【善玉、悪玉、卑劣漢】

監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラック
音楽:エンニオ・モリコーネ
全てが揃った、マカロニ・ウェスタンの大作。
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耳をすませば(2022年製作の映画)

3.1

【耳をすませば、心の声が聴こえるか】

ジブリアニメの10年後を交えて実写化した本作には、二つの名言が引用されています。

一つ目は、映画「タイタニック」のジャック(レオナルド・ディカプリオ)の言葉、
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

【新しさなき帝国】

地下空洞世界という、ジュラシックパーク空間を作り出すことにより、何でもありになってしまった。
そうなると、製作者側の自由な発想で、やりたい放題できる。
だけれでも、それほど驚くべ
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.6

【台湾への、そして、日本へのラブレター】

18歳台湾人男性による台南での青春と初恋。
そして18×2=36歳になってからの、思い出と人生を確認する日本旅。

主人公ジミーの18歳と36歳を演じ分ける
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シンデレラ(2015年製作の映画)

4.0

【クリスタル·プリンセスの王国】

リリー·ジェームズが、やはり素晴らしい。
舞踏会での初々しさ、ガラスの靴合わせシーンでの謙虚さ。
彼女の醸し出す雰囲気に静かな感動を覚えます。

フェアリーゴットマ
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ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.9

【Let's get together and feel all right!】

祖国ジャマイカの政情不安による国外脱出。
ロンドンでの、アルバム「エクソダス」の曲作りと欧州ツアー。
国を一つにする
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ジョン・レノン 失われた週末(2022年製作の映画)

3.7

【カム・トゥゲザー、ジョン】

オノ·ヨーコが作った通説に対抗する、第三の女メイ·パン史観によるジョン·レノン伝説。
ヨーコの重石が外れて、アメリカで生き生きハッチャけるジョンの映像·写真多数。
ポー
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チェイサー(2017年製作の映画)

3.0

【ツレサラレ】

ラッセル・クロウ「アオラレ」に次ぐ、罪のない人々マキコマレ型カーチェイス・スリラー。
原題Kidnapということで、6歳の息子を誘拐されたお母さんが、ネバーギブアップな追跡を繰り広げ
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.9

【思いのほか...】

八丈島近海を舞台に繰り広げられる、海洋アクション。
思いのほか、スケールが大きく、スリル溢れるアクションです。

黒ずくめの組織が、思いのほか、膨大な資金を保有しているようです
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アバウト・ライフ 幸せの選択肢(2023年製作の映画)

1.1

【ありえへん∞夫婦】

結婚生活・夫婦愛の継続性と意義を問うコメディ。
将来のことが不安になって結婚の決断できないあたり、「4月になれば彼女は」での長澤まさみによるありえへん行動と思考に繋がるところが
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

3.7

【殺~して、おじいさん♪】

大統領による独裁国家スイス。
大統領が経営する製造会社以外のチーズは全て禁止さている。
闇チーズを販売していたペーターが処刑され、おじいさんまでもが大統領の部下に殺害され
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.1

【たられば痛め】

人生の選択肢、分岐点、たられば。
バカリズムの「素敵な選TAXI」じゃないけど、この脚本はバカには書けない。
様々な局面での何げない選択によって幾通りにも枝分かれしていく、ある女性
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ガールズ&パンツァー 劇場版(2015年製作の映画)

4.5

【男子諸君、パンツァー・フォー!】

塚口サンサン劇場での「岩浪音博2024」(岩浪美和音響監督監修による特別音響上映、パッケージリテイク版)。
「NO MORE 映画泥棒」からすでに、通常は聞こえて
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.3

【ノルウェーの童夢】

ノルウェー郊外の団地が舞台。
超能力に目覚めた無垢な子供たちによる、サイキックバトル。
大人の知らない、子供の世界。
みたいな感じで、静かな怖さがある。
自閉症のお姉さんが超能
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名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)

3.2

【根性のフィクション】

シンガポールを舞台にするために、パスポートだと海外渡航できないコナンくんがスーツケースに詰め込まれる荒業。
しかも、コナンくんは特殊メイクで肌を浅黒に染められ、現地在住の日系
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

4.1

【子供心を忘れてない人々へ】

「メアリと魔女の花」などのスタジオポノックが制作を手掛けた長編アニメ。
子供たちの想像から生まれたイマジナリーフレンドたちが暮らす想像の世界と、現実の世界が交錯する。
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

【プロメテウスの救済】

原爆の父、米物理学者J・ロバート・オッペンハイマー。
人類に原爆という最終兵器を与えてしまった男。
天上の火を盗んで人間に与えた罰として、ゼウスの命令でカウカソス山に鎖でつな
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あまろっく(2024年製作の映画)

4.4

【兵庫県先行、江口のりこ·中条あやみ他初日舞台挨拶付上映】

尼崎が舞台の映画を尼崎で観る。
これほど尼崎を優しく、楽しく、美しく描いた作品は初めて。

中条あやみはひと皮剥けたコメディエンヌぶり。
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.5

【宮沢賢治体質】

第158回(2017年)直木賞を受賞した門井慶喜の小説を実写化。
宮沢賢治が人造宝石、農業、宗教などに没頭するダメ息子に描かれています。
こだわり体質であり、思い込み体質であり、親
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.7

【いくとこまで行く】

韓国映画を日本でリメイク。

監督:藤井道人
主演:岡田准一、綾野剛

二人の悪い刑事によるガチ対峙。
ここでも、柄本明が怪演を見せるんですけど、
やはり岡田准一vs綾野剛の狂
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.9

【タイムマシ-ン気分を味わえます】

原作・脚本:上田誠(劇団ヨーロッパ企画主宰)
監督:本広克行(踊る大捜査線シリーズ)
出演:瑛太、上野樹里、川岡大次郎、ムロツヨシ、永野宗典、真木よう子、佐々木蔵
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.7

【バズる貝】

実写とストップモーションアニメを融合させた作品。
アマチュアの映画作家が靴を履いたおしゃべりな貝と出会い、そのドキュメンタリーをYouTubeで公開する。
そりゃー、チョコチョコ歩いて
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ただ空高く舞え(2020年製作の映画)

3.9

【空王】

インド初の格安航空会社エア・デカンの創設者G・R・ゴーピナート大尉の自伝的著作をベースに、航空会社創業に邁進する姿を描きます。
当然、大手航空会社や政府関係者からの妨害、茶々入れが入ります
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後継者(2023年製作の映画)

3.7

【世界で一つだけの家族】

大企業オーナー一族が住む大豪邸で展開される後継者争い。
お庭の池に錦鯉でもいれば、それはもうキムタクのドラマ「華麗なる一族」の世界。
誰も一緒に食べない食卓、家族からガン無
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ジッラ 修羅のシマ(2014年製作の映画)

3.8

【カーといえばキー】

インド・タミル・ナードゥ州中南部に位置する都市マドゥライを牛耳るマフィアが主人公。
完璧俳優と称されるマラヤーラム語映画界の大スター、モーハンラールが首領シヴァン。
彼に息子の
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