muscleさんの映画レビュー・感想・評価

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ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ワンカットを大事にしている。手術室往復するところで清掃道具がごろっと落ちるまでを納める。
包み込む会話が全てユーモアで素晴らしい。「Wi-Fiのパスワードだよ、未開人だと思って舐めるな」。
マントがじ
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Skinamarink(原題)(2022年製作の映画)

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ラストの名前を呼んでくるところはかなりPS版lainを思い出した。ジャンプスケアがないわけじゃないのだけど、尋常じゃなく映画が長いので、耐えられない人もいると思う。絶妙に長すぎる嬉しさ。ヒュートラあた>>続きを読む

チャイム(2024年製作の映画)

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爆音のモスキートも聞こえないチャイムも、映らないピンポンも、光る存在しない電車も音としての幽霊の変容で、諦めてるんだか諦めてないんだかわからなくてこの短さなら全然許せる。というかこの作品で最近の黒沢清>>続きを読む

ハード・コア(2018年製作の映画)

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本当に冒頭のちゅっと松たか子がどうでも良いキスをするのがすごい。こんな映画に出て、こんなことするわけがない演出をギャグに使うのが山下敦弘監督のズレ方外し方。山田孝之は熱演すればするほど、空々しくなるが>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

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フィアレスと同じくラストに扉の向こうに消えていく男の背中のシーンとそれを見つめる人々のシーンがある。
放送局の、あのレトロSFな見た目がこの映画にバンと出てきてこれまでの室内は全部広告でしたと明かされ
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

5.0

ゼメキスでベストかもしれん。人が浮き上がり炸裂パーティ。『ペンギンズ』見たときも思ったけど、最後に人間に戻らないのはいい映画。ゼメキスはおそらく3Dでこれを考えていたんじゃないかって視差強調ショットが>>続きを読む

レクイエム(1971年製作の映画)

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根本敬が勝新太郎のレコードのグルーヴ感、いい意味でのぬるま湯っぷりを語ってたけど、なんていうかそれ。ワンカットワンカット、ロケーションに自信ありすぎてビビる。石の神殿みたいなとこで女が寝ころばせられる>>続きを読む

飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲(2013年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい。当然3Dブルーレイでわざわざ鑑賞したのが大きいのだけれど、単に飛び出しを狙うのではなく、屋敷内の地下室、闇の奥、反射をうまく使ったカットが光る。『ファイナル・デッドサーキット 3D』でもあ>>続きを読む

ラストムービー(1971年製作の映画)

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確かに編集のリズムがあるような気もするが、それどころではない話法。「とにかくサブテクストの芳醇さが文学なんだ」というのはめちゃくちゃ沁みた。ドキュメンタリー見てからじゃないとマジで理解できなかったので>>続きを読む

アメリカン・パイ(1999年製作の映画)

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99年映画で未見だったから見た。ものすごい低画質でセックス中継。コンプラ的にどうこうよりも、男子のキャッキャしてる感じになんていうか、『テレクラキャノンボール』の礎感がある。でもそれきっかけで転校する>>続きを読む

マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

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ショーン・ダーキンってこんなにめっちゃおもろいんすね。人間を吸い込む闇のような森。殺害シーンでのアクションつなぎ。ラストのピント送り。静謐さとテクニックの感じが2020年代の雰囲気なのに2011年、も>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

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結局アレなんだったの?みたいな瞬間がめちゃあるが、要所要所で魅せてくれれば気にならないという。ジャケとぜんぜん?いい意味で違う映画。

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

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めちゃくちゃおもろい。こんな映画なのにフィルムノワールオマージュに溢れてる。参照先が『マルタの鷹』とか『深夜の告白』なのか。ポケモンのリアリティラインをなんとか下げずに街の暗さでディテールを上げてる。>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ストイックでスタイリッシュなんだけどかなり山野一マインド。この予算の映画で、ここまで全員完膚なきまでに容赦なく全員叩きのめして死ぬ映画は珍しくて嬉しくなってしまった。80分もない単調さも嬉しい。

こどもが映画をつくるとき(2021年製作の映画)

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比べるべくもないけど『14歳の栞』がもう少しだけこの映画みたいだったらと思ったら。逆にこの映画にはもう少しだけナラティブが欲しい。聞き分けのいい子供たち、それよりも三宅唱監督の言うトニースコットのチー>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

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ラストでほんとうの掘立て小屋ですみたいなバラックが出てきて感動する。全裸to全裸。でも裸体をありがたがったり盛り上がれ!ってならない、死体を死体として驚かす気ゼロで映す。執念じみてる。

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)

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ひたすら軽くて面白い。やっぱり駐輪場でのど付き合いでふとロングショットが挟まるところ。ラストの結婚式の速度! この路線のカサヴェテスをもっともっとみたかったなって思った。

ダンスウィズミー(2019年製作の映画)

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ファンタジーを創出させるための受難が荒唐無稽であればあるほど矢口史靖監督の映画って輝くと思うのだけれど、『サバイバルファミリー』以降、ちょっとこの底意地の悪さがあんまり笑えないというか、カラッとしてい>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

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スタッフインタビューとゴダール本人映像多くて嬉しい。 『2人のヌーヴェルヴァーグ』よりは映画史に向かう構成で後期の扱いが大きくて嬉しい。それでもゴランとの時代は完全に黒歴史扱いされている。そして再現ビ>>続きを読む

妖怪の孫(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

一水会のメンバーだったり、三島由紀夫関係者だったり、そこ!?みたいな人たちが答えているのが面白い。あと岸信介について普通に勉強になった。そして何よりガビガビの画質のアベノミクス関連よりも、フィルムで撮>>続きを読む

イサドラの子どもたち(2019年製作の映画)

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こういうスタンダードに日付のカウント…諏訪監督っぽいドキュメンタリータッチな上にコンテンポラリーダンス…、ヤラシさしかないんだけどハズすんじゃなくてド直球で、逆にオッケーみたいな清々しさ。第3話が一番>>続きを読む

マイ・ファースト・ミスター(2001年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

リーリー・ソビエスキーにはゴスをやめないで欲しかった。本当にいい映画だったと思ったけれど、やっぱりマトモになってしまう。『こいびとのみつけかた』はこういう非性愛関係を力技で成立させようとしてる辺り、め>>続きを読む

ブラックライダー(1986年製作の映画)

5.0

バカおもろすぎてビビった。

渡辺信一郎っぽい冒頭。ラストの肉弾戦カッティングといい『天国の扉』の元ネタ感がすごい。
ナンパを聞いているだけのカッティングがずっと気持ちいい。「努力は認めるわ」出会いの
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

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ごめんね画面から出られないの 私は2次元の女の子どんなに気持ちが高ぶっても貴方に触れられない。カジュアルなテレホンセックスと優しそうなレンズフレアとささやかで皮肉交えたセクシーなポエム。テレンス・マリ>>続きを読む

はい、泳げません(2022年製作の映画)

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正直かなり期待したというか、矢口史靖監督っぽさもありつつマーク・ローレンス映画みたいなロマコメかと思いきや後半でぜんぜん邦画になっていてかなり萎えた。ポスターがバズっていて、あの『フレフレ少女』の…!>>続きを読む

いつか、いつも……いつまでも。(2022年製作の映画)

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玄関を出入りするDJ松永、僅かな動きだけで運動神経良さそうだなと思った。

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)

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チャーチルが表情豊かでグッとくる。このコンセプトでもっとシャバい映画たくさんみたい。青年期の独裁者たちが林間学校に預けられてFGOな青春送るモーターサイクルダイアリーズ的な映画とか……。こんな神が見る>>続きを読む

Single8(2023年製作の映画)

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普通にメチャクチャ勉強になるしこんな映画に(?)高石あかりがヒロイン役で出ている。現像代300円とかだった時代に行ってみたさはあるけれど、その時代でもリバーサルフィルムはメチャクチャダルそう。

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

演技ができない、喰わせ者になれないことを嘆いている主役だが、ものすごく演技をしている。例えば車内で無所属で出馬を表明した後のあの長く長く、近い沈黙とか。映画で見せられるとなんとなく納得できる精度に見え>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

結局老人気持ち悪いホラーでしかなく、構成だけでしかないじゃーんってなったけど、そんなに嫌いではない。荒廃した町のヒキになった途端イキイキとしている。それでも地下世界のディテールやら、そもそもの怪物ディ>>続きを読む

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

インタビューされているときのゴダールが「話している俺を撮るな、それを聞いている人々を撮れ、それはずっとずっとサスペンスだ」みたいなことを言っていたが、本当にこの映画はずっとそう。この言葉を言っている時>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

Gレコを見ればわかるけど、これは富野由悠季のいいところでも悪いとこでもあるんだけど、異世界で変なことが行われていてもそれがこの世界と同じくらい変だとも限らないから奇異な反応を入れたりしない。その自然さ>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

1.0

伊原六花さんすごくいい。この手の映画を見ても本当最近の女優をカタログ的に見るみたいな楽しみしか見出せなくて、だからこそラストの佐伯日菜子のアップが嬉しい。

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

期待値が低かったからか、とてもとても面白かった。スプリーもそうだけどこの手のジャンル映画になると極端にゆるくなってしまう。 でもこの映画はpovとかにありがちな深刻さがとにかく全くないから展開が早い。>>続きを読む

サムシング・イン・ザ・ダート(2022年製作の映画)

5.0

コワすぎ!最終章をアメリカがまたしても低予算でやってる感じ。こういう映画に本当に弱い。ロックダウンの性犯罪者の陰謀論って、マジでどうしようもない話なんだけど『ピクセル』の地下陰謀論者たちがそのままバッ>>続きを読む

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

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ヴィアゼムスキーの顔が本当に市川実和子に似てる。つうかzipperとかの顔。こち亀みたいなラスト。パゾリーニって一番もう見なくてもいい映画作家って思っちゃう。

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