tomtomさんの映画レビュー・感想・評価

tomtom

tomtom

映画(200)
ドラマ(1)
アニメ(0)

子宮に沈める(2013年製作の映画)

2.4

子供の育児放棄という、悲痛なテーマを扱った映画。とても母親の行動を正当化することは出来ないが、その孤独感や苦しみは本物であったはずで、只々遣る瀬無い気持ちになる。悲しい。

福田村事件(2023年製作の映画)

4.1

とても見ていられない、とにかく見ていて辛い映画。針金で手を結ぶやり方、在郷軍人会の暴走、水場に追いやられて殺される人々、内務省発のデマ電信、亀戸と提岩里の二つの事件。時代考証を生々しいまでにやっている>>続きを読む

殺人の告白(2012年製作の映画)

3.0

初めて見る作品だと思っていたけれど、もうずっと前に観たことのある映画だったことを途中で思い出す。先の展開がある程度読めてしまう難があるものの、終始緊張感があり、娯楽作品として良くできた映画。役者さんの>>続きを読む

守護教師(2018年製作の映画)

2.7

キム・セロンとマ・ドンソクが出てくるスリラー映画が面白くないはずがなく、尺も短いので移動の時などに観るのに丁度良い映画だと思う。ただ、ストーリー展開は月並みで、良くも悪くも腹八分目感のある映画だった。

パッチギ! LOVE&PEACE(2007年製作の映画)

3.3

1作目に比べて政治色が格段に強くなり、娯楽作品としての出来より「言いたかったこと」に重きが置かれる作品。ディテールの部分は前作よりも凝っていて、アンソンの親父が話す韓国語が済州の方言だったり、4.3事>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

5.0

間違いなく人生で一番好きな映画の一つで、もう10回くらい観ているんじゃないかと思う。何度見ても、その時の心境や韓国との関わり方次第で少しずつ違う色合いに見えて、役者さんの朝鮮語も前回はひどいと思ってい>>続きを読む

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

2.6

「パッチギ」を観た直後だったので、冒頭しばらくはどうしても沢尻エリカのキャラクターに違和感があり、あまり気乗りせずに観ていた。あと、検事のセリフがあまりにも気障なので、上滑り感もあったかもしれない。一>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

2.8

物凄く恐いホラー映画というわけではないし、何か取り立ててあっと驚くようなストーリーの奇抜さがあるわけでもないのだけれど、週末の夜に気分転換に見る分には丁度良いような、少しB級テイストの作品。序盤から緊>>続きを読む

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.2

悪女に翻弄された二人のテニスプレーヤーが、人生やプライドをかけて大舞台に望む話。

アメリカ映画らしからぬ低予算テイストながら、期待を良い意味で斜め上に裏切る良作だった。登場人物の絶妙な心理的駆け引き
>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

2.8

電気やガス等と比べても、なければそれだけで致命的なライフラインの根幹とも言える水道。それが切られてしまう程の各世帯の抱える状況の深刻さを考えると、確かに行政の方々の中でも、気が病んでしまう人はいるだろ>>続きを読む

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

2.7

木の赤ん坊といい、登場人物といい、食事のビジュアルといい食べ方といい、あらゆる要素が不快感を誘発する稀有な作品。映画を見る前に小腹が空いて、カップラーメンを食べたのだけれど、鑑賞中に何だか吐き気がして>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.8

なんとなく直近に見た「正欲」や、さして共通点があるわけでもないのに「アネット」を思い出した。個人的には、予め想像していたよりは面白く、心に残す爪痕という意味では、それほど深く入ってこなかった映画。

複製された男(2013年製作の映画)

2.5

原作作家のジョゼ・サラマーゴが書いた「白の闇」という小説がとても好きで、楽しみにしていた作品。正直、納得感のある終わり方をするとは言えないものの、途中まではかなり面白く見ていた。今調べてみると、「白の>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

映画館で公開された当初、身の回りで評価が大分割れていて、何となく見過ごしてしまったのが、今となって悔やまれる。映像そのものが綺麗なのでやはり大スクリーンで見ておきたかったし、行って後悔することもなかっ>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

2.7

ギャングや貧困をテーマにした作品ばかりが売れる黒人文学シーンに嫌気が差したインテリ黒人作家が、皮肉で書いたステレオタイプ全開の小説が、却って文学賞を取ってしまう話。

新潮社のクレストブック・シリーズ
>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

2.5

バカンス先のスキー場で雪崩が起き、妻子を置いて逃げてしまったことで信頼が失墜したマッチョなお父さんが、家族と残りのバカンスを気まずい思いで過ごす話。

咄嗟の判断で無意識的に取ってしまう行動をもって、
>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

2.5

多様性、重要なテーマだとは思うのだけれど、果たしてこの映画を観て、多様性について深く考える心境になったかというと難しい。不登校の子供を庇うお母さんの言い分や行動には、世間ずれしたものを感じて、正直心配>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

2.9

考証の一点軸で見た時には、とても褒められるような作品ではないだろうと思う(そもそも数学の天才=計算が早いというのも短絡的な感じがするし、旧軍が外部から連れてきた一学生が気炎を上げられるような風通しの良>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.4

ふと、人生を振り返りたくなるような、深みのある作品。邦画特有の淡々とした描写が良かった。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

3.6

評判の良い映画というのは、やっぱり観ておくべきだなと思った。ストーリーについては事前にある程度分かっていたので、少し間延びする内容なのではないかと思っていたのだけれど、実際には2時間の尺が丁度良かった>>続きを読む

オンマ/呪縛(2022年製作の映画)

2.4

毒親というある意味個人的な文脈の中での恐怖といい、アメリカ人の目に映る異文化としての韓国文化の異質感といい、観る人全員が共感できる怖さに落とし込むことは難しいのかなと思う。だからこそある意味挑戦的だと>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

3.4

ゾンビの登場でディストピアになった世界線を描いているのに、何故かアメリカに行きたくなってしまう映画。ゾンビを倒しまくり移動する道中の色々なアメリカ的なものに惹かれてしまう。子役のアビゲイル・ブレスリン>>続きを読む

Exhuma(英題)(2022年製作の映画)

2.8

韓国出張中に鑑賞。多分日本では公開されることのない作品なので、こちらで見れてニッコリ。日本人なので途中途中白けてしまうが、ホラー映画としてもそれなりに見応えがある。やっぱり韓国のホラー映画は、巫信に関>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

2.9

草食性の動物の肉の方がエグみがなくて美味しいとは聞くけれども、ヴィーガンの肉を題材にコメディ映画を作ってしまうこの躊躇のなさ。ストーリーや演出自体も振り切れていて、期待どおりの映画だった。

犬鳴村(2020年製作の映画)

3.0

牛首村に比べると、というか、牛首村以上にツッコミどころ満載な設定なのは間違いない。とはいえ、正統派日本ホラーとでも言うべき怖さのテイスト、日常から離れてスリルを味わうために見る週末の1品としては、これ>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.2

とても淡々としたトーンの作品だと思ったら、全米で500万部以上を売り上げた文学作品が原作との事。湿地帯のあばら家に取り残され、一人で暮らしてきた少女カイヤが、街のプレイボーイ、チェイスに弄ばれるところ>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

2.9

地元が舞台の映画は、色々な感傷が重なって、率直に評価できなくなってしまう。見慣れた景色ばかりだと動線が気になったり、郷土の描かれ方に知らずの内にセンシティブになってしまうのだろう。ただ、モヤモヤとした>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.0

早々からセクシュアリティに関する話なのだろう、というふうに見ていたが、宗教的、文化的な抑圧全般に係る話だったように思う。抑圧される中で、人の本質的な部分が見えたり、行き違いが起こったりする妙が淡々と描>>続きを読む

今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.3

子供の頃父に薦められて読んでいて思い入れのある漫画で、原作のドタバタ感を思い出しながらとても楽しく観ることができた。

オットーという男(2022年製作の映画)

4.1

「幸せな一人ぼっち」という原作作品を観ていなかったため、却って何の違和感もなく没頭して観ることができた。トム・ハンクスとマリアナ・トレビーニョの演技がうますぎて、それだけで何度も感嘆してしまった。あま>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

2.6

話の筋が分かっていたので、それほど没頭して見たわけではなかったが、ストーリーといい演出といい、とてもよくできた良作だった。

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.6

表現が過激すぎると思うか? 思う。 あまりにも原色的で、疲れを感じてしまったか? イエス。けれど、その根底には明らかに生身の人間の怒りが隠れていて、教条主義的の範疇を超えた驚きや説得力があった。

>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.4

日曜日の夕方映画を観るルーティンは、休み明け前に気持ちをリラックスさせるためなのだけれど、会社勤めの悲哀が共感できるものばかりで、むしろ明日の仕事のことを考えてしまった苦笑。

繁忙期の一週間をタイム
>>続きを読む

薄氷(2021年製作の映画)

2.9

結構早い段階で物語の筋が読めてしまうので、サスペンスとして楽しめたとは言えないが、ある程度のスリル感がありストーリーも明快なので、退屈しない映画だと思う。ネタバレになってしまうので触れないが、日本の某>>続きを読む

禁じられた歌声(2014年製作の映画)

2.3

イスラム過激派によって支配されたマリ北部のトゥアレグ族の町。歌やサッカー、タバコなど、あらゆる娯楽が禁じられた中で、抑圧された人々の暮らしを描く物語。

時には悪意よりも、善意の押し売りの方が恐ろしい
>>続きを読む

MAMA(2013年製作の映画)

3.3

鑑賞後にアメリカ映画ではなくスペイン・カナダの合作だったと知り、腑に落ちるような思いがした。グロ描写があるでもなく、音で脅かしてくるわけでもないのに、話の流れと演出だけで十分に気味が悪い。幽霊が見えて>>続きを読む