うめさんの映画レビュー・感想・評価

うめ

うめ

インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者(2018年製作の映画)

3.7

愛人の殺害容疑をかけられた実業家
それを救う為に呼ばれた弁護士
少しずつ明らかになっていく事件の全貌

イタリア産のサスペンスですが
スペインや南米のような湿度もなければ
北欧のようなハードな切れ味も
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.2

まだ未レビューだったし
だいぶ前に地上波を録画したのがあったので
久しぶりの再見

う〜ん
何度見ても色褪せぬ面白さ
今でも充分に刺激的です
前回はまだアニメ夜明け前だったので意識してなかったけど
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関心領域(2023年製作の映画)

-

楽園の隣で

ぽっかりと口を開けているのは

まさに地獄

煙が上がり

朝も夜も絶え間なく響く

叫び声と銃声

それを聞きながら

まるで当然のように

彼らは笑い

彼らは喜ぶ

人の心はここま
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ブルーサーマル(2022年製作の映画)

3.9

バレーボールに打ち込んだがゆえに
心に刻み込まれた傷
それを振り切るように都会の大学を選んだ“都留たま”
ひょんな事から夢見たキャンパスライフから離陸し
グライダーという上昇気流に運ばれていく

話は
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ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007年製作の映画)

4.1

姿を消した4歳の少女
探し回る探偵が辿り着く真実とは

それぞれが抱える思い
それは真っ直ぐなものなのに
その線が交わることなく
交わっていたはずの線さえも儚い
ストーリーを苦しく切ないだけにさせず
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百花(2022年製作の映画)

3.4

傷を負ったままの息子

後悔を引き摺ったままの母親

2人の間に横たわる深い溝

認知症と子供

封じ込めていた思いは動き出す


共感しづらいとか
行動に納得できないとか
その辺に批判が集まりそうだ
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ジャンクフード(1998年製作の映画)

3.8

薬に

暴力に

肉欲に

塗れた

男と女も

善意も悪意も

日本人も外国人も

ごっちゃごちゃに混ざり合い

猥雑で

粗暴で

チープで

エネルギッシュで

妙に癖になる

まさにジャンクな
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FASTEST(2011年製作の映画)

3.7

不世出の天才ライダー“ヴァレンティーノ・ロッシ”を中心に
2010年頃のMotoGPが語られる
そんなにモータースポーツ好きでもないし
バイクの免許も持ってないけど…
「バリバリ伝説」世代としては
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.3

熱い興奮は
冷たい興奮になって帰ってきた

あの大傑作だった前作
シャーリーズ・セロンという壁
これはもはや無理ゲーでは…
そう思った私と同じ人々よ
アニャの前にひれ伏すべし!
大きな瞳から燃え立つ憤
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.9

どうしようもない男と

どうしようもない女の

行き当たりばったりで

愚かな旅の道行き

足踏みしたままの生活への

諦めと苛立ち

そして

彼女は一線を越える



やるせなさと
どうしようもな
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

3.8

婚約したカップルが
車のトラブルで助けを求めた館
そこで繰り広げられるものとは
噂は聞いていながら初めて見ました

この映画を語るに何をどう語るか
ちょっと困っちゃうんですけど
一言で言うなら
「なん
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キューティ・ブロンド2/ハッピーMAX(2003年製作の映画)

3.5

控えめになったとはいえ相変わらず
ピンクに包まれたリース・ウィザースプーン
結婚式に飼い犬の母親を呼ぶためにワシントンに殴り込みをかける

う〜ん
それなりには面白いし
ガールズパワーも満点なんだけど
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

愛だ

自分本位なのも

衝動的なのも

犠牲になるのも

思い続けるのも

狂ってしまうのも

愛してるから

そして

這いずり回る人間

奪われるままの異星人

争わざるを得ない哀しみ

やわや
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.3

いなくなってしまった最愛の娘

ただ信じ縋り求める両親

見ている私達も

無情な現実に

容赦のない好奇心に

無慈悲な書き込みに

切り刻まれ

摺り込まれ続ける塩

「お前 凄えな」

石原さと
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街の上で(2019年製作の映画)

4.1

下北を舞台に
始まって
終わって
そして
再び始まって
シュールで
シニカルで
ビターな
それぞれの恋の物語

さすがは今泉監督
彼女の穂志もえか
古本屋の店員の古川琴音
自主制作静画監督の荻原みのり
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.1

待ち続けた希望も失い
ミセス・ハリスに残ったのは
夢に見るような美しいドレスへの憧れ
ブランドは“クリスチャン・ディオール”
向かったパリで待つ出会い

人の善意と
人の優しさと
人の悲しさ
それが感
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イサドラの子どもたち(2019年製作の映画)

3.9

伝説のダンサー“イサドラ・ダンカン”
2人の幼い子供を失い
絶望した彼女が作った「母」

ダンサー
トレーナーと教え子
観客
四者四様の関わり合い

何も特別な事が起きるでもなく
魅せられたり
練習し
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.3

これは

ほつれたのだろうか

それとも

最初から結ばれてもいなかったのか

夫婦

愛人

親子

どこか関係が壊れていて

それはさすがに…といった行動ばかり

でも

それは不思議な事ではなく
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ウーマン・キング 無敵の女戦士たち(2022年製作の映画)

3.7

大国から搾取されながら
踏みとどまらせている存在
女性だけの戦闘集団“アゴジェ”
それぞれの苦悩と悲惨な過去と共に
真の独立の為の戦いが始まる

ストーリーも鉄板だし
キャラも立ってるし
アクションだ
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.3

浪人に身を落としつつも

嘘偽りなく

才能を隠し

娘の絹と二人

ひっそりと生きる

柳田格之進

その人柄と碁が救うかに思えたが

過去は追いかけてくる



草彅くん
あなたはやっぱりすごい!
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.8

東西冷戦時代
核による衝突を避けるため
西側諸国と旧ソ連の間で繰り広げられたスパイによる情報戦
巻き込まれていく1人のビジネスマン
イギリス人のグレヴィル
演じるベネディクト・カンバーバッチがさすが
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.0

「普通」に馴染めない予備校講師

キモかっこいい成田凌が最高

「普通」なのに苛立ちを感じる女子高生

ムカつく顔こそが魅力的な清原果耶

「普通」を考え悩み導き出す答え

いやらしさ全開な小泉孝太郎
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ニコルに夢中(1999年製作の映画)

3.8

幼馴染だった2人に生まれた距離
陽キャに育ったニコル
隠キャに育ったチェイス
学校の大イベントを前に
失恋した相手を取り戻すため再接近するが

「あぁいつものアレか」
そう思った方
そう
いつものアレ
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恋は光(2022年製作の映画)

3.8

「恋とは誰しもが語れるが
誰しもが正しく語れないものである」

うむ
西野よ
前々から思っていたのだが
だいぶ演技が落ち着いたと言うか
非常に良い感じになってきているではないか
プライベートも充実し
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.2

18年前の自分と

それから18年経った自分と

同じだけど

同じじゃない

今も胸に刻まれたままの

あの微笑みが伴う

たくさんの痛みを背負って

彼女と一緒に旅をする

あの時の温もりが

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マジック(1978年製作の映画)

4.0

コーキーは売れないマジシャンだったが
腹話術をきっかけに人気者へと変貌する
しかし
少しずつ心は蝕まれていて…

アンソニー・ホプキンス
この人は本当に憑依型だな〜
あなたにしか出せない危なさ
尋常じ
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クラッシュ 真実の愛(2022年製作の映画)

3.9

同性のガブリエルに恋するペイジ
だけど
接近するチャンスで芽生える新たな思い


現実はこんなに簡単なのではないとしても
「アメリカのティーンだったら」
そんな風に思えてしまうほどにナチュラルに受け止
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孤児院(2018年製作の映画)

3.8

経済的な理由から

「少しの間だけ」

その約束で預けた息子

その無念をはらすために

母は立ち上がるが

多くの悪意は立ちはだかる


実話ベースなのですか
日本でも
韓国でも
アメリカでも
そし
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シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.7

後悔する人

ほくそ笑む人

怒りを抱える人

壊れていく人

金をきっかけに銀行に吹き荒れる

それぞれの葛藤


いつもの池井戸作品かと思いきや
ちょっと苦しく
ちょっと暗くて
ちょっとやるせない
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夢みるように眠りたい(1986年製作の映画)

3.9

古い時代劇のフイルム

誘拐犯を追いかける探偵

こちらが夢なのか

それとも向こうが夢なのか

不確かな世界は

ゆっくりと混ざり始める

時代のせいかもしれないし

予算のせいかもしれない

モノ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

広告代理店のオフィスで

何度も繰り返される月曜日

時計の針を進めるためにはいったい


キャストの空気感や

意外な驚き

まさかの着地点も

確かに面白い

社会派な側面

しっかりしたメッセー
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.1

国連加盟を目的にソマリアで火花を散らす
韓国と北朝鮮の外交官たち
しかし
溜まりに溜まっていた民の怒りは爆発する
内戦に巻き込まれた両国の運命は


画面越しでさえ震え上がる戦場の怖さ
ひりついた両国
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20歳のソウル(2022年製作の映画)

3.8

「市船ソウル」
それは1人の吹奏楽部員が作り出した楽曲
音楽を楽しみ
仲間に囲まれ
家族に愛され
順風満帆だったはずの人生に
陰は忍び寄る

私が注目している神尾楓珠くん
音に没頭する表情
恐怖に怯え
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

3.8

年齢も
生い立ちも
住む場所も
全く違う3人の女性
彼女達を結び付けたのは「おジャ魔女」
帰国子女への妬みによる不当な待遇
発達障害の子供に接して生まれた不安
ダメな彼氏を突き放せないジレンマ
行き詰
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三人の妻への手紙(1949年製作の映画)

3.8

妻となって夫の故郷に来たデボラ
地元で幼馴染と結婚したリタ
成功した実業家の後妻になったローラメイ
3人の女性に共通するのは
夫の影に見え隠れするアディという女性
突然に届く「そのうちの1人と駆け落ち
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グッドモーニング、ベトナム(1987年製作の映画)

4.0

疲弊していく兵士を盛り上げるべく
ベトナムに転属させられてきたクロンナウアはDJとして人気を博していく

高校生の頃に見て以来の鑑賞
当時はロビン・ウィリアムズの圧巻のパフォーマンスしかわかっていなか
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