うらぬすさんの映画レビュー・感想・評価

うらぬす

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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

卒論のために体張りすぎ。事前に仕入れた知識を活かして無双するなろう系のような展開がほとんどギャグで笑えそうだったのに、伊佐貫トンネルに入るところで流れたちょっと緊張感に欠ける音楽で台無し。

オオカミの皮をまとう男(2017年製作の映画)

3.5

自然が持つ荒々しさと穏やかさの二面性を見事に捉えた映像は素晴らしいけど、物語としての魅力が追い付いていない

DIVE ダイブ 海底28メートルの絶望(2023年製作の映画)

3.3

及第点に届いてはいると思うけど、「海中が舞台のスリラー映画」として後年に名が真っ先に挙がるような作品では決してない

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

時折響く恐ろしい悲鳴を全く意に介する様子のない一家の姿は人間性の喪失の極致だけど、それを全く血の通っていない無機質な映像が更に強調していて、かなり気が滅入った。

ユニコーンのテルマ(2024年製作の映画)

3.1

同じようなテーマでもっと優れたアニメーション映画は探せば他にいくらでもあると思う

小さな修理屋(2021年製作の映画)

3.7

クライム・コメディ・ヒューマンドラマの融合の仕方がちょっと粗すぎるけど、その粗さの中に確かに光るものもあるような気がする

あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)

3.6

陰鬱な痛みとでもいうべき独特のムードが全編を覆う硬派なメロドラマ

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.3

信頼というものがどんなに脆く容易に崩れ去ってしまいうるかについて、現代の学校という的確な舞台設定と予測不可能なストーリーで以て鋭く表現する。絶対的な悪こそ不在だけど、個人の行いから組織の体制までそのす>>続きを読む

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.8

恐ろしいのと同じくらい馬鹿げてもいて評価が難しいけど、相手夫婦の怪演は素直に称賛したい

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0

刺さる人には刺さりそう。アクションは確かになかなか目を見張るものがあるけど、ストーリーなんてあってないようなものだし登場人物の魅力も薄い。

1900年(1976年製作の映画)

3.2

いまいち焦点が定まっておらず、壮大な愚作に陥る一歩手前のところでギリギリ踏みとどまっている印象

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

3.6

SNSに限らず道具はその功罪を見極めて賢く使いましょうという話だと思う

アンフロステッド: ポップタルトをめぐる物語(2024年製作の映画)

2.9

大して笑えず、鋭い風刺が潜んでいるようなこともなく、褒めるべき箇所が見当たらない

アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~(2024年製作の映画)

3.7

馬鹿馬鹿しくて非現実的な設定ではあるけど主演二人のパワーが強すぎて

アリス、ダーリン(2022年製作の映画)

3.9

有害で支配/被支配の恋愛関係から抜け出す難しさを、アナ・ケンドリックの演技がほとんど完璧に表現している。こんなクソ男、頭をモールでかち割ってやれ、と第三者目線では思ってしまうけど、それが簡単にできたら>>続きを読む

スペースマン(2024年製作の映画)

4.0

深宇宙での探索と自己探求が密接に結びついていて「アド・アストラ」を彷彿とさせる。幻惑的なチョプラ雲に囲まれながらハヌーシュと別れるシーンがただただ切なくて、思わず「アド・アストラ」より高得点をつけてし>>続きを読む

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.0

三部作を締めくくるに相応しい、感動的で力強いフィナーレ。シーザーを演じたアンディ・サーキスと、特殊効果を担当したスタッフらの功績は計り知れない。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

価値観の衝突がもたらす軋轢や、観察力の賜物であろう生々しい人物造形を、巧みな台詞回しや、時に言葉を用いず映像と演出のみによって表現する。あらすじを読む限りでは既視感のある作品だと思っていたのに、実際に>>続きを読む

猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

4.0

恐るべき制作費を掛けたであろうスペクタクルな映像が単に派手であるというだけでなく、畏怖の感情すら呼び起こすような荘厳さをも備えているのは『THE BATMAN』と同じ。これがマット・リーヴス監督の作家>>続きを読む

猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

3.8

何の捻りもないけど瑕疵も少ない。キャロラインが存在意義のほとんどないお飾りのヒロインでしかないのは気になるけど。シーザーの躍動感ある動きや人間と大差ない表情の豊かな変化には魅了された。

アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームス(2015年製作の映画)

3.7

良く言えば素朴、悪く言えばやや平凡ではあるものの、老いや喪失との向き合い方を丁寧に描いていて好感が持てる。

渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.9

閉塞感と緊張感が漂う中、エリック・バナの抑制された演技と苦み走った表情が作品をより味わい深いものにしている

異人たち(2023年製作の映画)

4.3

ノスタルジーと呼ぶにはあまりにほろ苦く、マジックリアリズムにしては曖昧模糊たる趣で似て非なるものに思える、かなり不思議な作品。とはいえ、全体の印象として掴みどころのない輪郭を持っている一方で、過去に負>>続きを読む

はじめから烙印を押されて(2023年製作の映画)

3.9

テーマの深刻さ・重要性は言うまでもなく、種々の視覚的な創意工夫を施して倦まずに鑑賞できるようにしている点がとても良い

サラウンデッド(2023年製作の映画)

3.8

オーソドックスな西部劇のフォーマットを用いながら当時の黒人女性が直面する辛苦を織り交ぜるという現代的な捻りも少々加える。レティーシャ・ライトの力強さと脆さが同居する瞳の演技に見入ってしまう。

虎を仕留めるために(2022年製作の映画)

3.8

悍ましいミソジニーが跋扈する社会において闘うことをやめない少女の信念のなんと気高いことか

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