ヘソの曲り角さんの映画レビュー・感想・評価

ヘソの曲り角

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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

4.5

なんかすげーよかった。キム・ミニとイザベル・ユペールふたりのシーンが全部素晴らしすぎる。ふたりとも英語が母国語じゃないのがよく作用してる気がした。シャッターを切ることでその被写体の保有する時間を分節す>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

2.5

いやこれエンドロールうるせぇの悪手すぎでしょ。無音で終わればいいのに。途中挟まる謎音響もすごいけど過剰では? 制作陣がカマそうとしすぎてスベってないか? 黙ってキレイな映像と、環境音で示される無尽蔵の>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

初ホン・サンス。5年間1日も離れたことのなかった夫が数日出張に行ったので知人に会いに行くオムニバス。1つ目のエピソードが良すぎるのでほか2つがかすむ。先輩が離婚してて、野良猫や隣人の娘をケアしながら友>>続きを読む

マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年製作の映画)

3.8

laundretteってlaundryか! 見始めるまで全然気づかなくて恥ずかしい…。いやぁーこれはなかなかしんどい話だ。脚本がすごすぎる。100分弱の中にイギリスの移民差別と移民の違法ビジネスと同性>>続きを読む

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.0

モキュメンタリーですね。「死後の世界に行く前に死人に一番の思い出を選ばせてそれの再現VTRを作る、その映像から想起した記憶だけを持ってあの世に行く」という設定。各々のキャラにちゃんと設定があったうえで>>続きを読む

野のユリ(1963年製作の映画)

3.5

マザーマジで大嫌いなタイプの人間で見ててイライラした。全部都合がいいんだよね。人が頑張っても神のおかげ、他人が気に入らないと叱りつけ。一番タチ悪いのが、信心深さでゴリ押すわけでもなく都合の悪いことは聞>>続きを読む

地平線から来た男(1971年製作の映画)

4.8

前にNHK BSでやってたのの録画を見た。超面白い。「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード」に並ぶレベルで超好き。ウィリアム・ワイラー「大いなる西部」と同じ東部生まれの男が人を撃たずに諍いをくぐり>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

2.5

マチズモを煮しめたような世界観でありつつなんとかそこから脱却しようという気概は見えるのだが、全然うまくいってなくてなんとも評価しがたい。テクニックとして面白いと感じてしまう点はあるがキャラの言動は生理>>続きを読む

Nas タイム・イズ・イルマティック(2014年製作の映画)

3.8

ヒップホップ史上最高のラッパーのひとりであるNASの生い立ちから衝撃のデビューアルバムillmaticリリースまでを振り返るドキュメンタリー。日曜日でU-NEXTの配信期限が切れるのでとりあえず見た。>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.2

想像してたよりもフィクションだった。ドキュメンタリーっぽいのかと思ったけどそんなこともなく、パリ郊外に着任した警官の最悪な初日を淡々とした筆致でちゃんとストーリー仕立てに撮っていた。ユゴーのレミゼ知っ>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

4.5

5月末で初期是枝作品がU-NEXT配信終了っぽいので見てみた。是枝監督の映画は初めて。

いやーすごい。これ長編劇映画デビューなのやばいでしょ。110分常時画がバッキバキにキマってる。基本カメラは固定
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

1.5

クソ。けっこうちゃんとしてそうな風格があったり学校を舞台にした社会派ドラマってよりかはサスペンス風味が強かったりで途中まで「これからどうなるんだろう…」とワクワクしながら見ていたのだが保護者会のシーン>>続きを読む

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

4.5

ジャー、ラスタファーライー…ってずっと言ってる。ヤァマンより全然言ってる。独自の用語が注釈なしに飛び交うシーンがわりとあるのではじめは面食らうが見てるとだんだん分かってくる。あくまで推測だが、昔いた黒>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.5

見てる最中は超傑作と思ってたのだがよくよく考えてみるとちょっと引っかかる。トム・ハンクスってわりとアメリカの良心的な役柄が多いと思うのだがその際わりと白人代表的役柄も兼任している気がする。「フォレスト>>続きを読む

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.5

前評判でしんどい系映画の最高峰だと思って身構えて向かったが思ったより同情から距離が取れるような作りだったように思える。全然辛いより面白いが勝つ。それでもかなり気の毒な話だけど。サントラがほぼロックテイ>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.2

私はパク・チャヌクの映像表現がマジで大好きなので贔屓目になります……。去年映画館で見なかったのマジで後悔してる。あーもうパク・チャヌク天才ぢゃん(そんなことはとっくに知ってるが)。「妻は告白する」すぎ>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.7

薄汚れちまった私にはこの物語が無垢すぎるように思えるぜ……。もっと宗教に配慮ないのかとか法治国家…!とか正直者以前にバカすぎるとか気になることが多くてノリきれなかった。インドとパキスタンの間にある宗教>>続きを読む

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ(2022年製作の映画)

3.3

(前半結構うとうとしてしまった…)

まずなにより邦題が良くない。彼女にはラビエという名前がある。

息子が親の許可無くムスリム圏に行ったみたいなヌルッとした導入から気づけば「なんだって!? 息子が収
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周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.7

こんなにイカれた映画はそうない。ジョン・フォードってこれとか「タバコロード」とかたまに気がふれたような映画を作る。これぞまさしく終わり良ければ全て良し映画(勢いだけで突き抜けたエンディング)。

フォ
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ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

3.5

まーなんとも言えない。ラストの緊張感は流石だしところどころキマってるショットもあるのだが全体的に展開がないので70分以上の体感時間に思えた。実話ものっぽいからどうしようもないのかもしれないが犯人があま>>続きを読む

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.5

「28日後…」の爆走ゾンビで幕を開けた21世紀ゾンビ映画、本作もそれを踏襲して走る。と言っても多くの時間はモール内でのゴタゴタが描かれるので走るゾンビが売りというわけでもない。また、タイトルからもわか>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.2

イコライザーシリーズここにきて覚醒。たぶん最終作。ラストを見ればこれがFINALで問題ないと思える。

冒頭からテイストがまるで違う。過去作ではマジメな演出と脚本のガバガバさがミスマッチだったが今回は
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イコライザー2(2018年製作の映画)

2.5

1作目でよかったところが全部ブチ壊されていてもはや何見せられてるのか半分くらい謎だった。冒頭からイスラム系と戦ってるし。前作は取り繕えてた街のいいおじさんポジも今回はめんどくせえおっさんポジに。アクシ>>続きを読む

イコライザー(2014年製作の映画)

3.3

見た直後は意外と大したことねぇなと思ってたけど大したことあるじゃん!!! タイトルを英語で見たらマジでそうだった。Equalizer。めっちゃ寓話。マジもんのヒーローやん。人種関係なく不平等を強いられ>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

マジでロードショーで行かなかったの後悔。予告のダンスとかでトンチキ系なのかと勘違いしたけどめちゃくちゃ細部にこだわりがあって不快感をずっと醸し出しつつテーマは真っ当かつブレずにやり切ってて、なおかつ終>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.3

なんかTwitterで聞いてた印象と全然違う。なんでもかんでも関係性、萌えで雑に消費しようとしないでくださいよ。ラッセル・クロウ武闘派役じゃないし、即席助手の人との関係性見出すの無理筋だし、そもそもオ>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.5

この作品の一番の売りとしてクマのCGがすこぶるいい。監督エリザベス・バンクス、演者にレイ・リオッタという布陣も含めてB級的題材ながらちゃんとお金のかかった作品。

それでもクマをずっと出し続ける余裕は
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聖メリーの鐘(1945年製作の映画)

2.0

途中で完全に興味をなくしてしまい流し見。「我が道を往く」と同じキャラと思えないほどビング・クロスビーが嫌なヤツになっている。それに対してイングリッド・バーグマンはいいヤツなんだけど物語上負けキャラと言>>続きを読む

我が道を往く(1944年製作の映画)

3.5

半沢直樹的? 経済的に傾いてる着任先を何とかするビング・クロスビー。上司がけっこうあくどいことをしているのでたまに笑うに笑えない。基本コメディタッチで朗らかで楽しい。教会が地域社会で果たしているいろい>>続きを読む

綴方教室(1938年製作の映画)

4.8

文学の映画。オールタイムベストとすら思った。いつでも見られるようにしてほしい。円盤出てんのかな。シュールな笑いが多い。デコちゃんは相変わらずしみったれてて最高だが三島雅夫の顔が変わらなすぎて笑った。

ラブレス(1981年製作の映画)

3.0

意味のある退屈さ。ニューシネマみたいなぐずぐずっぷり。停滞映画。くっっっそみたいなハードボイルド調台詞回しとキメキメのカメラアングル、バチクソエロかっこいいウィレム・デフォー、ずっと色々流れ続けるサン>>続きを読む

青春がいっぱい(1966年製作の映画)

3.5

脚本は超好きだし演出も全然いいんだけどただ弛緩しきってることだけが自分のツボに入らず楽しみきれなかった。

学園(女子校)ものなんだけど不良生徒と先生がお互いずっと同じ調子でイタズラと説教の応酬を繰り
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天使の復讐(1981年製作の映画)

5.0

いつも深刻な顔して「辛いよね…」と言ってばかりでは辛気臭い。過剰な暴力で「カスは死ね!」とブチ抜く一種の明快さも世の中には必要。哀しみが怒りに変わり、行き着く先は観る者に与える笑い。何も背負うことなく>>続きを読む

ガールフレンド(1978年製作の映画)

3.5

身近にいたら付き合いきれない絶妙な奔放さを持つふたり(と何人か)がわちゃわちゃしてて、うまく収まりそうなところにもまた影が差してくる。この絶妙な居心地の悪さ。フランシス・ハとゴーストワールドを足してケ>>続きを読む

邂逅(めぐりあい)(1939年製作の映画)

2.0

古今東西ある「昔の恋人(になりかけた人)を見かけて再会する」やつ、超苦手なのでこれが長年世間でウケてるのが本当に信じられない。半年経ったら一緒になろうっていう猶予期間はフラグでしかないし、案の定雑に事>>続きを読む

明日は来らず(1937年製作の映画)

4.5

wikiにも書かれてる通りたしかに「東京物語」だが個人的には「ハリーとトント」も思い出した。30年代ハリウッドは不況からくる人々の苦境のリアルと根っからのロマン主義が両立していてとてつもないエネルギー>>続きを読む

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