ゆうさんの映画レビュー・感想・評価

ゆう

ゆう

ファウスト(1926年製作の映画)

4.7

ウーファの威信を掛けて、想像に任せず、視覚化出来るものは全て写し出す意気込みがやはり凄い

持てる金と労力を費やして当時最高の技術を駆使した一方でムルナウの演出、ショットの強さもバランス良く組み立てら
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不運な人々(1921年製作の映画)

3.8

初期の作品群でも上位に入る。

異空間の同時進行だけでなく、異なる対象が同一空間に侵襲する事や、視線を使った離れた空間または異空間との切り返し(視線の交錯)が面白い。

サタンの書の数ページ(1919年製作の映画)

3.6

4つの章立てのうち、後半2章のフランス革命での出来事と現在(1919年)の2つが良い。

ドライヤーが裁判長を撮り終わった後に観たグリフィスのイントレランスから着想を得たとのことだがそこまで意識を感じ
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フォーゲルエート城(1921年製作の映画)

3.4

実は初めて、(これと大公の財政が未見でヴェーラにて見る予定)現存する最古のムルナウ。

少し幻想的な窓から手が襲いかかるところとかムルナウらしさがあると思いつつ、物語を語ることに手一杯という印象。

ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.4

二番煎じとは言わないまでもフェリーニやチャップリン、タチやキートンなどの模倣以上のものを感じえず、それは関心出来ることではないかなと

また音声使い方も上手くいっているかは甚だ疑問と言わざる得ない。
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和解せず/妥協せざる人々(1965年製作の映画)

3.6

大学以来ぶりというか全く覚えてなかった。

小説を真面目に作り込むと3時間以上の超大作になるところを50分弱で描いちゃうパンク映画。

思っている以上にカメラが動いてびっくり。
親子がそれぞれ第一次、
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マホルカ=ムフ(1962年製作の映画)

3.5

久しぶりに見直す。

マホルカ=ムフという人物の高慢さや自己顕示欲高さを左右3頭ずつの石碑が白いヴェール脱がされながら見える夢のイメージカットがあると思いきや、各新聞のクローズアップで饒舌に語ってみせ
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むかしむかし(1922年製作の映画)

3.3

王女が追放されるまでは、凡庸だったけどそこからは徐々に良くなった。

後半の重要部分につれて欠損部分も多いので正直測定不能。

王女の時期に次々と縛首を命令していた王女が、追放後、密猟者が巨大な大木に
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.0

ショットが的確なのとライカート作品のミシェルウィリアムズが初めて良いと思った。

あとは概ね、他レビューに同意。

上手くいかない時の苛立の中でも時間に比例しない芸術というのは常に苦しい。
相手に嫉妬
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裁判長(1918年製作の映画)

3.8

初見、ようやく見れた。
いくつかフラッシュバックが流れ過去に遡るなど、もっとシンプルな表現もあったろうに、ドライヤーの当時の表現への関心が伺える。

あと水にについて処女作から意識的に撮っていた事を確
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女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

3.6

中盤は展開も読めてちょっとダレるけどアイディアとしても面白かった。

ナンパをしたくてとか好き過ぎて起こす行動という過剰さをどうアクションするかの1000本ノックかと。
だから面白いながら限界あり。
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.3

これまた素晴らしい作品。
良い意味でめっちゃシネフィル受けしそうな作品。

非常にシンプルな切り返しでありながらイマジナリーラインを無視してそこにこのショットを入れるのかとか、切り返しに驚きを与えると
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.3

初めて鑑賞
噂違わず、傑作でした。

ショットや、動かし方などかっこいいね。
日常運動の飛躍。

アブラハム渓谷(1993年製作の映画)

4.7

これは傑作!
ショットもとても慎ましく、ただただレオノール・シルヴェイラの美しさを楽しめる。

ヴィスコンティの傑作「夏の嵐」のアリダ・ヴァリなみのコスチュームチェンジ。
ちゃんと何かの戦略を持って色
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階段通りの人々(1994年製作の映画)

3.6

終始、階段で繰り広げられるけども露骨な高低差を使った演出を避けて、別に階段でなくても良くない?っていう切り返しのそれもちょっと不思議な繋ぎもありつつ、ちょっと面白かった。

でも基本的には演劇寄りかと
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デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

3.9

私はデジモン世代とは少し違う。(同世代か少し上の世代が流行ったような)
基礎知識や関係性が分かっていない事、前提として作品として面白い。


インターネットを通じて、全世界の人間が闘いを見守るという点
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

全体的に好感が持てる作品。

夜のシーンが素晴らしい
(多くの人が指摘している練習している奥に自殺を行おうとする弟の懐中電灯の光が捉えるというのは、普通の演出かと思うけど、むしろそのくらいの空間表現は
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.4

60年代のフランスは凄い車社会だなと錯覚してしまうくらい。
想起するにやはりジャック・タチ。車といえば「トラフィック」だけどアプローチ違いでこうも面白いとは。

破局(1961年製作の映画)

3.4

面白い。

イライラしながらモノをどんどん捨てていくの共感出来る

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.5

傑作。素晴らしい!!
ここ最近のジェームズグレイのなかでは1番良い

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.1

序盤のショットの一連はホントに素晴らしいというしかない。
水平線を活かした奥行きの構図や上下の関係性を活かした構図など

ただ特に前半部分の夜間シーンはいくらローキーといっても1点の光源のみで暗すぎる
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童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.3

前回20歳頃見たきりで、当時では感じられなかった事が感じられる。
監督自身の自伝というか住んでいた場所でおきた出来事も重ねているという事でまんまなのか
身近な人の死に接するというのが大人になるという事
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世界の始まりへの旅(1997年製作の映画)

4.2

過ぎ去る風景と過去への語らい。
自然光が美しい。

俳優の叔母に会いに行き通訳を介する言語を話せない叔母への不信感を自分は同じ血が流れているとそっと二の腕を触りながら目を見つめ合って叔母が徐々にそれを
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風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.5

久しぶりに見た。

日差しが差す玄関前に椅子一つで不慮の事故で半身不随になった父親や、喧嘩から逃れて台湾の本土に渡って南にあるところの宿屋にいった先に少し目線を落とした先にある女性がベランダで同じく日
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ファスビンダーのケレル(1982年製作の映画)

3.6

不思議な映画でオールセットで嘘の書き割りに夕日が書かれて黄色み掛かったその光が本編で一回も落ちる事はない。

動きも初期の簡素な動きに戻りつつ、内容としてはファスビンダー自身が抱えるセクシャルな部分も
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悪魔のやから(1976年製作の映画)

3.1

評価が分かれているけど、私にはそこまで面白いとは思えず。

かなりテンション高めの作品で気狂いだらけだけど画面外との結び付きで成り立っている訳で映画的な面白さはそこまで。

なんならもっと下品な事をフ
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デュエル(1976年製作の映画)

2.3

自分には嵌らず。
付かず離れずの運動は分かるけど今の自分には全く合わないといった感想しかないかな。

ちなみにセリーヌと北の橋、パリでかくれんぼとかは好きだけど(といっても10年前に見たっきりだが)

シナのルーレット(1976年製作の映画)

3.4

演劇的でかつ、カメラは実践的。

カメラを撮影する機会にこの手法を使ってみたいなどと思ったけど、本作の面白さって冷静に考えると映画的な貢献はやはり低いように思う。

自由の代償(1975年製作の映画)

3.5

自身のセクシャリティを基に作っているが性に関わらず、理解されず苦しんでいく人々をずっと撮ってきたけどもちょっと感傷的で教育的。

取り立てて面白くは感じなかった。

ノロワ(1976年製作の映画)

2.3

リヴェットの映画は自分の場合、ゼロか100でこれは全く響かなかったな。

何かしらしたかった事が、上手く表現してないのか、映画的にはならなかったのかどちらか

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

2.5

殺人鬼というのに動機を与えると良い方向に進む場合と進まない場合があるうちの後者かと

仮に過去にいじめを受けた怨恨としてもそれを結びつけるだけの物語りが弱い。

前半の緩い基調のものと合わず。
あのセ
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