ユーライさんの映画レビュー・感想・評価

ユーライ

ユーライ

ロリータバイブ責め(1987年製作の映画)

4.3

原題『秘蜜の花園』。衝撃の余りつい2回観てしまった。バイブがウィンウィン可動する画にタイトルバック。単なるアダルトグッズであるバイブをここまで使い倒す荒業も凄まじいが、主演・木村さやかが持っている浮つ>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.5

原作未読。こういう邦画邦画した邦画が苦手で合わないことを承知で観たのだが、存外拾い物だった。緩やかな起承転結がぼんやりと紡がれていき、現実としっかり向き合って誤魔化しが無い。その実何も解決していないの>>続きを読む

劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(2024年製作の映画)

5.0

原作未読、TVシリーズは一度通したのみ。その程度で初日初回に突撃してすみませんね、ホントに……。総集編だから安いかと問われればさにあらず。先人達がいかに切ったり貼ったりしてTVアニメを「映画」に仕立て>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.0

あらゆる意味で規格外だった前作から9年。ここまで待たされるとは思わなかった。アクションのみでドラマを紡ぐソリッドな語り口から一気に路線を変えた結果、特に目新しさのない退屈な映画に。エンドロールで挿入さ>>続きを読む

マークスの山(1995年製作の映画)

4.5

再放送してくれたチャンネルNECOありがとう。名画座やCSでは問題無いのに、VHS以降ソフト化されていない理由を公式は明記するべき。精神病院絡みで引っ掛かるのか知らんけど、原作やドラマ版は現在も発売さ>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.8

毎度お馴染み人間関係地獄絵図による嫌がらせ。内容については正直いつもと同じではあるが、露悪的になりかねない部分をより一歩引いて万人向けにチューニングしてきたとは思う。ミステリとしてオチを明かさず、宙吊>>続きを読む

帰ってきた あぶない刑事(2024年製作の映画)

3.5

何で監督が村川透じゃないんだよ。予想していたとはいえ舘ひろし&柴田恭兵が全然動けてないな。同窓会ノリでベロベロバーやってんのがキツ過ぎる。若い娘さん相手におぢの欲望を満たそうという浅ましさ。ラスボスが>>続きを読む

ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

3.5

メディアミックス諸々未見。美少女達がフリフリの服着て馬場を疾走。到底正気とは思えぬ絵面を作画力で無理くり納得させている。何で実在する馬が擬人化されているのか、一般社会でどう暮らしているのか、差別とか普>>続きを読む

雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.5

Filmarksのリバイバル上映にて初見がスクリーン。ありがてぇありがてぇ。噂以上に愚にもつかない、童貞による童貞の為のこれぞ正しくロマン・ポルノと呼ぶに相応しい代物で本当に酷かったよ。しかしですね、>>続きを読む

人妻コレクター(1985年製作の映画)

4.0

初・佐藤寿保。原題『腐った街』。濡れ場を除けば1時間を切るタイトな尺で監督のヤりたい表現を押し通す胆力に感心した。ガスマスク、セルフなドラレコといった小道具によって映画がグッと豊かに。常軌を逸したゲリ>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

5.0

再見。まだ映画を観始めて間もない頃『アウトレイジ』からフィルモグラフィーを遡行した記憶がある。ラストシーンが持つ、良いとも悪いとも割り切れない複雑なニュアンスには「映画ってこういうことも出来るんだ」と>>続きを読む

昼下りの女 挑発!!(1979年製作の映画)

4.8

ロマンポルノに対する「宣伝部が付けたクッソ適当なタイトルに反し、本編は異様な実験を行っている」イメージそのまんま。桂千穂は初めてだけど、映画ってこんなデタラメな脚本でも許されるんだな。69分ずーっと話>>続きを読む

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)

3.5

実際にあった事件を元ネタにしている以上、悲劇で終わるのは確定なのでドキドキしていると、思ったより全然事件性が無い。確かに紛れもない不良の集まりではあるが、主人公の感傷はありふれた青春の蹉跌に留まってい>>続きを読む

トラペジウム(2024年製作の映画)

4.0

「狂人のタフな生き様が良きにつけ悪しきにつけ感慨をもたらす」作劇はありふれた類だし、ましてやド頭から「この主人公はアレな人ですよ」と丁寧に前振りをしているのだから、全部意図された演出。つまりソフトな増>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

2.5

意欲こそは買うが、近年盛んに作られているこの手の和製低予算ノワールで傑作に出会ったためしが無い。逆説的に韓国映画がどれだけ「出来てるか」の証明になっちゃってるよ。悪い意味で世界観が漫画、無国籍に飛べず>>続きを読む

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.8

暴力刑事ものらしく善悪の境界を揺るがさなければ、タフな生き様で魅了もしない。野獣刑事……いや、悪徳刑事(デカ)と呼ぶのが相応しい。当然のようにヤクをキめ、違法賭博に横暴捜査。挙げ句の果てには無免許運転>>続きを読む

ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)

4.5

オードリー・ヘップバーンの魅力に尽きる。映る度に「オードリー萌え~」と絶叫しながら観ていた。ソフトタッチな石井隆(ラストシーンで土砂降りの雨が降る)にしては、全然娼婦に見えないし生活も困窮してなければ>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.0

仮にも連休最終日なのに貸し切り状態。やはり有名な役者が出ていないと厳しいのか。「なんか百合っぽいな」程度の安直な理由で観たが、期待に応えてはくれなかった。まず企画に問題がある。演劇なら抽象で押し通せる>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.0

どういう話なのか分からなかったんですよ。「オイオイまさかここでエンドロールじゃないだろうな」と思ってたら本当に暗転して終わりやがった。お、俺馬鹿だからよく分かんねぇけどよ……つまり『悪魔のいけにえ』み>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.5

陰キャが陽キャと次第に仲良くなって間に挟まる男発生。そいつのせいで関係性に亀裂が生じ、社交性を獲得する陰キャに対し鬱屈していく陽キャ。百合で100万回は見た定型がそのまんま展開されるので感動する。「転>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

4.5

数年前に『鵞鳥湖の夜』を観た時も思ったんだけど、ノワールを基準にしながら微妙にハズしていく感覚が作家性強めのVシネといった趣。日活アクションっぽい荒唐無稽さ、ひいては腐女子先生が書いた一次創作に近い底>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

4.7

思ったより全然悪くない。中途半端に肩に力を入れて臨まなければならなかった『-1.0』より、期待しないで観たらまぁまぁだった程度の方が精神衛生上良い。チャンピオンまつりとは言うけど、より正確に言えば志向>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

時系列を錯綜させながらクローズアップを多用し、劇伴鳴りまくりに加え定期的に爆音を挿入。これらを細切れの編集で紡いでいく飽きさせなきゃ何でもいいんだよと言わんばかりの図々しさで3時間持たせるハッタリ力(>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.0

貸し切り状態を初体験。平日レイトとはいえアカンやろと思いながら観たが、案の定だった。縁もゆかりも無い他人の葬式に無理矢理参加させられた気分になる。身内だけの二次会三次会まで付き合わされたような。私だっ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

まず企画が偉い。「コアな人気はあるが客が呼べるか難しいサブカル総本山浅野いにお先生初アニメ化!それだけじゃ弱いからあのちゃんとYOASOBIを招集!カロリーの高い背景美術もちゃんと描写!時代性を捉えた>>続きを読む

機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

5.0

極めて良く出来た痛快娯楽編であり、ケチを付けるのは難しい。再見だったけど殆ど内容を忘れていたもんだから、押井ってこんな普通に面白いエンタメも撮れるんだと驚いちゃった。コンピューターウィルスを80年代で>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

どういう経緯で立ち上がったのかよく分からない映画。パブリシティの垢抜けなさ(推薦コメントの人選が節操なさ過ぎる)、『オールド・ボーイ』のパチモンみたいなタイトルなど怪しい雰囲気漂うが、一級のスタッフキ>>続きを読む

ダーティペア(1987年製作の映画)

3.5

唐突なお色気、無駄なグロ死、精緻なメカ作画、ウネウネドロドロした触手を放つクリーチャー。ディテールだけ際立って全体的な統一がまるで取れていない、いかにも80年代の徒花アニメ映画。大塚周夫がノリノリで演>>続きを読む

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

5.0

再見。SFらしくない現代の延長線上にある猥雑な風景の中、「何故子供が生まれなくなったのか」理由を示さず人々に襲い掛かる不条理を淡々と長回しで処理し続ける。いつ暴力が発動するのか分からない異様な緊張感を>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

5.0

再見。4回目くらいか。我が国に脈々と受け継がれてきた「子供向けのアニメで現実をカリカチュアして描く」話法の限界点。公開から数十年経った今、予言性を超えて普遍的な論と化した。これまで実写映画がついぞ成し>>続きを読む

ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突(2024年製作の映画)

3.5

TVシリーズ未見。異様に長い総集編アバンからして劇場版っぽさはあまり無く、ファンディスクといった趣き。『ULTRAMAN』をベースにして『vsビオランテ』と『ガメラ3』をフリカケる田口監督の趣味性が炸>>続きを読む

人が人を愛することのどうしようもなさ(2007年製作の映画)

5.0

いやこれは傑作だろ。石井隆が自身のキャリアを冷静に俯瞰しながら、女優・喜多嶋舞のパーソナルを取り込んで綴る壮絶な自己言及。華々しさの裏にあるギョーカイの薄汚ない論理やおヌード目的な激安商品であることの>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

強く思ったのは何しろ長ーよ、ということだ。元になった7分の短編を3時間の大長編仕様に。途中から寝ていたのでよく覚えていないが、半分の尺でも十分語り切れるでしょ。中年童貞子供部屋おじさんが勇気を振り絞っ>>続きを読む

劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(2005年製作の映画)

4.8

原作&旧アニメの筋書きうろ覚え、09年版はリアルタイム。ボンズ肝入りグレードのある画面で1920年代のヨーロッパを精緻に描いていることにも驚かされるが、TV版に引き続き扉の向こうは現実世界でしたという>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

2.5

監督の脳内では、何でこうなってああなるのか説明は一から十まで付いていると思うのだ。ただ、俺がそこまで付き合う義理はないんだよな。自分から行っといて何だけど、こういうミニシアター系の映画を観る度に思うの>>続きを読む

罪と悪(2024年製作の映画)

2.5

冒頭から事件を説明するためにダラダラダラダラとセットアップに手間を掛けていて正気を疑う。全体的にTVドラマサイズとしか思えず、登場人物の名前をご丁寧に示すテロップ、取ってつけたような劇伴、歯の浮く台詞>>続きを読む