yzさんの映画レビュー・感想・評価

yz

yz

繕い裁つ人(2015年製作の映画)

4.0

あの部屋の光と大袈裟な音楽は好きじゃなかったけど良い映画。

ただひとりのあなたに寄り添い、輝かせる服を仕立てること。それを行う女性の職人がある種の囚われから解放され、変化し自らの意思も輝き出すこと。
>>続きを読む

片袖の魚(2021年製作の映画)

4.5

イシヅカユウさん本当に素晴らしかった。
映画的な(映画における)身体性としてひかり輝いていて、本当に魅力的だと思う。
名前を名乗り直しボールを放る。そしてあのエンドロールの素晴らしさ。

水槽、カクレ
>>続きを読む

4つの道(2020年製作の映画)

4.0

英語字幕で観たので言葉の意味は大雑把にしか掴めていないけど良かった。

ある時代のある場所をフィルムに記録しておく方法として、こんな撮り方が出来るんだという感動。

アリーチェが切り取る映像=世界には
>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

5.0

神々しくて優しくて苦しくて鋭くて幽霊的でそして完璧な映画。好きです。

何がきっかけで知ったのか忘れたけど(多分、あの監督だと思うけど)ずっと観たかったのが遂にU-NEXTに来てた。でも映画館でもう1
>>続きを読む

彼女はひとり(2018年製作の映画)

2.5

タイトルに惹かれ、序盤の不穏さにも引きつけられたが、結局全然面白いと思えず。
謎に推進力?吸引力?がなくて途中でなんとなく像が掴めてしまった。照明なのかカラグレなのか分からないけど全然好きじゃなかった
>>続きを読む

二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.5

「二重のまち」「うたを編む」という言葉の意味が分かった時に何と言って良いか分からなかった。

試みとして興味深く、そして本当に丁寧で切実だと思う。
テキストがそこにいる人間と出会う。その人には身体があ
>>続きを読む

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

4.3

派手なアクションモノを観よう思っていたのに何故かホン・サンスを選んでいたけど今観て良かった。

「真実は人為的なものを通じて現れる。
人為を通じて真実に至るんだ。
真実をそのまま描けば真実に到達出来る
>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.8

あの世紀の傑作の前日譚として物語自体にはほとんど文句の付けようがない。最後までたどり着いた時に、ここからあれが始まるという納得と興奮があった。ただ良くも悪くもだけどフューリーロードの凄さを再確認させら>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.5

面白かった!
物語自体に惹き込まれるし、この作品としての2時間の使い方や前章ありきの対比的構造とか語り口も優れていて素晴らしい見応えがある。

しかしあまり好きじゃなかった。つらつらと書いてるけどマジ
>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.9

※原作未読で瀬田なつき監督の作品が好きな人間のこの映画単体としての評価。

原作読みたくなった。
端的に凄く良い。
物語内容としては、私とあなたが絶対的に「違う」こと、それは絶望ではなく前提で、ばらば
>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.0

街で巻き起こる偶然と面白い会話、良い。
1編目の沈黙と風景のエモーション、2編目の男ふたりの口論のくだりのコミカルさ、3編目のそれぞれの理屈・倫理観の議論、4編目再びの沈黙、好きだった。

リーサル・ウェポン2 炎の約束(1989年製作の映画)

4.5

ド派手なアクションにコメディ、二人の関係性、ストーリーも法の限界に権力者と差別、良い。

EO イーオー(2022年製作の映画)

2.5

やりたいことは分かるし、これまで見られてこなかった者を眼差すことやカメラがその者の瞳になること、極めて映画的だと思うけど全然面白くない。EOが眼差す他の動物の点はめっちゃ良かった。

インスパイア元で
>>続きを読む

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.7

文句言いながらもなんだかんだ観続けて最終作に辿り着いた。
素朴に絶賛できるほど面白い訳ではないし後述する肯定ポイントの中にも要検討の要素はあるものの実に意外なことに、ここまでのシリーズに対して疑問視し
>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.7

ベタな要素や煽情的な劇伴が気になりはするけれど、心惹かれて仕方ない。
構図の反復や反転、要素の回収は上手く出来ている様に思う。

見えないはずの「心」がはっきり見えた。二人がちゃんとソウルメイトで、だ
>>続きを読む

魚座どうし(2020年製作の映画)

4.0

2024.05.26
山中瑶子監督が凄いと聞いて観た3年前以来、『ナミビアの砂漠』のニュースを聞いて久しぶりに鑑賞。『ナミビア』日本公開時に去年体調崩して行けなかった『あみこ』も上映してください……
>>続きを読む

マッドマックス/サンダードーム(1985年製作の映画)

3.0

序盤、街のビジュアルや決闘させられ、追放され〜まではワクワクしたもののそこからが全然ダメだった。終盤までアクションの派手さもないのにストーリーにも惹きつけられるところ見つからなくてキツい。「語り継ぐ」>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

私は、自分の孤独で自由なスタンスが好きだし言ってしまえば彼女に対して憧れさえする。孤独の痛みも知っている。しかし私は家族もいればコミュニティを失いもしない。彼女はそうではなく孤立が背景にあるという決定>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.8

この小さな小さな話を物語る力よ。
マジカルで自由に運動している様に見えるのに同時に大事なものを切り取り続けるカメラ。編集のリズム。歌っている時のブランコの揺れみたいに動くカメラ、好きだ。私が好きな映画
>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

まあ素晴らしいけど好みではない部分もある。読むのを楽しみにしていたパンフレットの田野大輔さんの文章が同じく素晴らしい。

ヘス夫妻に着目して描くこと、その方法論として、映画館という空間の「固定されて音
>>続きを読む

罪の天使たち(1943年製作の映画)

3.8

共同体が持つ排除性、宗教なのでそれはより強くなる。その中にある葛藤と関係性。その人が心からの感情を大事にした他者との繋がりだけが輝く。終盤の美しさよ。

ガザ 自由への闘い(2019年製作の映画)

-

無料の会員登録だけで鑑賞可能。
全員観てください。
https://asiandocs.co.jp/contents/1314

イスラエルによる長期的計画的な殺戮、国際法違反、人権蹂躙の数々が克明に
>>続きを読む

ハピネス(2024年製作の映画)

2.8

こういう作品を観て腐すのは、私が嫌いな冷笑的振る舞いに近いと思うけど、私の「目的」は好きな俳優を観る。だし素直に良いと思った所も記録するので冷笑とは多少レイヤーが違うでしょ?という言い訳。

まず、想
>>続きを読む

大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)

3.3

「二人が愛し合うという物語は、結局いつもセクシャルな欲求の成就か、あるいは家庭という制度への順応といった結末しかもたらさない。愛の果てには本当にそれしかないのだろうか?そうでもないだろう。というのが私>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.5

深夜もしくは早朝にバイトした後に映画観に行くとまあもれなく寝てしまうし、こういう作品ならなおさらで、全部は観れていないという留保付きだけど、かなり良かった。バス・ドゥヴォスの眼差す風景と生活に惹かれる>>続きを読む

マリとユリ(1977年製作の映画)

4.5

人間は本来的に孤独でどうしようもないところさえあるが、それ故に他者と共に在ること、その先にあるものが刻まれていて感動的。

また、他者と共に在ると言う時に、社会に虐げられてきた者たちの連帯という繋がり
>>続きを読む

影の軍隊(1969年製作の映画)

4.5

傑作ですね。
静謐なタッチで描くことで緊張感は維持されるし物語が強調されて響く。

賭博師ボブ(1955年製作の映画)

4.2

面白い。
序盤の生活を見せるパートは割と緩いリズムで進行するが、計画立案・交渉、準備パートは速いリズムに変わる。しっかり準備しているのにあっけなく漏れること、準備と偶然の関係性として妥当さがある。
>>続きを読む

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.0

1から観てその瞬間にたどり着くことに意味があると考えることから、それが何かは伏せるが、ラストに映されるある事象が本当に衝撃的で、いくら映画とはいえそんなの許されるんだと思う。しかし、同時に本作がそこま>>続きを読む

アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

4.7

アンナが部屋でする行為は、カタが悩んでいる事象に直結するし会話の中で示されるそれぞれの母親の姿も違う。変な理由での出会いで始まって、全然違う人間たちが関係性を深めていくこと、奔走する姿やその結果生まれ>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.5

予告でこれは好きなやつだと思った通りで観て良かった。『Here』も観ます。

土地・場所の記憶、眼差し。映画は時間を操れるけど、こんだけゆっくりさせても良いんだよなと思った。
こういう映画も好きなのだ
>>続きを読む

マッドマックス2(1981年製作の映画)

4.0

ド派手な乗り物バトル大喜利として楽しいのでオッケー

黄金時代(1930年製作の映画)

2.8

物語の意味を理解することは早々に諦めた。リズムの良さすなわちモンタージュの上手さが印象に残った。

トイレと溶岩くだらなすぎて爆笑した

人生タクシー(2015年製作の映画)

3.6

タクシー運転手というアプローチ自体は面白く正しく鋭いもので現実や生活が見事に切り取られているとは思うが、正直なところ展開としての面白みには欠けたのは事実。しかし最後のやり取りは本当に素晴らしかった。>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.0

予告観て、松井監督作品がめっちゃ地元のよく知ってる所で撮られてる!と思っただけで全然ターゲット層じゃないだろうに観たのが悪いけどあまりハマらず。

あまりに漫画的リアリズムのキャラクターと割と現実的な
>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.8

5.18 早稲田松竹

1ヶ月前に観たばっかりだけど2本立てだったので。
改めて観ると宮下のびびり方、新島任せ感が気になるけど、オチから考えると妥当ではあるので、フリとして上手いのかもしれない。
>>続きを読む

>|