次郎さんの映画レビュー・感想・評価

次郎

次郎

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

「本当の金持ちはタワマンなんか住まない。あれは成り上がりが買うもので、本物は神戸の六麓荘や渋谷の松濤に戸建てで住んでる」なんて話を聞いたことがあるけど、本作の華子や幸一郎が過ごす生活は正にそれ。『花束>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.6

これが映画の面白さか!!とひたすら感嘆し続けた傑作。とにかく脚本・映像・演技という3要素の魅力が尋常じゃなくて、鑑賞している間はずっと凄い凄いと思っていた気がする。

ル・マン24時の絶対王者であるフ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.7

タイムループもので同じ映像を使い回している時って、編集の快楽が溢れてそうだよなー。それは手抜きでなく文脈の抜き差しであり、同じ映像に違った意味が付与されるカットの魔法があるのだろう。「これパワポで説明>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.5

難儀な作品だなー。ストーリーや演出等にツッコミ所はいくらでもあるのだろうけど、ひたすらに「好きなものに触れた時の熱量」どうしようもなさに押し切られてしまった。良いか悪いかでなく、好きか嫌いかでしか語れ>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

あのエドガー・ライトがホラー映画を!と一瞬驚いたけどよく考えたらデビュー作はゾンビ映画だった。コメディだけど。前作『ベイビードライバー』で最高のハリウッドデビューを決めた一押し監督の最新作は、思った以>>続きを読む

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

4.0

度し難い、、全くもって度し難いな!アニメ1期の続きとして制作されている劇場版本作だけど、とにかくボンドルド卿のマッドな存在感が全てを支配している。倫理と善悪の彼岸を3段ジャンプで飛び越えた「カートリッ>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

3.8

アニメ第3期前の導入として。前作の緊張感と性急さとは対象に、吹奏楽の世界を丁寧に描いた60分。それ故に物語としても動きは少なく演奏シーンも物足りない感はあるけども、吹奏楽の日常を微細に描いていると言う>>続きを読む

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.3

30年もの間廃盤になっていた作品がまさかの復刻・サブスク化という話は聞いていたけど、こんなにも振り切れた作品だったとは!!タイトル通り歌が主要なテーマとなっているけど、本筋とは関係なく挿入される楽曲と>>続きを読む

シャドー・オブ・ナイト(2018年製作の映画)

3.7

東南アジア発祥の武術・シラットを核とした120分の凄惨アクションというかゴア映画。とにかく格闘描写の壮絶さが凄まじく、ナタで切られナイフで刺されるぐらいでは終わらない、血みどろのボロ雑巾になるまで戦う>>続きを読む

21ジャンプストリート(2012年製作の映画)

3.6

LEGOムービーやスパイダーバースを手掛けた監督の作品ということでかなり期待値高めだったけど、ちょっと波長が合わなかったかも。冒頭のエミネム風のキャラクターが実はナードというギャグが結局一番面白く、ハ>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.4

80年代における謎ファッションの一つであるクソデカスーツ姿だけは未だにナシだろと突っ込みつつ、それでも音楽史上屈指のライブ映画であることは間違いなし。本当は4Kリマスター公開時に行きたかったけど仕事で>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

物語的には現代的と言うよりむしろオールドタイプな展開であり、メンバー3人に拘るのはジャズでなくロックバンドの文法だよな、、という突っ込み所はありつつも、音楽については文句無しに素晴らしい。特に初心者ド>>続きを読む

映画プリキュアオールスターズF(2023年製作の映画)

4.1

公開当時に4歳半だった娘を連れて。20周年記念作品ということで、徹底してファンサに尽くした潔い構成だなというのが振り返った印象。キャラクターを動かし、その関係性だけで推進する展開は過去の作品の積み重ね>>続きを読む

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(2023年製作の映画)

3.7

「すみっこたちが…労働者に⁉️」と思わずちいかわみたいなリアクションを取りたくなる劇場版第3作。1作目の展開で一部大人に異常なダメージを与えてきた角田貴志が再度脚本を書いているみたいだけど、こういう作>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.3

10年ぶりくらいの再鑑賞。やはりべらぼうに面白く、ジョン・トラボルタとユア・サーマンがツイストを踊るシーンは永遠に色褪せない瞬間の一つ。というかこのコンセプト・カフェといい、ビートルズ以前のロックンロ>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.5

ウェス・アンダーソンがこれ以上なくアンダーソンな画面構図を映し続ける至福の40分。ベネディクト・カンバーバッチってこんなにもアンダーソン味あったんだという驚きもあるけど、上映時間という制約から解き放た>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.2

家族が観てたので途中抜けだけど記録。キアヌ師匠による殺し屋地獄巡りシリーズ・完結編(たぶん)というだけあって、とにかくアクション!アクション!もひとつアクション!でゴリ押しする約3時間。
アクションも
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

3.3

傑作の誉れ高い本作だけど思ったより響かず。構成や展開について隙がないのはその通りだけど、それ故にリファレンス先として余りにも多用されすぎて既視感を覚えてしまったが為だろうか。終盤の演出の間延びさに興醒>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

3.8

記録。ウッドストックと同じ1969年にハーレムでこんなフェスティバルがあったことは全く知らなかった。ブラックミュージックの力を全編にわたって堪能できるんだけど、その中でもスライ・ストーンの異質っぷりは>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.9

「スミスなんて聴きながら暗殺がうまく行くわけないだろスミスのライブ会場みたいに頭に花束湧飾ってんのか」と突っ込みたくなるのはフィンチャーなりのジョークなんだろうな。終始映像に緊張感を保たせるカメラワー>>続きを読む

サーホー(2019年製作の映画)

3.9

『バーフバリ』で颯爽と現れた現人神・プラバース主演のぶっ飛びクライムアクション。インド映画は全ての演出を200%特濃に盛ってくるのでヒロインが序盤で映る度にいい感じの音楽が流れ出していた。アクションに>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

伊澤沙織の尋常じゃないアクション力。自分より明らかに体格の大きい相手に、武器打撃寝技駆使して泥臭く倒していく映像の説得力だけで満点の出来。伊澤のアクションが良過ぎるため、相方である高石あかりの動きに物>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

「こういうのでいいんだよ こういうので」と心の中のゴローちゃんが思わず呟きたがる塩梅感。決して何かが凄い訳じゃないけど、いい感じに肩の力を抜いたトーンだからか2時間弱の間ダレることがなかった。ミシェル>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

3.9

『響け!』シリーズにおけるこれまでの傑作具合に比べると流石に一歩劣ってしまう感は否めない。やはりTVシリーズで演出を手掛け、『リズと青い鳥』で監督を務めた山田尚子の不在は大きいのか、魔法がかったような>>続きを読む

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

4.2

内容のアホ具合に対して原題「Scott Pilgrim vs. the World」の無駄なスケール感。女子高生と付き合いつつ二股をかけるスコット君の共感具合はゼロを通り越してマイナスのはずなのに、エ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

2年近く前に観たのに感想書いてなかった。余りにも完成された、真っ当なパフォーマンスの為かついついサントラばかり聴いてしまっていた。デヴィッド・バーンと様々なルーツを持つ演奏家/パフォーマーたちの熱演は>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.9

アニメーション表現における一つの極地点。冒頭における2人が音楽室に向かう一連のシーケンスだけでもその演出の素晴らしさに泣き出しそうになる。アニメ本編より色彩を落とした幻想的なタッチ、歩幅や髪の揺れにま>>続きを読む

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

今年の映画始めはNetflixに入ってた小津安二郎の遺作から。10年くらい前に予備知識なしで『東京物語』を観た時にはいまいち良さがわからなかったけど、独特のテンポ感や画面の構図、下手すれば棒読みに聞こ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.7

最初のシーケンスがまんま『2001年宇宙の旅』なのしかり、海戦シーンの『プライベート・ライアン』のパロディしかり、引用元を探そうと思えば無数にできるもののそれを「ゴッドファーザーを語りたがるマンスプレ>>続きを読む

映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪(2015年製作の映画)

2.4

歴代プリキュアのED曲でMステをやりたい!という意図はわかるけど、どのプリキュアよりもMC役の声優を務めたオリエンタルラジオ2人の方が台詞量が多くなるというどうしてこうなった感。EDの実写パートといい>>続きを読む

映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!(2022年製作の映画)

3.8

はい、みんな大好きオムライスです!ハンバーグです!デザートもあるよ!といった具合にテンポ良く話が進む、お子様ランチそのもののような60分弱。展開のテンポが良いだけじゃなく、シーン毎に何を見せたいのか、>>続きを読む

映画 プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち(2014年製作の映画)

3.8

NS三部作完結編にして10周年記念作品という大舞台で「過保護な毒親」を親子連れの客層に提示する心臓の強さよ。NS2に出てきた見習い妖精が引き続き登場しつつ、NS1の幻のプリキュアが再登場するという展開>>続きを読む

映画 プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち(2013年製作の映画)

3.6

1作目と比べて割と好き。妖精界を舞台にすることで登場人物の幼稚さも気にならなくなったというか、アッ……ウッ……とか言ってそうなエンエンのちいかわ感が凄い。そして性格が正反対の見習い妖精2人の成長物語と>>続きを読む

映画 プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち(2012年製作の映画)

3.2

DX3部作に続く、プリキュアオールスターズNS3部作の第1章。と言いつつOPの導入はDX1作目の展開をなぞるものであり、Phase2というよりリブート物といった方が正しいのか。「女の子は誰でもプリキュ>>続きを読む

映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?(2010年製作の映画)

4.3

OPのパリの街並みの背景にスタッフの名前が描かれている演出、センス良過ぎ。それ以外にもキャラクターの造形と物語の展開、演出の巧さも相まって、70分の作品が体感30分くらいに感じてしまった。特に映画オリ>>続きを読む

コマンドー(1985年製作の映画)

3.6

地上波放送ということで再鑑賞。OPからカルチャー・クラブの話題とか80年代ど真ん中過ぎて今の子は絶対理解できないだろうし、当時ドイツは東西に分かれていたという事実にビビる。吹替が定番のせいですっかり忘>>続きを読む

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