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3月のライオン 第1シリーズのーのレビュー・感想・評価

3月のライオン 第1シリーズ(2016年製作のアニメ)
3.9
少女漫画にみられる文章の応酬(ページにびっしり詰まった文字による心理描写)をアニメでどのように扱うかを気にして観た。このアニメはほとんどセリフをカットせず原作の(心の中の)セリフそのまま言わせている。それどころか、本来は第三者(筆者)として書かれたセリフも、アニメでは登場人物のセリフに置き換えられて使われている。結果として、漫画では寡黙にみえた主人公が、アニメでは心無しか饒舌に見えている。やっぱり漫画とアニメは違う。アニメ化の際に、どのように原作の空気感をアニメに輸入できるかが大切だと感じる。そこには厳密な情報のコントロールが必要であると思う。
-漫画であれば、「これは人物の心の中の台詞です」という漫画のルールとして理解できる。アニメの場合、映像である以上セリフを強制的に声として音に変換しなければならない。結果として、頭ではこの声は心の声と分かっていても、生理的にはそう受け取れない。
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