【2009年秋アニメ作品{全12話}】
《今日がどんなに壊れそうでも》
第2期
前作「黒の契約者」から2年後の世界が舞台。
冬のロシア・ウラジオストクから物語が始まる。
前作からの主人公ヘイ、今作からのもう一人の主人公スオウ、それぞれの視点から物語が描かれている。
本作の前に、まず第1期は勿論、外伝(OVA版)も観た上で観賞することをおすすめする。
外伝は1期と2期の間の空白部分を埋める話になってる。
ここを知らないと主に2期でのヘイとインが何をしようとして、何故ああなっているのかがさっぱり理解出来ない。
この重要な部分がOVAとか、今思えば実に意地が悪い。
作品としてしっかりと面白さはあったが、同時に物足りなさも感じた。
1期でのオムニバス形式は廃止、一続きの構成になっている分物語自体は追いやすくなってはいるが、キャラの関係性等がより複雑化してややこしくなった印象。
またダークな世界観は継承しつつも、コメディタッチな描写も多く、微妙に作風の変化を感じた。
メンバーは違うが、3人+1匹というパッケージも継承されてる。
この辺りのビジュアルの拘りは岡村監督の趣味が見え隠れする。
ヘイとスオウのバディものって感じはあまり無いが、師弟感は出ている。
まあこれに関しては完全に好みだろうな。w
ロードムービー風な物語の運びも前作とは一線を画している。
1期のあの閉塞感のある雰囲気が好きだった人には合わないのかもしれないが、個人的には全然問題なかった。
ただ、前述した通りやはりOVA有りきの内容になっている点はちょっと頂けないかな。
当時の不評の主な原因はここにあるんだと思う。
1期と比べ、バトルシーンが極端に少なくなってるのも評価を下げてる一因だろうな。
せっかくのボンズ作品のお株を取り上げられてる様な感覚になるのもわかる。
でも少ないながらも見せ場はきっちり存在してる。
序盤の契約者同士のバトルシーンは本作の最大のアクション的な見せ場だろう。
相変わらず設定もキャラクターも謎が多く全貌が見えづらい。
このミステリアスな雰囲気が良さでもあるが、如何せん分からず終いが多い気もする。
この結末はHAPPYENDなのか、それともBADENDなのか。
正直判断材料が乏しい…。
2期は1クールしかなかったのであまりキャラの深堀りが出来てない印象もある。
何かしら続編有りきの締め方にも見える。
まあ結局中途半端な所が多いからね。
あと終盤で何かしらの既視感を覚えた人もきっと多いと思う。
あれっぽいよね。そうだよ、あれ。。。
もう今思うとインが綾○にしか見えん。w
そう考えると他にも結構酷似してるポイントもある気がするけど、これにもオマージュ入ってんのかなぁ?
まぁしらんけど。
実際問題、1期から積み上げてきたもので色々とチャラになってる部分はあると思う。
でもこの作品の持つ本来の魅力で十分粗はカバーできてる。
例えばキャラクターの魅力。
2期のヘイ、長髪・無精髭・アル中のすっかりやさぐれちまったビジュアルが堪らなく哀愁を誘う。
冷徹な契約者である彼の心の弱さと言うか、この人間味溢れる姿には何処となく親近感が湧く。
あとスオウの得物が対戦車ライフル(PTRD)なのとか。
少女と馬鹿でかい銃ってアンバランスな対比はアクションシーンでもビジュアル的にインパクトがあるし、最高にイカしてると思う。
あの魔法少女の変身シーンみたいなカットが無駄に毎回入るのは演出的に若干クドく感じたけど。w
脳死でとまでは言わないが、細かい所に目を瞑れる人なら特に問題無く楽しめる作品だとは思う。
最後に忘れてはならないOP曲、ステレオポニーの「ツキアカリのミチシルベ」
やはりこれは神曲。
何度聴いても素晴らしく沁みる。
お手本の様な作品の世界観に寄り添った名曲だと思う。
そして映像も含めてOPトータルで味がある。
想像するに、これは本編の後の描写なのかな。
彼女はきっとまた彼を探す旅に出るんだろうな…
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[主題歌]
OP
ステレオポニー「ツキアカリのミチシルベ」
ED
abingdon boys school「From Dusk Till Dawn」
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