ぼっちザうぉっちゃー

かみちゅ!のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

かみちゅ!(2005年製作のアニメ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ある日突然神様になった中学生の話。

まずその世界観が素敵。フェリーに乗って登校するような片田舎の港を舞台に、とてもナチュラルに様々な神様が日常に溶け込んでいる。それが貧乏神だったり、勝手に家出する神だったり、けっこう矮小な自我を持っているところなんかも面白い。
そして普通の人には見えないんだけれど、そういう人であっても神様の存在を無視するわけでもなく、それでいて普段からそんなに気にしているわけでもないという距離感、感覚が、どこか日本特有の風土的な信仰意識を反映しているようで興味深い。

中学生の神様、かみちゅとして奮闘するゆかりも魅力的。神様としてはおろかまだまだ中学生としても半人前な彼女は、どうしても自分の恋路や私情と神としての立場を切り離せない。それでも一生懸命に、中学生として、神様として、他人の悩みに耳を傾け手を差し伸べようとする。

派手な展開はそこまでないが、規模だけはデカくて、一話目から空を飛ぶクライマックス感。かと思えば最終話でもまた舞い上がり、浮かれる心を物理的に表現する劇的展開。そうしたファンタジックさと中学生らしい素朴な甘酸っぱさでとても心が和らいだ。
爽やかわいいEDもいい。