kkkのk太郎

機動警察パトレイバー アーリーデイズのkkkのk太郎のレビュー・感想・評価

4.2
メディアミックス作品『機動警察パトレイバー』の初期OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)。
「レイバー」と呼ばれる産業用ロボットの開発により、レイバー犯罪が増加。
それに対抗する為、警視庁は新たに特車二課パトロール・レイバー中隊を創設。
その組織の中で働く隊員たちの活躍を描いたロボット・アニメ。

第1話から第6話までの監督は『うる星やつら』シリーズや『天使のたまご』の、レジェンドアニメ監督である押井守。

I♡パトレイバー💕😍💕
な自分ですが、数あるシリーズの中でも一番好きなものがこの『アーリーデイズ』!
元々こんなサブタイは付いていなかったが、DVD化の際に後発のシリーズ作品と区別するために付けられた…らしい。
『スター・ウォーズ エピソード4』方式ですね。

『パトレイバー』っていっぱいあって、どれから観ていいのかわからなぁ〜い🤷‍♂️
という人の為に簡単な年表を紹介すると…

①ゆうきまさみによる漫画版…1988年4月6日(〜1994年迄)
②『アーリーデイズ(初期OVA)』…1988年4月25日
③『the Movie』…1989年7月
④『テレビシリーズ』…1989年10月(〜1990年9月迄)
⑤『NEW OVA(後期OVA)』…1990年10月(〜1992年4月迄)
⑥『the Movie 2』…1993年

とまぁこんな感じ。
この他に「実写版」や「小説版」、『WXⅢ(番外編的な劇場版第3作)』、「短編アニメ」なんかがありますが、基本的にはこの6つ。
これだけ抑えておけばOKだと思います🙆‍♂️

特筆すべき点は2つ。
一つは、この作品は漫画とアニメが同時進行するメディアミックス作品である、という点。
普通アニメと漫画の関係というのは、漫画の人気に乗っかったアニメ化か、アニメの人気に乗っかったコミカライズか、という2つだと思うのですが、この作品はほぼ同時に漫画とアニメがスタートしている。
つまり漫画が原作のアニメではないわけです。
その為、漫画とアニメで展開が異なるのです。どちらか一方だけでも勿論楽しいですが、両方鑑賞することにより2倍の楽しみを得ることが出来ますよ!

特筆すべき点の二つめ。
それはシリーズ間の連続性が少々特殊だということ。
厳密に言いますと、
1)①のユニバース。
2)②→③のユニバース。
3)④→⑤のユニバース。
という3つのマルチバースとなっており、1)、2)、3)それぞれがパラレルな関係性となっています。
その為、まず「テレビシリーズ」を鑑賞しておいて、その後「初期OVA」を観ても全く問題ない訳です。まぁとはいえ発表順に鑑賞するのがベストではありますが。
因みに、⑥に関しては2)、3)のどちらの世界線とも判断がつきません。
しかしこれはアニメ版『パトレイバー』シリーズの収束点のような作品ですので、②〜⑤までを履修してから鑑賞すると感慨も一入です。

再度申し上げますが、沢山のシリーズ作品のうち、『アーリーデイズ』が一番好き💕
全7話という短いシリーズではありますが、ここに『パトレイバー』の魅力が全て詰まっている!
バカバカしくて、真っ直ぐで、青くて、若くて、楽しくて、ダラダラしていて、キラキラしている。
ゴジラのパロディのような回もあれば、ホラー回もあり、正統派なロボットアニメ回もあり、押井守節全開のポリティカルな回もある。
どんなに各話ごとに毛色が違っても、全くパトレイバーが活躍しなくても、ちゃんと『パトレイバー』になっているのは各キャラクターに魅力が詰まっているからだろう。

原作者が「ヘッドギア」というクリエイター集団である為、権利上の問題などから中々シリーズを続けづらいという背景もあったのかも知れない。
だが、この傑作が若い人たちに知られていないのは勿体無さ過ぎる!

『踊る大捜査線』が本作に大きな影響を受けていることは有名だが、ジェームズ・キャメロンやギレルモ・デル・トロなどにも影響を与えている偉大すぎる一作。
『エヴァ』を含め、その後のリアルロボットものに大きな影響を与えたことは間違いない真の傑作。

その偉大な第一歩目が本作『アーリーデイズ』。
普段アニメを観ない人にこそ観て欲しい✨😆✨
kkkのk太郎

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