このレビューはネタバレを含みます
独特だが美麗な作画が特徴的。作画さえ良ければ、どんなに馬鹿馬鹿しいなろうアニメでもそれなりに見てられることを証明してしまった作品。
デブブスで周りからも家族からも迫害されてきた主人公がひょんなことから家にあった隠し部屋を見つけ、そこにあったやけに仰々しい扉を潜ったら何故か異世界に迷い込み、何故かとんでもスキルが付与され、何故かあった伝説級の武器で、安全圏から魔物狩りをしていたら何故か翌日、骨格が変わってムキムキモデル体型の誰もが振り向く超美形に……って、最初からご都合主義展開ばかりだが、最後までこれだから逆に凄い。
タイトル通り、異世界と現実世界を行き来しながら、両方の縦軸を進めて行くのだが、現実世界パートはご都合主義を通り越して最早ファンタジーの域。デブブス時代に一度チンピラから庇って貰っただけで、別人に変わり果てた主人公を一発で見抜き、美形と金持ちだけの学校への転校を勧めるメインヒロインなんかは軽いジャブで、昭和感丸出しなバイクで校庭に乱入する暴走族、防災設備が全く機能してない唐突ショッピングモール火災、テントで野営するなら事前に調べろ案件な林間学校での熊襲撃、これらトラブルを全部脳筋戦法で解決する力技には、追いつかないツッコミと共に一周回った爽快感すらある。
一方の異世界パートは、もう何度見たかも分からないステータス画面や、狼モンスターのペット化、身分を知らずに助けちゃった姫様に、仲間になる暗殺者など2番も3番も煎じられた味のしないガムのような展開ばかり、はっきり言って超つまらない。これなら現実世界パートだけで良かったのでは？という訳にもいかないのでもっと現実世界パート並に馬鹿馬鹿しいオリジナリティがあればもっと評価は高かったかもしれない。
そんな一長一短なアニメです。
