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響け!ユーフォニアムのtakのレビュー・感想・評価

響け!ユーフォニアム(2015年製作のアニメ)
4.5
BSで再放送してた「響け!ユーフォニアム」1期完走。京都アニメーションの最高傑作という声もあるようだけど、わかる気がする。演奏の振動で揺れるペットボトルの水面、クリアファイルに入れた楽譜の表面の光、ホールの声の響き、屋外で個人練習する時に感じる太陽や風。細やかな描写が行き届いて、元吹奏楽部でなくてもその臨場感は伝わってくる。友情や恋心や悩み。青春ものに欠かせない要素は相変わらず巧い。

高校を舞台にしたアニメは数あれど、過剰にユルいスクールライフや現実離れした展開の作品も多い(それはそれでいいのだけれど)。だけど、見ている僕らにあの頃真剣になってた何かを思い起こさせてくれる作品は少ない。「ユーフォニアム」はそんな稀有な作品のひとつだ。

僕の高校の吹奏楽部は、コンクール銀賞止まりだったけど、あの場に向かっていた気持ちは久美子や麗奈と変わらない。元トロンボーン吹きの僕は、どうしても塚本くんを応援してしまう。だって僕もユーフォニアムの女子に恋していたんだもの。

昔「高校が舞台のアニメに夢中になってるのは、高校時代に何か忘れ物してるからじゃないですか?」と言われたことがある。その時はピンとこなかったけど、あの頃きっともっと何かできたかも…という思いが最近あるのは事実かな。

顧問の滝先生の台詞が気が利いて素敵。センセイと呼ばれる仕事をまだやってたら確実にパクらせていただいてました。はい。
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