滝和也

マクロスΔの滝和也のレビュー・感想・評価

マクロスΔ(2016年製作のアニメ)
3.5
偉大な先代に悩む…

マクロスゲージ
歌…★★★★
愛…★★★
バトル…★★★

軍隊(群体)アイドルは
是か非か?

「マクロスΔ」

前作フロンティアは大好評のうちに終了、映画も二部作となり、ヒットした…。故にかなりの期待を持って作成された今作…。残念ながら前作程の評価が得られなかったのは事実でしょう。

群体アイドルと単体アイドルのアイドル論

今作はワルキューレというグループアイドルが軍隊支援で登場するわけですが…人数は5人…。ラブライブとか、グループアイドル全盛期に生まれたマクロス作品だけはありますね…。ただ…アイドル論からすると…群体(グループ)アイドルは何よりもアイドルの進化系である究極形態「歌姫」にはなり得ない。特に人数が多ければ尚の事…1人1人が薄まるのか理由はわからないが単体アイドルより息の長い活躍はできない…。同じ事が言えて各人にスポットライトがあたる故に1人1人が他作品に比べ薄い…しかも敵方にもドラマスポットがあたる故に尚の事散漫になってしまってますね。

その煽りを食らったのはハヤテとフレイア、ミラージュの三角関係でしょう。第一作やフロンティアに比べ、内容が薄い。ともすればハヤテとフレイアのカップルに横恋慕する片思いミラージュのようになり、フロンティアのキュンには歯が立たないです…。

さらにキャラデザイン、設定がワルキューレ含め女性全員、プリキュアみたいで幼い感じで魅力があまり感じられないため、マクロスとしては…?になります。生身で戦闘に参加し歌うため、よりプリキュアに…。しかも男性のみの空中騎士団がバルキリーに乗り、そのワルキューレを襲うため、どうも無理筋になります。敵の空中騎士団他ウィンダミア公国は女子人気狙いで美形&シブオジばかりですが、これでは人気が…難しいと思いますね。

歌の部分も楽曲は悪くないのですが…前作の菅野よう子&May'n、中島愛のトライアングルには歯が立たないです…。歌の上手さ、声質共に残念ながらワルキューレ束になっても叶わない…。悪くはないのですが前が良すぎるんです。

バルキリー通しの対決という展開が売りであり、敵方ウィンダミアのドラケンが実際のスウェーデンのサーブドラケンのイメージで作成されてるのは好きです。初代バルキリーはトムキャットでしたからね。ただ…ウィンダミアが翼や風のイメージが強すぎて戦闘シーンが戦闘機形態ばかりでバトロイドのシーンが少なく、パターンがあまりないのはやや減点でしたかね。

戦争ものであまりにストーリーがラスト読みやすく、バタバタしていましたし、2クールの作品にしては登場人物が多すぎたのか、整理が下手だったのか…。ただ…女の子たちが困難に向かい、命がけで戦い、歌うのがダイレクトに涙を誘うので、一気見した際には面白いと思いましたし、悪くない作品だとは思います。そう前が良すぎる故にこの作品は評価が難しいと感じます。先代のマボロシに悩まされた作品でしょう
滝和也

滝和也