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オンラインゲーム「エルダー・テイル」の世界に、シロエたち「冒険者」が閉じ込められて1年あまりが過ぎた。 ギルド「ログ・ホライズン」のメンバーが暮らすアキバの街は、自治組織「円卓会議」の発足により、安定を取り戻していた。そして、貴族の令嬢レイネシアがアキバに赴任するなど、ゲーム世界の住人「大地人」と冒険者との交流も活発になっている。 そんなある日、レイネシアのもとに母・サラリヤが突然あらわれる。
「円卓会議」の一員でもある大手ギルド「ホネスティ」のリーダー・アインスが、ウエストランデ神聖皇国の斎宮家(さいぐうけ)から「アキバ公爵」に任命された。古くからの権威である斎宮家の後ろだてとあって、アキバの大地人の多くは好意的に受け止める。 その一方で、斎宮家の当主・トウリからレイネシアへの縁談が持ち込まれたこともあり、シロエたちは、ウエストランデやミナミの何らかの策略ではないかと警戒する。
斎宮家から「アキバ公爵」に任命されたアインスは、円卓会議からの脱退と、大地人をまじえた新たな統治組織「アキバ統治府」の設立を宣言する。 有力ギルドである「ホネスティ」の離脱を受け、大地人との関係を重視する他の大手ギルドも円卓会議から距離を置きはじめる。円卓会議への反旗をひるがえしたアインスだが、アキバの廃駅跡にシロエを呼び寄せる。 その晩、シロエと直継を待ち受けていたのは、3つの人影で…
シロエと斎宮トウリとの会談の場に突如あらわれたのは、水楓の館にいるはずのレイネシアだった。 トウリからの縁談を拒み、アキバにとどまって責務をまっとうしたい、というレイネシア。その思いに胸をうたれたシロエは、「アキバ統治府」と「新生円卓会議」の間で信任選挙を行うことを提案する。 アキバ統治府から出馬するのはアインス。そして一方、シロエはレイネシアに新生円卓会議の代表として選挙に挑むことを求める。
アキバの人々が未来をゆだねるのは「アキバ統治府」か「新生円卓会議」か?冒険者と大地人もともに一人一票の権利を持つが、大地人の多くは、斎宮家の後ろだてを持つアインスの「アキバ統治府」を支持しているという。 優勢が伝えられ、自信を持つ斎宮トウリやマルヴェス卿に対し、他ならぬアインスはシロエの秘策を警戒し、「勝負は五分五分」と慎重な姿勢を崩さない…。 そしてついに、アキバの街は投票当日を迎える!
円卓会議の代表であり、アキバ随一の戦闘系ギルド「D.D.D」の指揮官でもあったクラスティは、モンスター討伐中に日本(ヤマト)サーバーから中央アジアにあたるユーレッド大陸・中原(ちゅうげん)サーバーに転移させられていた。そのクラスティがなぜかシロエや直継の古くからの盟友・カナミと行動をともにしているらしい…。 謎めいたクラスティの近況をレイネシアたちに伝えるべく、リーゼと高山三佐が立ち上がった!?
中原サーバーの白桃廟(はくとうびょう)でHP(ヒットポイント)を削られ、過去の記憶もさだかでないまま隠遁生活を過ごすクラスティは、ある日思い立ってファーデャオを連れて山を降りることにする。そんなクラスティに遭遇したのは、葉蓮仙女に言いくるめられ、カナミたち一行と別れたエリアスだった。 「相手にとどめを刺せない」という呪いに苦しむエリアスは、クラスティを魔神と信じて襲いかかるのだったが…。
新生円卓会議が発足したアキバの街では、クラスティの捜索を誓ったレイネシアやシロエが慌ただしい毎日を送っていた。 ある日、アキバから足を延ばして食料調達にでかけたトウヤ、五十鈴、セララ、ルンデルハウスは、森の中で行き倒れている狼牙族の姉妹を発見する。空腹のあまりセララからキノコを奪いとってかじりつく、姉レリア=モフールと妹リトカ=モフール。 ふたりは65レベルに達する「古来種」の大地人だった。
イズモの護衛騎士団を粉砕したという新たな典災「エレイヌス」。その存在をモフール姉妹から聞きつけ、シロエやアイザックは警戒態勢に入るが、アキバの街では平静が続く。 事務作業に追われていたシロエは、ミノリやトウヤたち「年少組」に実戦の機会がないことを詫び、ミノリをともなって装備品の調達のためマーケットにおもむく。 期せずして訪れたショッピングデート(?)のチャンスに、ミノリの心はときめいて!?
異様な雰囲気に包まれたアキバの街。ギルドハウスに取り残されたのは、ミノリ、トウヤ、五十鈴、ルンデルハウス、そしてアカツキ。はたして、シロエや直継たちはいずこに…? そして、三日月同盟のギルドハウスでも、マリエールやヘンリエッタが姿を消し、セララは動揺を隠せない。そして、アキバの街路も迷宮と化し、アイザックやウィリアムたちにはモンスターが次々と襲いかかる。 ついに典災エレイヌスの攻撃が始まったのだ。
レベル90を超えていたシロエや直継、リーゼたちが軒並みレベル35に引き下げられ、取るに足らないモンスターたちに次々と敗れ去っていく…!? 奇想天外な典災エレイヌスの攻撃を受け、絶体絶命のアキバの街。 そんななか、ミノリやアカツキはセララたち三日月同盟の若手メンバーとかろうじて合流する。 かつて悪徳ギルド「ハーメルン」にとらわれ、シロエたちに救出された若者たち。アキバの命運はこの24人に託された!
不気味な典災エレイヌスを相手に「アキバレイド」が幕を開けた! ミノリの懸命の指揮のもと、典災を追い詰めていく24人。ところが、エレイヌスが繰り出す精神属性攻撃が、若者たちの「思い出」や「あこがれ」を奪い去ってゆく。 ミノリのシロエへの想いが、トウヤの直継へのあこがれが、セララのにゃん太への思慕が、次々と砕け散る…。 多くのメンバーが戦意すら失うなか、天空から舞いおりたアカツキが刃をふるう!
このレビューはネタバレを含みます
ゲームの中に閉じ込められた多くの人々が現状を受け入れたのちにそこで生活する様を描いていた。突如現れる魔物との戦いがあったりしつつも、国をどうにか良い方向に持っていこうとする人目線で生活を追って見てい…
©橙乃ままれ・KADOKAWA/LHP