ウシュアイア

ギヴンのウシュアイアのレビュー・感想・評価

ギヴン(2019年製作のアニメ)
3.5
大学生の春樹と秋彦とインストバンドを組んで活動をしているものの、惰性に任せて高校生活を送る立夏は、学校で弦がさびたギターを抱え物憂げに孤独に耽る真冬と出会う。立夏が弦を張り替えたことをきっかけに、立夏は音楽未経験の真冬は立夏にギターを教えることになる。ふとしたきっかけに真冬が口ずさんだ歌声に心を動かされた立夏は、バンドのヴォーカルに誘い、4人で活動していくことに…

ノイタミナ×青春バンドストーリー×スコア4.1
観るっきゃないでしょ、とBLとは知らず観始めたが、本筋はあくまでも青春軽音楽で、バンド結成→初ライブまでの流れは軽音楽のチュートリアル的な作品となっており、何とか最後まで完走。

恋愛要素は緩やかに進み、これもいつもの愛好家向けのサービス程度だろうと思いきや、BLが本格化して気づいた段階では本筋はクライマックスを迎えてしまい離脱しがたくなってしまった。

同じ高校、同じバンドメンバーの中で二人だけ高校生となったら立夏が真冬のことを面倒を見ているうちに、真冬のことばかり考えてしまうのは不思議なことではない。その他、自分の知らない友人との約束とバッティングしたらちょっと面白くなくなるのは当然だし、過去のトラウマが気になるのも友情の範囲で理解できなくもない。

それでも立夏が友情を超えて真冬に落ちてしまったのは、真冬の口ずさんだ歌で立夏が作曲を始めてしまい、真冬が立夏にとっての「ミューズ」(創作のインスピレーションを与える存在)になってしまったからとも解釈できる。立夏を主人公と見る限り、恋愛もまたあくまでも音楽・芸術の文脈の中にとどまっている。いや、これは恋愛といっていいんだろうか。

不意打ちが如く観てしまったBLとされる作品だが、完走できたのはあくまでもバンドの物語だったからだと思う。

(編集して再投稿)
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