スモール・アックスの1の情報・感想・評価

エピソード01
マングローブ
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コメント6件
ドスティ

ドスティ

とても良かった! カリブ系黒人の移民コミュニティを舞台に実際の裁判を描く。 白人警官による不当な嫌がらせに対し、暴動ではなく知的で理性ある抵抗をして人権の為に闘う姿は、差別と偏見が蔓延る世界と日本の今にも希望を齎してくれる。 マングローブ9の法廷劇は「シカゴ7裁判」を連想させるけど、スティーヴ・マックイーン監督の演出は臨場感があり1960年代のノッティングヒルで歴史を目撃した気分になる。 イギリスでもあまり知られてない話で多くの人に届いて欲しいとTVシリーズで製作したらしく、優れた映像作品は映画もドラマも同じ。 女性軽視も盛り込み聖人君子がいないのも好感。指導者になる気は無くても居場所を守るため怒り立ち上がるショーン・パークス、“ブラックパンサー”党レティーシャ・ライト、活動家マラカイ・カービーと役者は皆素晴らしかった。 産婦人科医アダム~でもお馴染みアレックス・ジェニングスの憎らしさよ。
doremifa

doremifa

映画やんけって長さ。 スティーブ・マックイーンなだけあってどっしりと構えた濃厚な仕上がり。ブラック・パンサーが他のPoCに団結を求めるシーンがサラッとだけどあってアガる。ブリカスクソやんけ言うのは簡単だけど、世界中どこでもあったことだし現在進行形でも起きてることよなと当たり前のことを思う。
りょうすけ

りょうすけ

12/12 「シカゴ7裁判」のイギリス版のようなお話。一応ドラマという形にはなってるけど、1話完結で「マングローブ」は2時間越えなので実質映画。レティーシャ・ライトがブラックパンサー党の関連人物として出てる。
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shaaaaamo3

shaaaaamo3

このコメントはネタバレを含みます

テレビシリーズの枠を越えた傑作映画。やっぱりレティーシャ・ライトが二代目ブラックパンサーにならないとダメだよ
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うらぬす

うらぬす

4.1/5.0 人種問題が題材の作品は役者も熱が籠もるのか、いつも以上に優れた演技を披露してくれることがままあるけど、本作もその例に漏れず。 理不尽な圧力に晒される憤怒と悲壮に満ちた前半と、知性を武器に闘う法廷劇の形式を取った後半。一見ガラッと雰囲気が変わっているようで、巧みな台詞回しと品格ある映像の力で作品に説得力を持たせている点は一貫していて、監督が上手く作品全体をコントロールできている感がよく伝わってくる。静と動で言えば基本的に「動」に寄ってはいるものの、時折垣間見える「静」の部分の凄みはスティーヴ・マックイーンが『HUNGER/ハンガー』の監督でもあることを強く思い出させる。
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KUBO

KUBO

今日は、スティーヴ・マックイーン監督作『スモール・アックス』第1話『マングローブ』を最速試写会にて鑑賞。 舞台は1968年、ノッティングヒル。自分の店「マングローブ」を開店したフランクは人生最良の日々を迎えるはずだったのだが、黒人を目の敵にしている地元警察は、嫌がらせに何度も店に立ち入っては不当に黒人仲間を拘束、店内を破壊して回った。 「マングローブ」は地域の黒人たちの憩いの場であり交流の場であったことから、フランクの惨状が逆に黒人の結束を呼ぶことになり、彼らは警察署まで “Hands off black(黒人に手を出すな)” のプラカードを掲げてデモ行進を行うのだが、そこで多くの黒人仲間が逮捕され「暴動を扇動した」という嘘の罪状で訴えられてしまう。 まずは1968年という時代。昨日見た『ベルファスト』の前年。同じUKでの出来事なのだが、アイルランド 内の紛争と、黒人に対する差別や暴力と、宗教間、人種間と争いの根は違えど、この頃いかに人間が暴力的だったかを感じさせられる。 また「ブラックパンサー」。「え? アメリカじゃないの?」って思ったが、イギリスのブラックパンサーは名前は同じでも、アメリカのそれとは違うものらしい。作品内でも非暴力だったし。 この「ブラックパンサー」の女性を演じているのがレティーシァ・ライト。映画『ブラックパンサー』のシュリ、かつ次回作『ワカンダ・フォーエバー』の主役なのだから、どれだけ「ブラックパンサー」に縁があるのか。 後半は法的劇となり、『シカゴ7裁判』と同じノリ。奇しくも、この2つの裁判は同じ1968年に行われ、こちらは「マングローブ9」と呼ばれた。 白人社会の法廷で、白人の裁判長が、白人が圧倒的に多い陪審員が有罪・無罪を決める。困難な審議の流れの中で、あるポイントで形勢が逆転してから俄然おもしろくなる。 実話に基づく作品なのだから、このまだ偏見や差別が蔓延する社会にも、人種を超えた正義はあったと思えるところがうれしい。 本作は配信を前提にしたドラマ作品の第1話ということだが、独立した作品であり、劇場用映画と何の遜色もない素晴らしい作品であった。さすがはスティーヴ・マックイーン監督といったところか。 機会があれば、2話以降の作品も見てみたい。
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