1話たった10分、出演者は1人と見えない電話の相手。これだけの設定で、相手との関係や、置かれている環境・状況を想像しながら楽しめる。

電話だけのシーンなんだから、ラジオドラマでもいいじゃん、と思いがちですが、3人の役者さんがこれをNHKドラマでやる意義を見せ付けます。

中田青渚、声も話し方も表情もめちゃかわいい。岡山天音、スカッとジャパンのやな奴な印象しかなかったけど感受性豊かな方なのかなと思えた。松岡茉優は圧倒的な技術を見せ付けているという感じでした！

他の人でも見てみたい。

電話をしている時、なんで落ち着きがなくなるんだろう。相手を想って話しているのに、相手の目を見れないからなのかな。でも、相手を想っているからこそ、つい落ち着かなくなるんだろう。そんな事も幸せなんだと思い出させてくれる作品。


【第1話】中田青渚
『街の上で』の長回し、城定イハを彷彿とさせる関西弁。彼女は関西出身だからそうなんだけど、本来の魅力が10分に凝縮されていて、今も頭の中で声がこだまする。優しい声だな…とつくづく思う。また、会話の中身から相手がどれだけ親しい時間を過ごしてきたのか考えたくなる。第一夜に彼女を持ってきたNHKに拍手を送りたい。

【第2話】岡山天音
これまた出ていると観たくなる俳優さん。イメージにないタバコの煙が部屋で焚かれていて、また違った雰囲気でカッコいい。こちらは言葉を探しながらも手に余ったモノを埋めようとする。聞いているのかいないのか…みたいな雰囲気がまた好きで、想像と近しい感じ。思い出を巡りながら話していくのが印象的だった。

【第3話】松岡茉優
おじいちゃんのお誕生日を電話越しで祝う。このシチュエーションが1番コロナ禍らしさを写している。あの頃気軽に会えていたのに…という悔しさと楽しかった記憶が滲んできて、松岡茉優の涙につられそうになる。言葉を伝えようとする為にペースをゆったりにするのは、その人を想っているんだろう。温かかったな…。


シリーズ化してほしいな…と思う。実験的でありながら作品としての質感が高いので、凄く10分間に見応えを覚えた。

• #さんさんドラマ2022
• #さんさんSPドラ新作2022

登場人物はひとり、相手の声は聞こえない…。
電話で話す姿だけを１０分間映す、新しい形のショートドラマ。

第一夜 「中田青渚」
第二夜 「岡山天音」
第三夜 「松岡茉優」

正直なところ可もなく不可もなしという内容でしたが、ひとり芝居+背景(相手の声、人物像)を想像するという演出や試み(ありそうで意外になかった)はありかも。
誰かに"ちょっと“電話してみようかなと思わせてくれるようなドラマでした。

各話ともに役者の演技力はさすが◎