地球を守るヒーロー達。そのキャラクター像は完全無敵のマーベラスマンやダークな正義を貫くナイト・ホークなどどこかで見たデザイン。。というのはもはや天下のAmazon御大が既に「ザ・ボーイズ」でアーキタイプを構築しており、ザ・ボーイズ的アプローチから風刺や政治的主張に訴求する本作。核戦争の恐ろしさは日本の上の大国の動きから、とても他人事に思えず現実的に感じる。
明らかに低予算な部分をカルト的人気のある格闘ゲーム モータル・コンバット風のグロフィニッシュや、レトロゲーチックな演出、昔のアメコミのような作画のアニメーションで乗り切る機転がオシャレ！

えらく評価低いですね。私はなかなか好きです。
目まぐるしすぎる展開と映像。実写とアニメとゲームのドット絵とクレイアニメと、ひたすら慌ただしくどんどんストーリーとアイデアが切り替わって進んでいく。金かかりそうなバトルシーンやらは大体ゲーム画面だったね。実写映像にライフゲージが出るのとか、トドメ打つ時の「FINISH HIM」やら死んだ後の「FATELITY」の字幕はすき。
常にダイジェスト版というか、洋ドラマによくある「先週までの〇〇は・・・」の振り返りまとめみたいなスピード感で進むので、まあ脳が疲れる。ぼーっとすると置いてかれるあっという間に。
内容的にはAmazonのBoysとか、ウォッチメンみたいなヒーローたちのダーク面をフューチャリングしたストーリー。オマージュなのかパクリなのかインスパイアなのかは置いておいて、今ではそれほどこう言う暗黒ヒーローものは珍しくないので、普通に作って数シーズンのドラマシリーズにするより30分7話で怒涛の映像世界に特化するやり方で存在感を出すのはアリだったのかな。

ヒーローもののパロディという事でもっとシュールなギャグコメディかと思ったら真っ当にファシズム、プロパガンダ、戦争批判作品だった。
いわゆるヒーローは実はいい奴じゃなかった系のパロディだけど真っ当にヒーローとは何たるかを考え描いている。
30分1シーズンでよくまとめたなと思う。
特に後半からは引き込まれた。

個人的には色んなスタイルのアニメが実写にミックスされて描かれるところもキッチュでポップな魅力になっていて好き。
ヒーローにおけるクィア(ゲイ)表象に興味ある人は必見。
男らしさを求めるヒーローものでは常に避け続けられたテーマであり、まさにその批判になっている。

各ヒーローが元ネタに似すぎて心配になる反面、もうそのものに置き換えて見てしまった。
マーベラスマン＝スーパーマンがアジア系なのも良かったです。